言葉の意味と使い方

「契機」の意味と使い方!「きっかけ」との違いは?|類義語・例文

「契機」の意味と使い方!「きっかけ」との違いは?|類義語・例文

※当サイトではアフィリエイト広告を利用しています

「契機」という言葉を知っていますか?

聞いたことがないとか、読み方がわからない人もいるかもしれませんね。

知っていても自分ではあまり使わないという人も多そうです。

ビジネスシーンやニュースなどでもよく使われる言葉なので、この機会に確認しておきましょう。

今回は、「契機」の意味と使い方!「きっかけ」との違いは?|類義語・例文についてご説明いたします!

「契機」の意味

考える男性

「契機」は「物事が起こるときの要素・原因。きっかけ」という意味です。

「けいき」と読みます。

「契」は、「契約」などの熟語があるように「約束する」意味もありますが、ここは「きざむ」「印をつける」という意味で用いられている漢字です。

「機」は「機械」などの意味もありますが、ここは「きざし。きっかけ」といった意味で用いられています。

「契機」は、物事が起こるときの手がかり、動機や原因、最初の状況のことを表します。

「端緒を開く」とは?「端緒」の意味と使い方!【類義語・例文】
「端緒を開く」とは?「端緒」の意味と使い方!【類義語・例文】「この着想が、その後の研究の端緒を開く鍵となった」 この「端緒を開く」という表現は、ビジネスシーンや論文、新聞といった文章中でしば...

「契機」の語源

「契機」の語源は、ドイツ語(また英語やフランス語でも)の「Moment」からきていると言われています。

原語はラテン語の「mouere」で、これは「動かす」という意味です。

そこから、非常に短い時間、瞬間のことを「moment」と言うようになりました。

さらにこれは哲学用語としてヘーゲルの弁証法に用いられており、「全体を構成するために不可欠な要素」「事物の動的過程において、その変化・発展を規定する本質的・必然的な通過段階」という意味を表します。

ちょっと難しいですが、このドイツ語「Moment」の訳語として「契機」という言葉が日本で用いられるようになったということです。

その物事の成立に直接関わる要素、根拠・要因というところから、広く「きっかけ」という意味で使われるようになったのですね。

「契機」の使い方

「契機」は、物事を始める手がかり、直接的な原因ということを表して使います。

「~を契機に」などの使い方が多く、何かを直接的な原因としてその物事が起こった、ということを表します。

例文で使い方を確認しておきましょう。

【例文】

  1. 就職を機に一人暮らしを始める。
  2. 息子の結婚を契機に家をリフォームした。
  3. 肺炎になったことが契機となって、禁煙することができた。
  4. 今回の問題を契機として、経営体制を見直してほしい。
  5. コロナ禍を契機にオンライン会議を導入した企業は多い。

「きっかけ」との違いは?

「契機」は物事が起こるときの発端のことです。

そのような意味で使う言葉に「きっかけ」がありますが、どのように違うのでしょうか。

「契機」と「きっかけ」のそれぞれの意味は、

  • 「契機」は「物事を始める手がかり。原因や動機」
  • 「きっかけ」は「物事を始める手がかり。原因や動機」

となります。

つまり、「契機」と「きっかけ」は同じ意味の言葉ですね。

どちらも物事が起こる、その発端、原因や動機といったことを意味します。

意味が同じなので、どちらを使っても同じということですが、「契機」の方がかたい印象の漢語ですので、ビジネスなどの改まった場面や文章中で使われることが多いです。

「きっかけ」もビジネスや文章で使われることも多いですが、こちらの方が身近な言葉なので、気軽な会話の中でもよく使われます。

「契機」の類義語

「契機」の類義語には次のようなものがあります。

  • きっかけ(物事を始める手がかり)
  • 引き金(物事を引き起こす原因)
  • トリガー(銃の引き金。物事を引き起こすきっかけ)
  • 要因(主な原因)
  • 原因(ある物事を引き起こすもとになること)
  • 誘因(ある作用を引き起こす原因)
  • 動機(人が心を決めたり行動したりする直接の心理的原因)
  • 起因(物事の起こった原因)
  • 口火(爆薬やガス器具などに点火するのに用いる火。物事の起こるきっかけや原因)
  • 発端(物事が始まること)

「契機」の対義語

「契機」の対義語は特に決まってはいません。

ことの起こりや原因ということの反対の意味で、

  • 結果(ある原因や行為から生じた結末)
  • 結論(考えたり論じたりして最終的な判断をまとめること)
  • 帰結(最終的にある結論や結果に落ち着くこと)
  • 終局(物事の結末がつくこと)

といった言葉が、文脈によりますが反対の意味に当てはまるのではないでしょうか。

まとめ

「契機」と「きっかけ」は同じ意味の言葉で、どちらも物事を始める手がかり、直接的な原因といった物事の発端を指します。

「契機」の方が改まった場面での言葉遣いに適していますので、ビジネスシーンなどで機会があれば使ってみてくださいね。

最後までお読みくださりありがとうございました!

ABOUT ME
三角 彩子
大学卒業後、出版社にて秘書・経理補助などの職種を経験。 退職後は塾講師、高校国語(現代文、古文、漢文) の添削指導員などを経て、長女を出産後は在宅でライターをしています。 社会人経験や国語の知識を活かし、秘書検定やビジネスマナー、国語などに関するライティングを主に行なっています。
error: Content is protected !!