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言葉の意味と使い方

「温情」と「恩情」の違いは?意味と使い方を例文つきで解説|類義語・対義語

「温情」と「恩情」の違いは?意味と使い方を例文つきで解説|類義語・対義語

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「温情」と「恩情」は、どちらも「おんじょう」と読みます。

「ごおんじょうを賜り……」など、使い方も同じようですよね。

感謝の気持ちを伝えるときなどにも使える言葉ですので、それぞれの意味や違いをこの機会に確認しておきましょう。

今回は、「温情」と「恩情」の違いは?意味と使い方を例文つきで解説|類義語・対義語についてご説明いたします!

「温情」と「恩情」の違いは?

「温情」と「恩情」は、どちらも「おんじょう」と読みますね。

それぞれの意味は

  • 「温情」は「あたたかみのある優しい心」
  • 「恩情」は「なさけ深い心」

ということで、どちらも優しい情のある心という感じですから、違いがわかりにくいと思います。

この「温情」と「恩情」の違いは、

  • 「温情」は広く「あたたかい心」のこと
  • 「恩情」は「目下などに対する慈しみの心」のこと

となります。

「恩情」の方が、特に先生など尊敬するような目上の人から情けを与えられて、ありがたく感じるという時に使う言葉なんです。

それぞれの意味と使い方を詳しく見ていきましょう。

>>「ひとかたならぬ」の意味と使い方!お世話になった方への伝え方と言い換え表現【例文つき】

「温情」の意味

「温情」は「温かみのある優しい心」という意味です。

「おんじょう」と読みます。

「温かい」「情(こころ・思いやりなどの意)」ということですから、漢字からも意味がわかりやすいですね。

「温情」は、あたたかで情深い心のこと、ほかの人に対する優しく思いやりのある心遣いを表す言葉です。

「温情」の使い方

「温情」は優しくあたたかい心、親切や思いやりということを指して使います。

目上の人などに対しては「ご温情」と「ご」をつけて、手紙などで「ご温情を賜り」などとよく使われます。

身近で、お世話になった方へのお礼状などで使いやすい言葉です。

大抵の場合、「温情」は目上から目下へのあたたかい心という意味で使います。

そのため、「ご温情」と「ご」をつけることで目上の人のあたたかい心遣い、という意味を表すということです。

また、「温情」は他人について使う言葉なので、自分に対して「私の温情」などとは言いません。

「温情にすがる(人の温情を頼りにする)」「温情を施す(温情を持って接する)」などの言い回し、「温情措置」「温情采配」といった言葉もあります。

「温情」の例文

  1. 義父から温情のこもった手紙をいただいた。
  2. あのような人に温情を施す必要はないだろう。
  3. 彼の温情にすがるしかない。
  4. 皆様のご温情に触れ、感激いたしました。
  5. 平素よりご温情を賜り、まことにありがとうございます。

「恩情」の意味

「恩情」は「情け深い心」という意味です。

「おんじょう」と読みます。

「恩」は「めぐみ、いつくしみ」という意味の字です。

そのような「情(こころ)」ということですから、「恩情」は慈しみのある心ということですね。

特に、「恩」は「めぐみ」ということで、受けた方がありがたく思うような、目上から目下へ与える恵みという意味があります。

そのため、「恩情」は、目上の人から与えられる情深い心のこととなります。

「恩情」の使い方

「恩情」は、情深い心、特に目上の人から与えられる情けで、それをありがたいと思っているという気持ちを表す言葉です。

恩師から与えられた情けなど、先生や両親、尊敬するような人から与えられた情深い心を指して使われます。

目上の人の「恩情」にお礼を言うときなどは、「ご恩情」と「ご」をつけて丁寧にします。

「ご恩情を賜り」などと使います。

「恩情」の例文

  1. 両親の恩情に報いる。
  2. 師の恩情あるはからいに感謝する。
  3. 師匠から受けたご恩情は一生忘れません。
  4. 先生には長きにわたりご恩情を賜り、心より感謝しております。

「温情」「恩情」の類義語

「温情」「恩情」の類義語には次のようなものがあります。

  • 情(他人に対する思いやりの気持ち)
  • 人情(人としての情け)
  • 厚情(あつい情け。思いやりのある心)
  • 芳情(他人の親切な心遣いを敬って言う語)
  • 慈悲(いつくしみ、あわれむこと)
  • 思いやり(他人の身の上や心情に心を配ること)
  • 好意(親切な気持ち)
  • 親切(思いやりを持って人のためにつくすこと)

>>「ご厚情・ご芳情・ご高配」の意味や違いは?目上の人に使う時や年賀状ではどれがいい?

「温情」「恩情」の対義語

「温情」「恩情」の対義語には次のようなものがあります。

  • 非情(人間らしい感情を持たないこと)
  • 無情(いつくしむ心がないこと)
  • 薄情(人情に薄いこと。思いやりの気持ちがないこと)
  • 冷淡(同情や熱意を持たない態度)
  • 冷血(人間らしいあたたかみがないこと)
  • 冷然(冷ややかに対処する様子)
  • 冷酷(思いやりがなく酷いこと)
  • 無慈悲(あわれむ気持ちがなく酷いこと)

まとめ

「温情」と「恩情」は、どちらも情けやあたたかみがある優しい親切な心という意味では共通しています。

「温情」が広く目上の人があたたかい心遣いをしてくれるということを表します。

「恩情」は「いつくしみ」ということで、目上の人が情けをかけてくださるということを表して使ういます。

「恩情」の方が特に「父母の恩」や「恩師」といった、上下関係がある中で使う言葉ということです。

ビジネスシーンでは「ご厚情」などを使うことが多いですが、恩師への手紙では「ご恩情」を使うなど、シーンによって「温情」や「恩情」も使い分けられるとよいでしょう。

最後までお読みくださりありがとうございました!

ABOUT ME
三角 彩子
大学卒業後、出版社にて秘書・経理補助などの職種を経験。 退職後は塾講師、高校国語(現代文、古文、漢文) の添削指導員などを経て、長女を出産後は在宅でライターをしています。 社会人経験や国語の知識を活かし、秘書検定やビジネスマナー、国語などに関するライティングを主に行なっています。
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