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「菜種梅雨」 という季語をご存じでしょうか。
俳句や連歌を作るうえで欠かすことの出来ない季語。
様々な美しい表現が特徴的ですが今回はその中の1つ「菜種梅雨」 について解説していきます。
「菜種梅雨」 について基本的な意味や読み方はもちろん、いつの季語なの?といった疑問俳句もご紹介いたします。
「菜種梅雨」 の意味と読み方
「菜種梅雨」とは、春の終わりごろに降る長い雨を指す言葉です。
読み方は「なたねつゆ」です。
春になり菜の花が咲く季節に降るため「菜種梅雨」と呼ばれています。
決して激しい大雨ではなく、草木を優しく濡らすようにしとしとと降る雨なんですよ。
その優しい恵みの雨によって菜の花以外の開花を待っている花々を咲かせることから「催花雨(さいかう)」とも呼ばれています。
「菜種梅雨」はいつの季語?
「菜種梅雨」は俳句を作るうえで「春」の季語となっています。
春といっても春全般で使えるわけではなく、春の終わり頃である「晩春」の季語です。
雨を表現する言葉には美しく幻想的な言葉が多く、人々が雨を「恵み」として認識していたことがわかりますね。
「菜種梅雨」と「梅雨」「さざんか梅雨」の違い
どれもに「梅雨」という言葉が使われていますが、それぞれ降る時期が異なります。
「菜種梅雨」は3月の終わり頃から4月初め頃。
- 「梅雨」はおよそ5月の終わり頃から最長で7月半ば頃まで降る雨です。
- 「さざんか梅雨」は「さざんか」の花が咲く時期の雨であり、11月終わり頃から12月初め頃となっています。
四季それぞれの長雨に名前が付けられており、天候や季節の移り変わりにいかに敏感であり、表現力が高かったのかがわかりますよね。
「菜種梅雨」 を使った俳句
くしやみして厠に子ゐる菜種梅雨
(くしゃみして かわやにこいる なたねつゆ)
飴山實
くらしの灯いきいき点す菜種梅雨
(くらしのひ いきいきともす なたねつゆ)
鈴木真砂女
をうをうと爺が鳥呼ぶ菜種梅雨
(おうおうと じいがとりよぶ なたねつゆ)
原田喬
亡き父が見ゆざわざわと菜種梅雨
(なきちちが みゆざわざわと なたねつゆ)
中拓夫
まとめ
季語は俳句だだけではなく、手紙やビジネス文書などの時候の挨拶でも多く使われており数多く覚えて損はありません。
春夏秋冬、日本を美しく彩る四季ならではの情景を繊細かつとても美しく表現した言葉ばかりなので眺めているだけでもとても楽しいんですよ。
季語と実際の景色を見比べる、などという楽しみ方も面白いですね。
日本にしかない「季語」という言葉で季節の移り変わりをより詳しく感じてみてはいかがでしょうか。