言葉の意味と使い方

「教唆」の意味と使い方!「教唆扇動」とは?「幇助」との違いを解説!【類語・例文】

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「教唆(きょうさ)」という言葉はニュースや新聞等でしばしば見聞きする言葉です。

たとえば殺人事件や傷害事件、そのほかいろいろな犯罪について、実行犯ではないけれど共犯のような人物が「教唆犯」と言われたりします。

ちょっと怖いイメージの「教唆」という言葉ですが、正確な意味がわかる人は案外少ないのではないかと思います。

同じようにニュースでよく聞く言葉に「幇助(ほうじょ)」があります。

こちらも共犯者っぽい人が「幇助犯」なんて言われたりしますよね。

二つの言葉の違いもしっかり確認しておきましょう。

今回は、「教唆(きょうさ)」の意味とは?「幇助(ほうじょ)」との違い!【類語・例文】についてご説明いたします!

「教唆(きょうさ)」の意味

「教唆(きょうさ)」は「あることを起こすよう教えそそのかすこと」「犯罪を行おうと思うように仕向けること」という意味です。

「きょうさ」と読みます。

「唆」という字は「俊」と似ていますので「きょうしゅん」などと読み間違えている人も多いようです。

「唆」は「そそのかす」という字で、「サ」とも読みます。

意味も「そそのかす、けしかける」という意味です。

「教唆」は「教えそそのかす」ということになりますので、あることを起こすように何かを教えたりおだてたりしてそそのかす、という意味になります。

法律用語としては、犯罪を起こすようにそそのかして仕向けることという意味になります。

「教唆」の使い方

「教唆」は「あることを起こすよう教えそそのかすこと」です。

「そそのかす」というのは、相手が何かをするようにすすめたりおだてたりすることですが、特によくないことに対して使う言葉です。

ですので、「教唆」もよくないことに対して使う言葉です。

例えば「困っている人を助けるよう教唆する」とか、「被災地に寄付をするよう教唆する」とか、良い行いをするようにすすめることに対して「教唆」を使うのは不適切ということです。

もちろん「よろしくご教唆ください」などというのは誤りですね。

他の人が犯罪を犯すように仕向ける、という意味もあるぐらいですので「教唆」は悪いことをするようにそそのかすという意味で使います。

「教唆」の例文

  1. 彼女は彼を教唆して書類を偽造させたのだ。
  2. 反則をしてでも相手を倒すよう教唆した。
  3. 彼の行為は教唆扇動といえるのではないか。

 

「教唆扇動(きょうさせんどう)」

「教唆」は「教唆扇動」という四字熟語として使われることがあります。

読み方は「きょうさせんどう」と言います。

「扇動」は「人の気持ちを煽り立ててある行動を起こすようにしむける」という意味です。

「教唆扇動」は「教えそそのかして人をあおること」という意味になります。

「幇助(ほうじょ)」との違い

さて、「教唆」と似た言葉に「幇助」があります。

「幇助」も「自殺幇助」「幇助罪」など、犯罪に関係する用語としてもよくニュースや新聞で見聞きしますよね。

「幇助」は「手を貸すこと」「他人の犯罪行為を容易にするため有形無形の方法で助力すること」という意味です。

これも「手を貸す」といっても、犯罪を助けるという意味でも使われる言葉ですので、どちらかというと悪い意味で使われることが多い言葉です。

「教唆」と「幇助」の違いとしては、

  • 「教唆」は「そそのかすこと」
  • 「幇助」は「手伝うこと」

ということになります。

例えば「殺人の教唆」であれば、人を殺すようにそそのかして決意させるということになります。

「殺人の幇助」であれば、人を殺すのを手伝うということになります。

殺害の方法や手口を教えて犯行を行わせたということであれば「殺人教唆罪」、凶器となるナイフや拳銃を調達して渡したということであれば「殺人幇助罪」になるでしょう。

ちょっと物騒な例えでしたが、「教唆」と「幇助」の違いがお分かりいただけましたでしょうか。

「教唆」の類語

「教唆」の類語には次のようなものがあります。

  • 尻押し(影で助勢をすること)
  • 扇動・煽動(人の気持ちを煽り立ててある行動を起こすようにしむけること)
  • 嗾ける(けしかける・相手をおだてあげて自分の思うとおりのことをさせる)
  • 焚きつける(おだてたりけしかけたりしてその気になるようしむける)
  • 煽り立てる(盛んに煽る)
  • 使嗾・指嗾(指図してそそのかすこと)
  • 促す(急かす。そうするようにすすめる)
  • 吹き込む(前もって教え込む)
  • 持ちかける(相手を誘うように話をしかける)
  • 入れ知恵(他人に知恵をつけること)

いずれも悪い意味で相手をそそのかすような意味の言葉です。

まとめ

「教唆」や「幇助」はどちらも主に悪い意味で使う言葉でしたね。

犯罪に関連して使われることが多いので、あまり日常的に使いたい言葉ではないかもしれません。

ですが、仕事をしていく上でこうした言葉が出てくることもあります。

また、「教唆」や「幇助」について理解できていれば、ニュースや新聞記事の内容がより正しくわかりますよね。

ぜひいろいろな言葉を多く知って、知識を広げていきましょう。

最後までお読みくださりありがとうございました!

ABOUT ME
三角 彩子
大学卒業後、出版社にて秘書・経理補助などの職種を経験。 退職後は塾講師、高校国語(現代文、古文、漢文) の添削指導員などを経て、長女を出産後は在宅でライターをしています。 社会人経験や国語の知識を活かし、秘書検定やビジネスマナー、国語などに関するライティングを主に行なっています。
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