言葉の意味と使い方

「にやける 」の本来の意味は「なよなよしている」?正しい使い方と類語

「にやける 」の本来の意味は「なよなよしている」?正しい使い方と類語

「にやけた奴だ」

「あいつはにやけているな」

このような言葉を聞いたら、どう解釈しますか?

「にやける」はよく使われる言葉ですが、顔の筋肉が緩んでちょっと笑う、いわゆる「にやにやする」意味で捉えている人が多いと思います。

ですが、実は「にやける」の本当の意味は違うんです。

この機会に「にやける」の本来の意味を知ってみませんか?

今回は、「にやける 」の本来の意味は「なよなよしている」?正しい使い方と類語についてご説明いたします!

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「にやける」の本来の意味

さて、「にやける」は「男が変にめかしこんだり、色っぽい様子をしたりする」という意味です。

漢字では「若気る」と書きますが、大抵はひらがなで書かれているでしょう。

ちょっと妙な意味ですよね(笑)。

「にやけ(若気)」というのは鎌倉時代や室町時代に、男色を売る若衆(陰間)のことを呼ぶ名称でした。

男色を売るということから……お尻のことも「にやけ」と言ったそうです。

それが転じて、男性がなまめかしい様子をすることを「にやけ」というようになったんですね。

その「にやけ」を動詞化したのが「にやける」で、男性がなまめかしく媚びるような態度をとることを表します。

いわゆる「なよなよ」としていることを指すわけです。

現代的にいうなら「オネエっぽい」「オネエ系」なんていうとわかりやすいかもしれませんね(笑)。

「にやける」の間違った使い方

「にやける」の正しい意味を知ってびっくりした人も多いかもしれません。

「にやける」は、俗に「にやにやする」「口元が緩んで笑顔になる」という意味で使われます。

これは男色に関係する「にやけ」の語源とは別に、単に「にやにやする」という薄笑いを浮かべる際の擬態語と似ているから混同されているということのようです。

しかし、文化庁が発表した平成23年度「国語に関する世論調査」では、本来の「なよなよとしている」意味で使う人が14.7パーセント、「薄笑いを浮かべる」意味で使う人が76.5パーセントとなりました。

つまり、本来の意味ではなかった「にやにやする」意味で使う人の方がはるかに多いわけです。

ですから、辞書等でも俗な用法として「にやける」に「にやにやする」意味の説明を載せているものもあります。

「にやける」=「にやにやする」であるというのは、もはや誤用というよりは俗語として認められるようになってきているようですね。

【間違った使い方の例文】

  1. 好きなアイドルの写真を見てついにやけてしまった。
  2. 大好物が並ぶテーブルを前に、顔がにやけるのを隠せない。

こうした使い方は一般的ではありますが、本来の用法ではないということです。

「にやける」の正しい使い方

「にやける」は、本来は「にやにやする」意味ではありません。

「男性が色っぽい様子をする」「男性がなよなよしている」という意味で使うのが正しい用法です。

また、その意味からもわかるように、本来は女性に対して使う言葉ではありません。

「にやにや」は薄笑いのことなので、女性もにやにやするわけですが、「にやける」は男性が女性っぽくなよなよするという意味ですので、「女性がにやける」というのは不適切なのです。

そして、「にやけた男」「にやけた奴」などという使い方をしますが、これはいい意味では使いません。

「色っぽい様子の男性」ということですから、別に「にやけた男」が必ずしも悪い意味というわけではないのですが……やはり、「なよなよして頼りない」「男なのに女のようになまめかしい」というニュアンスになるので、いい意味では使われない言葉です。

【例文】

  1. あいつはチャラチャラした格好をして、にやけた奴だ。
  2. 男のくせにひどくにやけた奴だ。
  3. 彼は浴衣を着ているとにやけて見える。

「にやける」の類語

「にやける」の類語や言い換え表現は「にやにやする」ではなく、次のようなものになります。

  • なよなよする(力がなくて弱々しいさま)
  • 色っぽい(異性を引き付けるような魅力に溢れているさま)
  • なまめかしい(姿やしぐさが色っぽい)
  • 女性っぽい
  • チャラチャラしている(うわついた態度や軽薄なそぶりで気取るさま)

「にやける」の対義語

「にやける」には特に対義語はありません。

女性っぽくなよなよとすることの反対なので

  • 男らしい
  • 男っぽい
  • 男性的
  • 雄々しい

といった言葉を用いると良いのではないでしょうか。

まとめ

「にやける」は「にやにやする」ではなかったんですね。

びっくりした人も多かったと思います。

もちろん、男らしさや女らしさは人が見て決められるものではありませんし、最近はおおっぴらに「男のくせに」とか「女のくせに」と言うこともなくなってきました。

「男がなよなよしている」という、本来は男性限定の言葉ですから、現代ではなかなか使うシーンは選びそうです。

これまで「にやける」を「にやにやする」意味で頻繁に使っていた人は、この機会に正しい使い方を意識してみてはいかがでしょうか。

最後までお読みくださりありがとうございました!

ABOUT ME
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三角 彩子
大学卒業後、出版社にて秘書・経理補助などの職種を経験。 退職後は塾講師、高校国語(現代文、古文、漢文) の添削指導員などを経て、長女を出産後は在宅でライターをしています。 社会人経験や国語の知識を活かし、秘書検定やビジネスマナー、国語などに関するライティングを主に行なっています。