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「鬼籍に入る」の意味とは?「鬼籍」の使い方と語源を解説!

「鬼籍に入る」の意味とは?「鬼籍」の使い方と語源を解説!

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「鬼籍に入る」という言葉を知っていますか?

少々古めかしい印象ですので、若い人はあまり会話では使わないかもしれませんね。

「鬼籍に入って○年が経った」「鬼籍に入る方が多くなり……」など、文章で読んだりニュースで聞いたりしたことはあるのではないかと思います。

「鬼」という字が付いていて、なんだか怖い感じがしますが、「鬼籍に入る」というのはどういう意味なのか、わかりますか?

意味や使い方、「鬼籍」の語源なども合わせて確認しておきましょう。

今回は、「鬼籍に入る」の意味とは?「鬼籍」の使い方と語源を解説!についてご説明いたします!

「鬼籍に入る」の意味

まず「鬼籍に入る」とは、「死ぬ。亡くなる」という意味です。

「きせきにいる」と読みます。

鬼の籍と書いて「きせき」と読むところも注意が必要ですが、「きせきにはいる」と間違えている人も多いので気をつけて下さいね。

「鬼籍」の使い方

「鬼籍」はほぼ「鬼籍に入る」という慣用表現で使われます。

○○さんが死んだ、亡くなったという時に、「死」や「亡くなる」といった直接的な表現を避け、婉曲に表したい時に「鬼籍に入る」を使います。

婉曲な表現なので、丁寧な印象もあり、改まった文脈で使うにも適しています。

【例文】

  1. 父が鬼籍に入って10年が経った。
  2. 仲間の一人は若くして鬼籍に入った。
  3. 事件を知る多くの人が鬼籍に入り、今はいない。
  4. ここ数年、同年代が鬼籍に入ることも増えた。
  5. 先代の社長はすでに鬼籍に入っている。

「鬼籍」の語源

「鬼籍に入る」は「亡くなる」という意味なわけですが、では「鬼籍」とはなんなのでしょうか。

「鬼籍」は「閻魔大王が持っていると言われる死者の戸籍台帳のこと」です。

いわゆる「閻魔帳」ですね。

「鬼籍に入る」とは、死者の台帳である閻魔帳に載るということ、すなわち亡くなるということをあらわすわけです。

「鬼籍」は「鬼」の「籍」と書きますね。

なぜ死者の台帳が「鬼」の「籍」なのかというと、中国では死者のことを「鬼」というからなんです。

日本では「鬼」と言えば昔話や地獄のことを書いた本に出てくるような赤鬼や青鬼を想像すると思いますが、日本と中国では「鬼」の意味に違いがあるんですね。

「鬼」の「籍」に載るということは、死者の戸籍の台帳に載るということです。

「鬼籍」「閻魔帳」というと、なんとなく怖いイメージがありますよね。

「鬼籍に入る」「閻魔帳に載る」イコール地獄行き、というイメージがあるかもしれませんが、あくまでも「鬼籍」「閻魔帳」は死んだ人全員を載せる台帳のことであって、地獄に行くか極楽に行くかはその後で決められることなので安心してください(笑)。

「鬼籍に入る」の類語

  • 鬼籍にのぼる(鬼籍に入ると同じ)
  • 死ぬ
  • 亡くなる
  • お隠れになる(身分の高い人が死ぬこと)
  • 入寂する(僧が死ぬこと)
  • 身罷る(死ぬ。特に自己側のものの死の謙譲語)
  • 他界する(死ぬことを丁寧に表した表現)
  • 永眠する(死ぬことを丁寧に表した表現)
  • 往生する(死ぬこと)
  • この世を去る(死ぬこと)
  • あの世に逝く(死ぬこと)
  • 冥土へ行く(死ぬこと)
  • 神に召される(死ぬこと)
  • 御陀仏(死ぬこと)
  • 泉下の人(客)となる(死ぬことを婉曲、文学的に表した表現)
  • 白玉楼中の人となる(死ぬことを婉曲、文学的に表した表現)

「死ぬ」という意味の言葉はこの他にもまだまだあります。

「死ぬ」「亡くなる」だと直接的ですが、間接的な表現もたくさんありますね。

身分の高い人に対して使う表現、仏教的表現、美しい表現や比喩的な表現など、いろいろなタイプのものがあります。

「死」というものが昔からいろいろに考えられてきたテーマであることが、この表現の多さに現れているのかもしれませんね。

まとめ

「鬼籍に入る」は「死ぬ。亡くなる」という意味でした。

「亡くなった」では直接的すぎるかなというときに、婉曲に表現することができる言葉です。

「きせきにいる」という読み方もぜひ覚えておきたいですね。

同じ「死ぬ」という意味でも、いろいろな言い方がありますので、覚えておくとその場に適した言い方を選んで使うことができますね。

ぜひ参考にしてみてください。

最後までお読みくださりありがとうございました!

ABOUT ME
三角 彩子
大学卒業後、出版社にて秘書・経理補助などの職種を経験。 退職後は塾講師、高校国語(現代文、古文、漢文) の添削指導員などを経て、長女を出産後は在宅でライターをしています。 社会人経験や国語の知識を活かし、秘書検定やビジネスマナー、国語などに関するライティングを主に行なっています。
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