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「のっぴきならない」の意味とビジネスでの使い方!「のっぴきならない事情」とは?

「のっぴきならない」の意味とビジネスでの使い方!「のっぴきならない事情」とは?

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「のっぴきならない事情があって……」

このような言い回しを耳にしたことがあるのではないでしょうか。

日常でもビジネスシーンでも使われることがある「のっぴきならない」ですが、さてその意味はと聞かれると、はっきりわかる人は少ないかもしれません。

きっと「のっぴき」というのが何なのか謎ですよね(笑)。

今回は、「のっぴきならない」の意味とビジネスでの使い方!「のっぴきならない事情」とは?についてご説明いたします!

「のっぴきならない」の意味

「のっぴきならない」は「身動きがとれない。どうしようもない」という意味です。

漢字で書くなら「退っ引きならない」となります。

ですが、ひらがなで書かれることが多いです。

「のっぴき」という音からは何のことか分かりにくいと思いますが、「退っ引き」という漢字をみるとなんとなくわかるのではないでしょうか。

「のっぴき」は「退き引き(のきひき)」の音便形です。

「退く」も「引く」も、逃げることや避けることを表す言葉です。

それに、打ち消しの「ならない」がついています。

つまり、退くことも引くこともできない、避けたり退いたりできないということで、それが転じて「どうにもならない」という意味になりました。

「のっぴきならない」のビジネスでの使い方

「のっぴきならない」は、「どうすることもできない」という意味で、ビジネスシーンでもよく使われます。

よほどの事情がある時に使います。

例えば、どうしても大事な用事があって会社を休んだり早退したりする時や、仕事上で重大なトラブルがあって大変な状況になった時などです。

どうしようもないこと、重大なことが起こった時に使う言葉なので、「のっぴきならない」をちょっとしたことに使うのは大袈裟になってしまい不適切です。

  • のっぴきならない事情
  • のっぴきならない関係
  • のっぴきならない事態
  • のっぴきならない立場

といった使い方をしますが、いずれも「どうにもならない」というような意味で解釈して良いでしょう。

「のっぴきならない事情」とは?

「のっぴきならない」は、「のっぴきならない事情」という使い方をされることが多いです。

「どうしても避けることができないような事情」といったところです。

詳しく○○が○○なため、などと説明できない時や説明を避けたい時に、「とにかくどうしても避けられない事情があって」と相手に断るような場面で使えます。

「のっぴきならない事情があって欠席します」

このように、ビジネスシーンで使いやすい表現なので覚えておくと便利でしょう。

「よんどころない・よんどころない事情」との違い

困る男性

「のっぴきならない」は、何か重要なことがあってそれが避けられないという時に使います。

「よんどころない」もまた、どうしようもないような事情がある時に「よんどころない事情があって欠席します」などと使いますから、非常に似ています。

これらの違いは次のようになります。

  • 「のっぴきならない」は「身動きが取れない」
  • 「よんどころない」は「やむを得ない」

どちらも、「他にどうしようもない」という意味では同じ意味と言えます。

違いを挙げると、「のっぴきならない」は、追い詰められた状況など、「身動きが取れずどうしようもない」という意味です。

「よんどころない」は、「そうするしかなくてしかたなくそうすること」という意味です。

身動きの取れなさか、そうするしかないことか、どちらを強調したいかで使い分けることができます。

また、「よんどころない」の方があらたまった印象の言葉で、書き言葉にも使われます。

手紙に書く時や、目上の人に使うときは「よんどころない」、親しい相手との話し言葉として使うときは「のっぴきならない」がよく使われているようです。

基本的には「のっぴきならない事情」も「よんどころない事情」も、「どうしようもない、そうする他ない」といった時に同じように使えます。

「のっぴきならない」の例文

  1. のっぴきならない事情で明日の会合を欠席しなくてはいけなくなった。
  2. のっぴきならない用事で今日は早退します。
  3. このようなのっぴきならない状況で、まだそんな気楽なことを言っているのか。
  4. 今回のミスで、Aさんはのっぴきならない立場に追い込まれている。
  5. AさんとBさんはのっぴきならない関係だと聞いた。

「のっぴきならない」の類義語

「のっぴきならない」の類義語には次のようなものがあります。

  • どうにもならない(仕方がない、しようがないこと)
  • 抜き差しならない(動きがとれない)
  • やんごとない(高貴である。そのまま捨ておけない、なおざりにできない)
  • よんどころない(やむを得ない。どうにも仕方がない)

まとめ

「のっぴきならない」は「身動きがとれない。どうしようもない」という意味です。

「退くことも、引くこともできない」というところから、もうどうしようもないような事情がある時に「のっぴきならない事情」などと使います。

あらたまった表現にしたいときは「よんどころない」としても意味はあまり変わりません。

ビジネスシーンでも使われる言葉なので、ぜひ覚えておいてくださいね。

最後までお読みくださりありがとうございました!

ABOUT ME
三角 彩子
大学卒業後、出版社にて秘書・経理補助などの職種を経験。 退職後は塾講師、高校国語(現代文、古文、漢文) の添削指導員などを経て、長女を出産後は在宅でライターをしています。 社会人経験や国語の知識を活かし、秘書検定やビジネスマナー、国語などに関するライティングを主に行なっています。
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