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「根回し」の意味は?ビジネスでの言い換え表現や良い言い方はある?【類義語・例文】

「根回しをしておいた」

「根回しの上手い人」

この「根回し」と言う言葉は、ビジネスシーンでもしばしば耳にしますよね。

よく使われる言葉ですが、どういうイメージを持ちますか?

「根回し」はこっそり裏で取引する、というような結構悪いイメージで捉えられることも多い言葉です。

ですが、必ずしも悪い意味で使う言葉ではありませんので、きちんと意味を知っておきましょう。

今回は、「根回し」の意味は?ビジネスでの言い換え表現や良い言い方はある?【類義語・例文】についてご説明いたします!

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「根回し」の意味


「根回し」は「物事を行う際に、事前に関係者からの了承を得ておくこと」という意味です。

「ねまわし」と読みます。

「根」を「回す」というところからは意味を想像しにくいかもしれません。

実は、「根回し」は、もともとは造園用語なんです。

「根回し」は、木を移植する際に周囲をあらかじめ掘って、広がった根を一部切り落とし、それによって細かい根がたくさん生えるようにして。新しい土地になじみやすくするという作業のことです。

植え替えた先で木がうまく育つように、あらかじめこうした準備をしておくことから、「ことがうまく運ぶようにあらかじめ手を打っておく」という意味で「根回し」が使われるようになったというわけです。

物事を行う前に、あらかじめ内々に打ち合わせをしたり、事前に交渉をしたりして関係者の了承を得ておくことを指します。

「根回し」の使い方

「根回し」は先に述べた通り、樹木を移植する際の準備作業から転じてできた言葉で、「物事を行う前にあらかじめ関係者からの了承を得ておくこと」という意味で使います。

こっそり裏で動いて準備しておく、というちょっと卑怯な感じの悪い意味で使われることもありますね。

ですが、会議や交渉などを円滑に運ぶために、事前にちゃんと準備しておくといういい意味でビジネス用語として使われることも多い言葉です。

例文で使い方を確認しておきましょう。

「根回し」の例文

  1. 事前に各部門に根回しをしておく。
  2. その件なら相手先に根回し済みだから安心してくれ。
  3. 今日の大事な交渉に向けて、かなり前から周到な根回しをしていたためすぐに話がついた。
  4. 根回しなしで新規事業を立ち上げることは難しい。
  5. 私は会議では自分の言いたいことをはっきり言うので根回しなど必要ない。

「根回し」のビジネスでの言い換え表現や良い言い方はある?

「根回し」は、事前に関係者の了承を得ておくという意味で、ビジネスシーンでもよく使う言葉です。

物事を行う前に、円滑にいくように準備しておくということですから、別に悪い意味ではありません。

ですが、「根回し」には、裏で動いて手を回しておく、裏工作をするといった、正式な場に出る前にこっそりズルをするという悪いイメージで使われることがあります。

そのためいい意味で「根回ししました」などと言っても、卑怯な奴だと言う誤解を受ける可能性があります。

ビジネスシーンで「根回し」の代わりに安心して使える、良い印象を与えるような言い方をいくつか覚えてくと安心でしょう。

例えば、

  • 働きかける
  • 手筈を整える
  • 事前調整
  • コンセンサス

といった言葉を使うことが考えられます。

コンセンサス(consensus)とは「意見の一致。合意」と言う意味の英単語です。

日本語の「根回し」とはちょっと意味が違うわけですが、ビジネス用語としての「コンセンサス」は、おおむね「根回し」と同じ意味で用いることができます。

「コンセンサスを得る」「コンセンサスを取る」「コンセンサスを図る」といった使い方で、「事前に合意を得ておく」=「根回しする」という意味になります。

【例文】

  • 会議が円滑に進むよう、事前に各部署の担当者に働きかける。
  • 会議が円滑に進むよう、手筈を整える。
  • 会議が円滑に進むよう、事前調整する。
  • 会議が円滑に進むよう、各部署の担当者からコンセンサスを得る。

「会議が円滑に進むよう根回しをする」というのと同じことなんですが、「根回し」にネガティブなイメージを持たれたくない時はこのような言い方に変えてみてもよいでしょう。

前後の文脈にも注意して、仕事が効率的に運ぶように働きかけました、というポジティブなイメージにしたいですね。

「根回し」の類義語

他にも「根回し」の言い換えに使える類義語は次のようなものがあります。

  • 下準備(本格的に物事を行う前にあらかじめしておく準備)
  • 折衝(有利にことが運ぶように相手と駆け引きをすること)
  • 談合(話し合うこと。競争入札で、参加者が前もって相談し、入札価格や落札者などを決めておくこと)
  • 地均し(ことをうまく進めるためにあらかじめ準備をしておくこと)
  • 事前工作(ことがうまく進むよう事前に合意形成などをはかること)
  • 裏工作(かげでこっそり働きかけること)
  • 手を回す(ひそかに働きかけること)
  • お膳立てをする(何かをするにあたっての下準備をすること)
  • 下地を作る(何かをするにあたっての下準備をすること)
  • 段取りをつける(物事を行う上での順序や手順をまとめる)
  • 水面下で動く(表面に現れないところでひそかに動く)

などなどでしょうか。

「裏工作」などというと悪い意味になりますし、他の言葉にも「こっそり手を回しておく」という悪い印象を持つ人もいます。

いずれにしても、前後の文脈や言葉遣いに気をつけて、卑怯なイメージを持たれないように気をつけたいところですね。

「根回し」の対義語

「根回し」の対義語は特にありません。

反対の意味を表すには、「根回しなしで」「下準備なしで」のような言い回しにするか、「独断で」「勝手に」といった言葉を使うなど、状況に応じて色々でしょう。

まとめ

「根回し」は物事が円滑に進むように、前もって関係者の了承を得ておくという意味の言葉でしたね。

日本独特の面倒くさいやりかただとか、裏でこそこそして卑怯だとかいうネガティブなイメージで捉えられがちですが、決して「根回し」は悪いものではありません。

むしろ、仕事を効率よく、円滑に進めるために「根回し」が重要な意味を持ってくる場面も多くあるのではないでしょうか。

最後までお読みくださりありがとうございました!

ABOUT ME
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三角 彩子
大学卒業後、出版社にて秘書・経理補助などの職種を経験。 退職後は塾講師、高校国語(現代文、古文、漢文) の添削指導員などを経て、長女を出産後は在宅でライターをしています。 社会人経験や国語の知識を活かし、秘書検定やビジネスマナー、国語などに関するライティングを主に行なっています。