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妖怪「ろくろ首」は、数百年という長い歴史を持つ「おなじみ」ともいえる日本妖怪です。
着物姿の女性の姿で描かれ、行灯に映し出されたシルエットの首がにょろにょろと伸びる。
そんな姿が一般的に想像される「ろくろ首」について、名前の由来や実在したのかという疑問についてもご説明していきます。
「ろくろ首」とは
「ろくろ首」とは、首が長く伸びる・首が抜ける妖怪です。
首が抜けるタイプのろくろ首は「抜け首」とも呼ばれ、この抜け首がろくろ首の元となったとされています。
抜け首は首だけになった姿で飛び回り人を襲って生き血を吸うという悪さをするんだとか。
首が長く伸びるタイプは古来から妖怪話などで知られている「ろくろ首」です。
首を長く伸ばし「恨みつらみ」を言うとされてはいますが、人に実害を加えたという記述は発見されていません。
人を驚かす怪異として伝わってきたのが、長く愛されている秘密なのかもしれませんね。
「ろくろ首」はなぜ首が長い?
ろくろ首の首が長い理由はもちろん所説ありますが、「遠く離れた場所の人間も驚かすことが出来るように」というのがその理由だとされています。
ろくろ首・抜け首ともに、首は自由に動き回れますが首から下の「胴体」は動くことが出来ないんです。
また現在知られている「ろくろ首」の姿は江戸時代に多く描かれた絵画にあります。
江戸時代に描かれた絵画の中では「切断された首」なのか「伸びた首」なのかという区別が付かなかったため、首と胴体の間に線を引き繋げるように描かれたことから、現在の姿が定着したと考えられているんですよ。
「ろくろ」の名前の由来
ろくろ首の「ろくろ」の由来はいくつか存在します。
陶芸で土を伸ばす「ろくろ」からきている、井戸の滑車の部分(ろくろ)によって上下する釣瓶の様子から、など諸説ありますが、そのどれもに一つの共通点があります。
それは「伸びる・伸ばす物」という事です。
首が伸びるという事から、身近にある「何かを伸ばすもの」の名前が付けられたのではないかと考えられているんですよ。
「ろくろ首」は実在した?
江戸時代には吉原の芸者の首が伸びたという話もあり、妖怪ではなく「一種の体質異常なのではないか」という考え方もあります。
なんと1810年、上野にあった見世物小屋で男性のろくろ首が出演し人気となっていたという文献が残されています。
私たちがまだ知らない体質を妖怪と呼んでいるだけで、もしかしたら現在も身近にろくろ首が存在しているのかもしれませんね。
まとめ
古くから絵本やかるたなどでその姿を知られているろくろ首ですが、実在していた可能性もあるんですね。
また首が伸びる怪異は日本だけではなく中国や東南アジアにも存在しているので、気になるという方はぜひ調べてみてはいかがでしょうか。