言葉の意味と使い方

「君臨」の意味とは?使い方や「降臨」との違いや言い換え表現|類義語・例文

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「○○に君臨する」

この「君臨」という言葉、ニュースなどで見聞きしたことがあるのではないでしょうか。

あまり普段の日常会話では使わないかもしれませんね。

政治経済、世界情勢といったかたい話題から、スポーツや芸能に関する話題、またビジネスシーンでも使うことがあります。

前後の文脈からなんとなくわかるという人も多いかもしれませんが、改めて「君臨」の意味を確認しておきましょう。

今回は「君臨」の意味とは?使い方や「降臨」との違いや言い換え表現|類義語・例文についてご説明いたします!

「君臨」の意味

「君臨」は「主君として国家を統治すること」「ある分野で強大な力を持って他を支配すること」という意味です。

「くんりん」と読みます。

「君」は「君主」の「君」で、国などを治める人という意味です。

「臨」は「のぞむ」という字で、ここは「見下ろす。上に立つ」といった意味で使われています。

「君臨」は、主君として国を治めるということです。

そして、そこから転じて、その分野で強い力を持って他を押さえトップに立つ、支配するという意味になりました。

>>「覇権」の意味とは?「覇権主義・覇権国家・覇権争い」など使い方を解説

「君臨」の使い方

「君臨」は、もともとは「主君として国を統治する」という意味で使います。

そこから転じて、「ある分野で強大な力を持って他を支配する」という意味で、いろいろな場面で使われます。

ビジネス界や政界、スポーツ界などなど、何かの分野で頂点に立つことを指して使います。

  • トップに君臨する
  • 頂点に君臨する
  • 君臨すれども統治せず

といった言い回しでよく用いられています。

「トップに君臨する」「頂点に君臨する」とは

「君臨」は、「トップに君臨する」「頂点に君臨する」という使い方が多いです。

これは、ある分野の「トップになる」「頂点に立つ」ということで、「1位になる」「優勝する」などということを表します。

「君臨すれども統治せず」とは

1800年代のイギリス

「君臨すれども統治せず」は、18世紀以降のイギリスにおける君主制の性格を表す言葉です。

18世紀当時のイギリス国王、ジョージ1世はドイツ生まれで英語ができず、イギリスの政治に興味を持ちませんでした。

そのため、内閣が国政の責任を負う体制が発達し、国王は政治に関与しないというふうになっていきました。

この「王がいるけれど国政には関わらない」ということから、「権力者はいるけれども物事には直接関わらない」ということを指して広く使われるようになりました。

国政に関連する話題だけでなく、例えば大企業の創業家が名目上トップには立っているが実際の経営には他の重役らに任せてタッチしていない、というような時にも比喩的に使われます。

これは必ずしも「王なのに政治をしてくれない」「何もしない王様」というような批判の意味で使う言葉ではありません。

「王が政治的な支配権を持たずに統治の象徴として存在すること」「王はいるが政治は内閣に任せること(責任内閣制)」を指す言葉なので、特に悪い意味というわけではありません。

批判の意味で使われることもあればいいニュアンスで使われることもありますので、前後の文脈から判断しましょう。

「君臨」の例文

  1. 彼は長い間A社の経営トップに君臨している。
  2. 芸能界のトップに君臨する。
  3. 彼女はオペラ界の頂点に君臨するソプラノ歌手だ。
  4. 彼は偉大なバッターとして日本プロ野球界に君臨した。
  5. ハプスブルク家はヨーロッパで700年に渡り頂点に君臨し続けた名家である。

「降臨」との違い

「君臨」と似た言葉に「降臨(こうりん)」があります。

似ていますが、これらの違いは次のようになります。

  • 「君臨」は「主君として国家を統治すること」「ある分野で強大な力を持って他を支配すること」
  • 「降臨」は「神仏が地上に来臨すること」「他人を敬ってその出席を言う言葉」

「君臨」は、絶対的な権力や圧倒的な力を持って、人々の上に立つということです。

「降臨」は、神仏が地上に舞い降りることや、そこから偉い人や有名人などが出席する、現れるということも指すようになりました。

権力者が支配することや、力のある人がトップに立つことを「君臨」、神仏の来臨や偉い人が出席することを「降臨」と言いますので、似ていますが意味はかなり違っていますね。

「君臨」の類義語

「君臨」の類義語には次のようなものがあります。

  • 統治(すべ治めること)
  • 統御(全体をまとめて支配すること)
  • 支配(ある地域や組織に力を及ぼして自分の意のままに動かせるようにすること)
  • 掌握(自分の思い通りにすること)
  • 制覇(競争相手をおさえて権力や主導権を握ること)

「君臨」の対義語

「君臨」の対義語には次のようなものがあります。

  • 従属(他のものの下につき従うこと)
  • 隷属(つき従うこと)
  • 服従(命令をよく聞いてつき従うこと)

まとめ

「君臨」は「主君として国家を統治すること」「ある分野で強大な力を持って他を支配すること」という意味です。

国を治めるという意味ですが、そこから広くビジネスや政治、スポーツなどなどいろいろな分野において、そこでトップに立って影響力を及ぼすという意味で使う言葉です。

さまざまな話題で用いられる言葉なので、ぜひ覚えておきましょう。

最後までお読みくださりありがとうございました!

ABOUT ME
三角 彩子
大学卒業後、出版社にて秘書・経理補助などの職種を経験。 退職後は塾講師、高校国語(現代文、古文、漢文) の添削指導員などを経て、長女を出産後は在宅でライターをしています。 社会人経験や国語の知識を活かし、秘書検定やビジネスマナー、国語などに関するライティングを主に行なっています。
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