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「恐悦至極に存じます」
このようなセリフ、聞いたことがありますか?
時代劇に出てきそうな、古めかしい感じがしますね。
ですが、この「恐悦至極」は謙譲して相手への敬意を表すとても丁寧な言葉です。
ビジネスシーンでも使う機会はありますから、ぜひ覚えておくとよいでしょう。
今回は、「恐悦至極」の意味と使い方!「恐縮至極」との違いは?【例文付き】についてご説明いたします!
「恐悦至極」の意味
「恐悦至極」は、この上なく喜ぶことを表すかしこまった表現のことです。
「きょうえつしごく」と読みます。
なんだか難しそうな印象の字面ですが、意味は「恐悦」と「至極」に分けるとわかりやすいです。
「恐悦」は「謹んでよろこぶこと」です。
「恐」は「こわい」という字ですが、「おそれいる。つつしむ。かしこまる」という意味があります。
「悦」は「よろこぶ」という意味です。
そして「至極」は「このうえないこと。極めて」という意味です。
極限や極地に至っているということですね。
この「恐悦」と「至極」ですから、ただよろこぶという意味ではなく、とても恐れ多い気持ちで喜びを伝える言葉ということになります。
「恐縮しております、ありがとうございます」「これ以上嬉しいことはございません」
そんな、喜びと敬意を表すかなりかしこまった謙譲の気持ちを表す言葉なのです。
「恐悦至極」の使い方
「恐悦至極」はかしこまった言葉ですから、日常会話の中ではあまり使いませんね。
ビジネスシーンで使うとしたら、改まった言葉遣いをしなくてはいけないようなかなり目上の人に対して発言する時でしょうか。
そこまでではない、普段気安く接している程度の先輩などに使うと丁寧すぎて大袈裟な感じになってしまいます。
「恐悦至極」の例文
- 先生にお褒めの言葉を賜り、恐悦至極に存じます。
- 社長自らお出ましいただき、恐悦至極でございます。
- 本日はお招きいただき、まことに恐悦至極に存じます。
- このような立派な賞をいただき、身にあまる光栄でございます。恐悦至極の思いです。
「恐縮至極」との違いは?
「恐悦至極」に似た言葉に「恐縮至極」があります。
一字違いなので混同しがちですが、この二つの違いは
- 「恐悦至極」は「この上なくよろこぶさま」
- 「恐縮至極」は「大変恐縮するさま」
となります。
「恐縮」というのは恐れ多くて身が縮こまることを表す言葉です。
それに「至極(この上ないこと)」ですから、「恐縮至極」は「この上なく恐れ多くて身が縮こまる」という意味になります。
「恐悦至極」の方は、恐れ入りつつよろこぶことを表します。
「恐縮至極」は「よろこぶ」ということではなく、「恐縮」ですから、「恐れ入る」とか「申し訳なく思う」という意味があります。
ですから、「恐悦至極」が感謝を表すのに対し、「恐縮至極」は「恐れ入ります」と感謝にも使えますが、「申し訳ありません」と謝罪や依頼の時にも使える言葉であるという点が違うわけです。
- 「恐悦至極」→感謝を表す
- 「恐縮至極」→感謝、謝罪や依頼にも使える
「恐縮至極」の例文
- 私にまでお心遣いいただき、恐縮至極でございます。
- このようなことを申しまして恐縮至極ですが……
- 大変申し訳なく、恐縮至極でございます。
- 私事で恐縮至極でございますが、明日は休暇を取らせていただけますか。
最初の例文では「ありがとうございます」という感謝の気持ち、2、3番目は「申し訳ありません」という謝罪、4番目は「すみませんが……」という依頼の形になっています。
「恐悦至極」の類義語
「恐悦至極」の類義語には次のようなものがあります。
- ありがたき幸せ(めったにない幸運)
- 望外の喜び(予想外の、これ以上はあるまいという喜び)
- この上ない喜び(これ以上はないというぐらいの喜び)
- 恐縮至極
「恐縮至極」はもちろんですが、「ありがたき幸せ」も目上の人に対して恐縮しつつ、ありがたいという気持ちを表す少し古めかしい言葉ですね。
「望外の喜び」「この上ない喜び」というのも、友達同士で使うような気軽な言葉ではなく、改まった印象の言葉ですのでビジネスシーンでは使う機会がありそうです。
「至極」を使った他の表現
「恐悦至極」のきまった対義語は特にありません。
反対の意味ではないですが、同じ「至極」を使った表現には
- 残念至極(極めて残念である)
- 無念至極(この上なく無念である)
- 迷惑至極(この上なく迷惑である)
- 満悦至極(この上なく満ち足りて喜んでいる)
などがありますので、覚えておくとよいでしょう。
まとめ
「恐悦至極」はつつしんで感謝を表すという言葉でしたね。
喜びや感謝と、強い敬意を同時に表すことができるわけです。
普段の会話ではなかなか使わないような言葉ですが、それだけに改まった場で、目上の方に対して使うことでしっかりと敬意と感謝を伝えることができる言葉だと言えるでしょう。
ぜひ機会があれば使ってみたいですね。
最後までお読みくださりありがとうございました!