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「お裾分けですがどうぞ」
「お裾分けです、よかったら召し上がってくださいね」
この「お裾分け」という言葉、使ったことがある人が多いのではないでしょうか。
人にものを分けるときに使いますよね。
一見、古風な、奥ゆかしい感じの言葉です。
ですが、実はこの「お裾分け」、使い方を誤ると失礼な印象になってしまう言葉なんです。
知らなかったという人も多そうですから、この機会にきちんと確認しておきたいですね。
また、「お福分け」という言葉の使い方も知っておきましょう。
今回は、「お裾分け」の意味と使い方!「お福分け」との違いや由来は?についてご説明いたします!
「お裾分け」の意味
「お裾分け」は「他人からもらった物や利益をさらにほかに分けること」という意味です。
「おすそわけ」と読みます。
例えば、誰かから食べ物をもらって、食べきれなさそうだったり、他の人にも食べて欲しいなと思ったりしたときに、友人や知人に分け与えることがありますよね。
ものに限らず利益など形のないものに対しても使いますが、よそからもらったものをまたよそに分け与えることを「お裾分け」というわけです。
「お裾分け」の由来
では、なぜ「裾を分ける」というのでしょうか。
「お裾分け」は「裾分け」という言葉に「お」をつけて丁寧にしたものです。
「裾分け」の「裾」というのは着物の裾のことです。
スカートやズボンの裾と言うのと同じで、着物の一番下のへりのことです。
着物なので、かなり地面に近い下の方になりますね。
そこから、下の方=重要でない部分を人に与えるということで、「お裾分け」という言葉が生まれたのです。
「お裾分け」の使い方
「お裾分け」はもらったものを人に分け与えるという意味の言葉でした。
普通に「これ、お裾分けですがどうぞ~」と使っている人も多いと思います。
ですが、由来を見てわかる通り、本来は「重要でない部分を人に与える」という意味なのです。
ですから、「お裾分け」は目上の人に対して使うには不適切な言葉なんです。
現代ではそこまで考えず普通に使われていることが多いですが、あくまでも「あまり大事でない部分を分け与える」という意味のある言葉です。
品物の一部を目下の者に分配する、という使い方が本来のものですので、目上の人に対しては使わないよう、気をつけたほうが良い言葉です。
目上の人に対して「お裾分け」をしたい場合は、「いただき物で失礼ですが……」「召し上がっていただけませんか?」など、相手が気を使わなくてもいいような言い回しを考えましょう。
【例文】
- (目下や同等の人に対して)友人からお菓子をたくさんもらったので、お裾分けだよ。
- (目下や同等の人に対して)実家からミカンをたくさん送ってきて食べきれないから、みんなにお裾分けして食べてもらおうと思って持ってきたんだ。
- (目上の人に対して)実家で採れたリンゴがたくさん送られてきて、一人では食べきれないので召し上がっていただけるととても助かります。
- (目上の人に対して)いただきもので失礼ですが、よろしかったら召し上がってください。
「お福分け」との違い
「お裾分け」は目上の人には使わないほうが良い言葉でした。
よく似た言葉に「お福分け」があります。
「お福分け」も「よそからもらったものをほかに分けてやること」という意味です。
意味としては「お裾分け」と同じですが、こちらの方は「福を分ける」と言うめでたい響きの言葉なので、目上の人にも失礼にならずに使える言葉です。
また、もらったものが多すぎて処理できないから分けてあげるというより、「福」と言うことで「いいものをもらったのでみんなで一緒に楽しみましょう」というポジティブなイメージをつけることができます。
先に述べた通り、目上の人に「食べきれないので召し上がってください」と言うのもよいですが、分けるものが美味しいものや素敵なものの場合は「お福分けです」と言った方がもらう方も楽しいかもしれませんね。
人からものを分けてもらった時も「お裾分けをありがとうございます」と言うよりも「お福分けをありがとうございます」と言った方が失礼に思われる心配もなく、無難でしょう。
【例文】
- これは少しですが、お福分けです。
- いただき物で失礼ですが、お福分けいたしますので召し上がってください。
- 郷里から名産の桃が届きました。お福分けに、少しですが、召し上がってください。
- お福分けですので、ご遠慮なさらず受け取ってください。
まとめ
「お裾分け」は普段からよく使う言葉です。
「お裾分けです」と言ってものをあげたことがある人も多いことでしょう。
一般的に使われている言葉なので、「お裾分け」と言っても失礼だと感じる人は少なくなっているかもしれませんが、言葉の意味を改めて考えてみると、上下関係のある場では使いにくいということがわかりますよね。
一見丁寧な言葉であっても、使い方を間違えると失礼になってしまうこともあります。
ぜひこうした言葉の使い方について気をつけて過ごしたいですね。
最後までお読みくださりありがとうございました!