言葉の意味と使い方

「奇特な人」の本来の意味は?嫌味になる?由来や使い方を解説

「奇特な人」の本来の意味は?嫌味になる?由来や使い方を解説

「彼は奇特な人だ」

このように使われる「奇特」という言葉があります。

実は、この「奇特」、本来の意味で使っている人は半数ぐらいで、非常に誤用が多い言葉だということをご存知でしょうか。

今回は、「奇特な人」の本来の意味は?嫌味になる?由来や使い方を解説についてご説明いたします!

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「奇特な人」の本来の意味は?

「奇特な人」というと、「奇」という字のイメージもあり、「変わった人」「変な人」といった意味でとらえる人も多いようです。

ですが、「奇特な人」の本来の意味は「言動や心がけが優れていて、褒めるべき人」ということなんです。

つまり、褒め言葉、いい意味の言葉なんですね。

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「奇特」の意味

「奇特」は「特別に優れていること」「行いが感心なこと」という意味です。

「きとく」と読みます。

「奇」は「奇妙」の「奇」ですから、「めずらしい。ふしぎな」といった意味の印象が強いかもしれませんが、「特に優れている」という意味もあります。

例えば「奇才」は「世に珍しい優れた才能」ということですね。

「奇特」は「特に、珍しくて優れている」といった意味になるわけです。

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「奇特な人」の意味

「奇特」がただ珍しくて変わっているということではなく、特に優れているという意味なので、「奇特な人」もいい意味です。

行いが感心で、まれに見るほどすぐれている人ということなので、立派な行いをした人や、普段の行いがいい人に対して使う表現です。

「奇特な人」は変な人ではなく、特に優れていて褒めるべき人といういい意味なので、きちんと覚えておきましょう。

「奇特な人」は、誤用されることが非常に多い言葉です。

平成27年度の文化庁の「国語に関する世論調査」によると、「奇特」の意味は

  • 優れて他と違って感心なこと……49.9パーセント(本来の意味)
  • 奇妙で珍しいこと……29.7パーセント(本来の意味ではない)

という結果になりました。

つまり、3割近くの人が「奇妙で珍しい人」という、本来の意味ではない意味で「奇特な人」を使っているわけです。

「奇妙」「奇抜」「奇怪」など、「奇」という字が怪しげで変なことを表す熟語によく用いられることから、このような誤解が生まれたのでしょう。

特に若い人の方がこの誤用の割合が高まります。

「奇特な人」は嫌味になる?

このように、「奇特な人」は「奇妙な人」「変わった人」と解釈されることが多くあります。

ですから、褒め言葉のつもりで「奇特な人ですね」と言っても、「変わった人ですね」「珍しい人ですね」と嫌味や皮肉を言っているように取られてしまう恐れがあります

例えば、立派な行いだと褒めるつもりで「ボランティアをするなんて奇特な人だ」と言ったとします。

でも、聞いた人は「ボランティアする人を変人扱いしている」と解釈するかもしれません。

「そんなボランティアなんてしない方がいいのに」と嫌味を言われたと思うかもしれませんね。

「奇特な人」という言葉を使う場合は、前後の文脈などからも嫌味や悪口ではなくいい意味でつかっていることがきちんと伝わるように気をつけた方がよいでしょう。

「奇特」の由来

「奇特」の「奇」は、「珍しい。不思議な」などの意味のほか、「普通の程度をはるかに超えてすぐれている」という意味があります。

「特」にも「特に」「ぬきんでる」といった意味がありますので、こうした意味の漢字を組み合わせた「奇特」は、いい意味で珍しい、つまり非常に優れているという意味になるわけです。

また古語では「奇特」は「きどく」と読みます。

これは「神仏の持つ不思議なしるし。霊験」という意味です。

また、形容詞化して「奇特なり(きどくなり)」とし、「非常に珍しい」「感心だ」といった意味もあります。

こうしたことから、今の「奇特」という言葉の意味になったわけです。

「奇特」の使い方

「奇特」は「奇特な人」「奇特な方」「奇特なことだ」といった使い方をします。

「奇特な人」という使い方が最も多いでしょうが、これは今までに述べた通り、「非常に優れていて感心な人だ」といった意味で使います。

悪い意味で「変なやつだ」「変わった人だ」という意味で使うことは間違いですので気をつけてください。

「奇特」の例文

  1. 世の中には奇特な人がいるものだなあ。
  2. 彼は今どき珍しい、奇特な人だ。
  3. 彼女の奇特な行為が評価され、表彰を受けた。

「奇特」の間違った例文

  1. こんなくだらないものを大事にとっておくなんて奇特な人だ。
  2. 今時スマホを持っていないなんて奇特な人だ。
  3. 彼は奇特なことばかりしてみんなに迷惑をかけている。

このように、「奇特」を「変だ」「変わり者だ」といった意味で使うのは間違いということですね。

「奇特」の類義語

「奇特」の類義語には次のようなものがあります。

  • 立派(すぐれていること)
  • 殊勝(健気で感心なこと)
  • 感心(ほめるべきであるさま)
  • 神妙(心がけや行いが立派ですぐれていること)

まとめ

「奇特な人」は奇人変人のことではなく、「特別に優れた人」「行いが感心で褒めるべき人」という意味です。

「奇特」は、特に20代以下の若い世代では「奇妙で珍しい」という本来の意味ではない使い方をされることが多くなっており、これからますますその傾向は強まるかもしれません。

ですが、本来はいい意味の言葉ですから、ぜひ正しく覚えておきましょう。

最後までお読みくださりありがとうございました!

ABOUT ME
三角 彩子
大学卒業後、出版社にて秘書・経理補助などの職種を経験。 退職後は塾講師、高校国語(現代文、古文、漢文) の添削指導員などを経て、長女を出産後は在宅でライターをしています。 社会人経験や国語の知識を活かし、秘書検定やビジネスマナー、国語などに関するライティングを主に行なっています。