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言葉の意味と使い方

「命題」の正しい意味と使い方!「至上命題」は誤用って本当?【例文つき】

「命題」の正しい意味と使い方!「至上命題」は誤用って本当?【例文つき】

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「命題」は少し難しい言葉ですね。

ビジネスシーンやニュース、ビジネス書などでよく使われる言葉なのですが、実はもともとは論理学や数学の分野で使う言葉なのです。

「至上命題」という言葉もよく見聞きしますが、これは誤用であるとも言われています。

「命題」とはどのような使い方をすればよい言葉なのか、ぜひ確認しておきましょう。

今回は、「命題」の正しい意味と使い方!「至上命題」は誤用って本当?【例文つき】についてご説明いたします!

「命題」の意味

「命題」は「題号をつけること。また、その題」「論理学で、判断を言語で表したもので、真または偽という性質をもつもの」「数学で、真偽の判断の対象となる文章または式」という意味です。

「めいだい」と読みます。

意味を調べてみても、ちょっと難しいのでまだよくわからないという人も多いかもしれませんね。

まず、最初の「題号をつけること。またその題」というのは、要するに「題名」と同じであるということです。

名付けることや、その題名という意味で使われることもあるのですが、これは誤用であるという説もあり、あまり一般的ではありません。

「命題」は主に後の二つの意味、論理学や数学の分野で使うような言葉です。

業種にもよるでしょうが、数学用語を使うのは特殊な状況でしょうから、ここでは論理学的な意味で説明したいと思います。

「命題」は、「判断を言語で表したもので、真または偽という性質を持つもの」、つまり真か偽かを判断できるような文ということです。

「すべての人間は死ぬ」や「ソクラテスは人間である」という文は真実ですね。

ここから「ゆえにソクラテスは死ぬ」という結論が導かれます(アリストテレスの三段論法)。

このように、真か偽かを判断できるような文が「命題」です。

しかし、「日本は広い」とか「富士山は美しい」となると、主観的であり、何と比べて広いといったような根拠もありませんね。

このような文は「命題」ではないわけです。

まとめると、

「命題」は、客観的に正しいか正しくないかを判断できる文のことである

ということです。

誤用だけどよく使われている「人生の命題」

誤用ではありますが、もう一つよく使われる「命題」の意味があります。

それは、「命題」を「課題」とか「任務」、「大切なこと」というような意味で使うということです。

「○○することが今一番の命題である」とか、「人生の命題は○○である」といった使い方です。

「命題」が、「課題」や「命令」と音や漢字が似ているからでしょうか。

本来の論理学や数学で言うところの「命題」とは全く意味が違っています。

誤用ではありますが、ビジネスシーンやニュース記事、評論文などでは非常によく出てくる使い方なのでこれも覚えておくとよいでしょう。

「命題」の正しい使い方

「命題」は「内容が正しいか正しくないか確定している文のこと」を指す論理学上の概念のことです。

この意味では、論理学や数学の勉強をする時に使います。

ビジネスシーンでは、先に述べた「課題」としての「命題」がよく使われているため、

哲学や数学などの研究をしている人以外はあまり使わないかもしれませんが、こちらが正しい使い方ですのでしっかり理解しておきましょう。

【例文】

  1. 富士山は高い、という文は命題ではない。
  2. ある命題が正しい場合は「真」、正しくない場合は「偽」と言う。
  3. 彼はこの命題を追求することに学者としての人生を捧げている。

「至上命題」は誤用?

「命題」はよく「至上命題」という使い方をされます。

ビジネスシーンやニュースでよく使われます。

この「至上命題」は「至上命令」の誤用です。

「至上命令」は「必ず従わなければならない命令、最優先で進めるべき課題」という意味です。

絶対の命令である、重要な指示である、優先すべき課題であるということですね。

「至上命令がくだる」とか、「○○することを至上命令とする」といった使い方をします。

この「至上命令」と「命題」が混同されてできたのが「至上命題」です。

先にも少し述べましたが、「命題」は「課題」という意味で使われることが非常に多くあり、辞書によっては「命題」に「課せられた問題」という意味を加えているものもあります。

そのため、「至上命題」は「重要な課題」「最優先で取り組むべき問題」という意味で捉えられます。

ですので、「至上命題」は誤用ではあるのですが、多く使われている言葉なので、完全に間違いであるとすることもできません。

「至上命題」は「至上命令」から派生した語で、本来は誤用であるが最優先の課題や解決が迫られている問題などを指して用いられていると理解しておきましょう。

「命題」の類義語

「命題」の本来の意味での類義語は次のようなものです。

  • テーゼ(定立。(初めに)立てられた命題)
  • 定立(ある肯定的判断・命題を立てること。また立てられた肯定的判断・命題)
  • 提題(論証によって真偽が確定されるべき命題)

「課題」という意味での類義語は次のようになります。

  • 課題(解決するべき問題)
  • 問題(解決すべき事柄)

まとめ

「命題」は真偽の対象となる判断を文で表したものでした。

ビジネスシーンでは「課題」という意味で使うことの方がむしろ多いのではないかと思いますが、本来はそのような意味はない言葉なのですね。

このように、本来の意味とは違う使い方が広まって、時代とともに言葉の意味が変化していくということがあります。

「命題」という言葉が出てきても戸惑ってしまわないよう、いろいろな使い方を知っておきたいですね。

最後までお読みくださりありがとうございました!

ABOUT ME
三角 彩子
大学卒業後、出版社にて秘書・経理補助などの職種を経験。 退職後は塾講師、高校国語(現代文、古文、漢文) の添削指導員などを経て、長女を出産後は在宅でライターをしています。 社会人経験や国語の知識を活かし、秘書検定やビジネスマナー、国語などに関するライティングを主に行なっています。
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