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「良夜」という季語をご存じでしょうか。
俳句や連歌を作るうえで欠かすことの出来ない季語。
様々な美しい表現が特徴的ですが今回はその中の1つ「良夜」について解説していきます。
「良夜」について基本的な意味や由来はもちろん、いつの季語なの?といった疑問にもお答えしていきます。
「良夜」を使った俳句もご紹介いたします。
「良夜」の意味と読み方
「良夜」とは、空に月が美しく輝く夜を指す言葉です。
月が輝く夜は四季を通じてありますが、この言葉が示すのは旧暦の8月15日の夜なんですよ。
旧暦の8月15日は十五夜としても知られており、お団子を用意して月を眺める「お月見」とおいう風習も日本には古くから伝わっています。
この十五夜の夜空に月が美しく輝いている情景を表す言葉が「良夜」なんですね。
読み方は「りょうや」です。
「良夜」の由来
ではなぜこの旧暦8月15日の夜空が「良夜」なのでしょうか。
それは旧暦の8月15日は秋の長雨の時期と重なっており、実際に夜空に輝く満月をはっきりと見ることが出来るのは稀だとされています。
そんな中で巡ってきた晴れて澄み渡る満月の十五夜を「名月」や「明月」と表現し、その夜に見ることが出来る情景を総じて「良い夜」と表現しているんですね。
明治7年に刊行された「俳諧小づち」という書籍で使われているのが確認されています。
また文学作品においては有名な「徒然草」の中でも使われているんですよ。
「良夜」はいつの季語?
「良夜」は俳句を作る上で「秋」の季語なっています。
秋全般で使えるのではなく、秋の半ば頃である「仲秋」を表現するときに使う季語です。
子季語には「良宵」や「佳宵」があります。
「良夜」を使った俳句
いちじくに実の見えてゐる良夜かな
(いちじくに みのみえている りょうやかな)
森澄雄
ふくろふのくごもり鳴ける良夜かな
(ふくろうの くごもりなける りょうやかな)
水原秋櫻子
人それぞれ書を読んでゐる良夜かな
(ひろそれぞれ しょをよんでいる りょうやかな)
山口青邨
刑務所の大きな塀の良夜かな
(けいむしょの おおきなへいの りょうやかな)
日野草城
まとめ
季語は俳句だだけではなく、手紙やビジネス文書などの時候の挨拶でも多く使われており数多く覚えて損はありません。
春夏秋冬、日本を美しく彩る四季ならではの情景を繊細かつとても美しく表現した言葉ばかりなので眺めているだけでもとても楽しいんですよ。
季語と実際の景色を見比べる、などという楽しみ方も面白いですね。
日本にしかない「季語」という言葉で季節の移り変わりをより詳しく感じてみてはいかがでしょうか。