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「野分」という季語をご存じでしょうか。
様々な美しい表現が特徴的ですが今回はその中の1つ「野分」について解説していきます。
「野分」について基本的な意味や読み方はもちろん、いつの季語なの?「台風」との違いは?といった疑問にもお答えしていきます。
「野分」の意味と読み方
「野分」とは、秋に吹く風の一種で、野原の草をかき分けて吹いてくるような強い風を意味する言葉です。
読み方「のわき」です。
地方によっては「おしあな」や「やまじ」と呼ばれている事もありますが、台風がもたらす強い風を「野分」といいます。
台風一過という言葉がありますが、この「野分」が吹き荒れた翌朝はより秋らしい趣を感じる事が出来るんですよ。
「野分」はいつの季語?
「野分」は俳句を作るうえで「仲秋」の季語となっています。
秋全体を通して使える季語ではなく、秋の半ば頃である「仲秋」の時期の情景などを表現する際に使われています。
子季語には「野わけ」「野分波」「野分跡」「野分晴」などがあります。
「野分」と「台風」の違い
「野分」と「台風」は実は同じ意味の言葉です。
台風のかつての呼び名が「野分」であり、明治時代には「タイフーン」と呼ばれていたこともあったんですよ。
明治40年に学術的に台風が定義されたことにより、大正時代より「台風」と言う名前が広く定着したと言われています。
この季語は古く古典文学にも多く使われており、俳句の世界でも「野分」の季語を使った有名な句は多いです。
「野分」を使った俳句
あれ馬のたて髪長き野分哉
(あれうまの たてがみながき のわきかな)
正岡子規
こんぶてふ駅に野分の残りをり
(こんぶてふ えきののわきの のこりおり)
山口青邨
そのむかし乳張りしこと夕野分
(そのむかし ちちはりしこと ゆうのわき)
鈴木真砂女
ひと雨を先立ててくる野分かな
(ひとあめを さきだててくる のわきかな)
稲畑汀子
まとめ
季語は俳句だだけではなく、手紙やビジネス文書などの時候の挨拶でも多く使われており数多く覚えて損はありません。
春夏秋冬、日本を美しく彩る四季ならではの情景を繊細かつとても美しく表現した言葉ばかりなので眺めているだけでもとても楽しいんですよ。
季語と実際の景色を見比べる、などという楽しみ方も面白いですね。
日本にしかない「季語」という言葉で季節の移り変わりをより詳しく感じてみてはいかがでしょうか。