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「徳性を涵養する」
「人格の涵養に努める」
このような使い方をする「涵養」という言葉。
かなり難しい印象というか、普段の会話ではまず使わない言葉ではないでしょうか。
ビジネスシーンや役所、教育関係など、かなりかたい言い回しをするような場面ではしばしば使われる言葉ですが、意味がわからないままなんとなく流して聞いていた人も多いかもしれませんね。
色々な場面で使う「涵養」という言葉、ぜひ意味を理解しておきましょう。
今回は、「涵養」の意味と使い方・言い換え表現は?「徳性の涵養」とは?【類義語・例文】についてご説明いたします!
「涵養(かんよう)」の意味
「涵養」は「自然にしみこむように養成すること。無理のないようにだんだんに養い作ること」という意味です。
「かんよう」と読みます。
「涵養」はもともと中国の古い書物で使われたのがはじめだと言われています。
「涵」は「浸す」という意味のある漢字で。「養」は「やしなう。育てる。教える」などの意味がありますね。
「涵養」は水が自然にしみ込んでいくかのように、無理せず少しずつ教え養うという意味なのです。
「涵養」の使い方
「涵養」は水がしみこむように自然に、少しずつ教え養うという意味で使います。
例えば人間性とか、能力、適性といったものを、厳しく急激に身につけさせるのではなく、ゆっくりと無理せずに、自然に養われるように仕向けるということですね。
もともと「水がしみこむように養う」という意味の言葉ですので、文字通り水に関する環境問題などの文脈でもしばしば使われる言葉です。
その場合は「水が自然に土にしみこんで、時間をかけて地下水がたまること」という意味合いになり、「地下水涵養」「涵養井」「水源涵養機能」といった言葉もあります。
水や環境に関する仕事以外であれば、「涵養」といえば何かを自然に養い育てる方の意味になるわけです。
例文で使い方を確認しましょう。
「涵養」の例文
- 各国からの留学生との集団生活の中で国際感覚を涵養する。
- この研修を通して技術だけでなく人格を涵養することが目的である。
- 子供の読解力を涵養するためにはどうすればよいか。
- この大学のスローガンは「確かな知性と豊かな感性を涵養する」である。
「徳性の涵養」とは?
「涵養」の使い方の一つとして、「徳性の涵養」があります。
「とくせいのかんよう」と読みます。
「徳性の涵養」とは、「じっくりと道徳心をやしなうこと」という意味です。
「徳性」は「徳義をそなえた品性」、つまり正しい品性、道徳意識ということです。
そのような立派な品性を「涵養」するわけですから、「自然に、無理のないようにだんだんと道徳性をやしなう」という意味になるわけです。
人格形成とか、修養といったことですね。
学校の方針などによく使われる言葉です。
【例文】
- 我が校の教育方針の一つに「徳性の涵養」が挙げられる。
- 道徳の授業に力を入れ、徳性の涵養を図る。
- 子供の教育において徳性の涵養を重視する。
「涵養」の類義語・言い換え表現
「涵養」の類義語、言い換え表現には次のようなものがあります。
- 教養(教え育てること)
- 培養(手をかけ草木を育てること。転じて、物事の根本を養い育てること)
- 育成(立派に育て上げること)
- 練成(心身、技術などを鍛えること)
- 育てる(手間をかけて養い成長させる)
- 育む(やしない育てる)
- やしない育てる(発展や成長を助ける)
- 培う(力や性質などを養い育てる)
「涵養」の対義語
「涵養」の対義語は特に決まっていません。
「じっくり養い育てる」ことの反対ですので、
- 速成(物事を早く仕上げること)
- 放任(ほったらかして勝手にさせること)
などが文脈により、反対の意味になるかもしれません。
ちなみに、水がしみこむという意味の「涵養」の対義語は
- 流出(流れて外部へ出ること)
- 湧出(地中から湧き出ること)
となります。
まとめ
「涵養」は水が土にじわじわしみこむように、自然にじっくりと何かをやしない育てるという意味の言葉でした。
徳性、人格、何かの能力などなど、「涵養」するものは色々ありますので、色々な場面で出てくる言葉ですね。
ですが、「水がしみこむように」というイメージを知っていれば意味が理解しやすいのではないでしょうか。
ぜひ参考になさってください。
最後までお読みくださりありがとうございました!