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「風除」という季語をご存じでしょうか。
様々な美しい表現が特徴的ですが今回はその中の1つ「風除」について解説していきます。
「風除」について基本的な意味や読み方はもちろん、いつの季語なの?といった疑問にもお答えしていきます。
「風除」を使った俳句もご紹介いたします。
「風除」の意味と読み方
「風除」とは、冬に吹き付ける強く冷たい北風から家屋を守り寒さを防ぐために家の北や西に作る簡易的な塀を指す言葉です。
読み方は「かざよけ」です。
板や丸太、藁といった素材て作られている事が多く、冬が過ぎ暖かくなると取り外される季節限定の囲いを「風除」と言います。
地域によってはとても厳しい寒さとなることも多い冬の北風からいかにして家と身を守るか、そう考えた結果作られるようになったのが「風除」なんですね。
風除室(ふうじょしつ)という言葉もあるように「ふうじょ」と呼んでも間違いではありませんが、季語として使う場合は「かざよけ」と読みます。
「風除」はいつの季語?
「風除」は俳句を作るうえで「冬」の季語となっています。
冬を通して使う季語ではなく冬の中でも初め頃である「初冬」の季語です。
子季語には「風囲」「風垣」があります。
「風除」と「霜除」の違い
どちらも「冬の寒さから守る」という意味の言葉ですが、その対象に違いがあります。
「風除」が家屋を守る囲いなのに対して「霜除」は花や果樹、野菜などを守るために作る覆いを指す言葉です。
冬の備えとして「風除」「霜除」どちらも行うという家庭も多く、人々が冬の寒さに対抗するために考え出した知恵とも言えるのではないでしょうか。
「風除」を使った俳句
風除の外うぶすなの松喬し
(かざよけの そとうぶすなの まつたかし)
木村蕪城
風除の月明りほぼ十五日
(かざよけの つきあかりほぼ じゅうごにち)
阿波野青畝
風除の棒より縄の垂れしまゝ
(かざよけの ぼうよりなわの たれしまま)
高野素十
風除の隙鴨を見て人撃たず
(かざよけの すきかもをみて ひとうたず)
山口青邨
まとめ
季語は俳句だだけではなく、手紙やビジネス文書などの時候の挨拶でも多く使われており数多く覚えて損はありません。
春夏秋冬、日本を美しく彩る四季ならではの情景を繊細かつとても美しく表現した言葉ばかりなので眺めているだけでもとても楽しいんですよ。
季語と実際の景色を見比べる、などという楽しみ方も面白いですね。
日本にしかない「季語」という言葉で季節の移り変わりをより詳しく感じてみてはいかがでしょうか。