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「明け方までサッカーの試合を見て、興奮冷めやらぬまま出勤した」
このように使う「冷めやらぬ」という言葉があります。
日常的に使われている身近な言葉ですが、「ぬ」などがついていて文語的でもありますね。
あまり考えずに使っていたという人も多そうですが、ぜひ「冷めやらぬ」という言葉について詳しく確認しておきましょう。
今回は、「冷めやらぬ」の意味と使い方!「冷めやまぬ」は間違い?「冷めやらぬまま」とは?についてご説明いたします!
「冷めやらぬ」の意味
「冷めやらぬ」は「心の昂りなどが、まだすっかり冷めてはいない様子」を表す言葉です。
「さめやらぬ」と読みます。
「冷め」は、「冷める」ということで、熱いものが冷える、高まっていた感情が落ち着くといったことを表します。
「やらぬ」の方は文語的であまり意味がピンとこない人も多いかもしれませんね。
「やる」は動作が完了する意の「遣る」+打ち消しの助動詞「ず」の連体形「ぬ」で、その動作などが終わっていないという意を表して次の名詞を修飾します。
「まだすっかり……してはいない○○」という形で、例えば「晴れやらぬ空」「覚めやらぬ夢」などとも使います。
古文の勉強を思い出すような、古めかしい言葉ですね。
あえて文語的表現をしたい時に使うので、「冷めやらぬ」も興奮などが冷めきっていないということを印象的に表現したい時に使います。
興奮して昂った気持ちが、最高潮ではないもののまだ冷めきってはいない、といった状態を表す言葉です。
なお、同じ「さめやらぬ」でも「覚めやらぬ」「醒めやらぬ」という表記もあります。
こちらは「覚めきっていない」という意味になりますので、「覚めやらぬ夢」「眠りから醒めやらぬ朝」などと使います。
「冷める(熱いものが冷える、興奮が落ち着く)」と「覚める」(目が覚める、酔いが消える)という言葉の意味の違いに気をつけましょう。
「冷めやらぬ」の使い方
「冷めやらぬ」は、興奮した感情などがまだ完全にはおさまっていないということを表します。
「興奮冷めやらぬ」という形で使われることが多く、これは「興奮して昂った気持ちがまだ完全に落ち着いてはいない」という状態を表して使われます。
「興奮」がまだ続いているということなので、スポーツや祭り、大きな事件などを取り上げるニュースや新聞でもよく使われています。
「冷めやまぬ」は間違い?
「冷めやらぬ」ではなく「冷めやまぬ」と言っている人もいるようです。
正しくは「冷めやらぬ」です。
「冷めやまぬ」は「冷めやらぬ」の誤用だと思われます。
「やまぬ」はおそらく「止まぬ」で、これは「止まらない」ということですから、「興奮冷めやまぬ」は「興奮が止まらない」ということを言いたいのだと思います。
「冷めやまぬ」では「ずっと冷めない」というような意味になってしまいますので、「冷めきってはいない」という意味では「冷めやらぬ」が適切なのです。
「冷めやらぬまま」とは?
「冷めやらぬまま」という形もよく使われています。
これは「冷めやらぬ」状態のままということですから、心の昂りなどが落ち着ききっていない状態でまた次のことが起こる、次のことをするといった時に使います。
「興奮冷めやらぬまま」「衝撃が冷めやらぬまま」「怒りが冷めやらぬまま」といった風に、心の昂りがおさまらないままに次の物事にうつるという使い方です。
「冷めやらぬ」の例文
- A選手は歴史的勝利の興奮冷めやらぬままインタビューに応じた。
- コンサートを見に行った感動が冷めやらぬうちに感想をSNSにあげる。
- 彼は興奮冷めやらぬ様子で話し始めた。
- 昨日のトラブルの後、彼女は怒りが冷めやらぬ様子で帰ってしまった。
「冷めやらぬ」の類義語
「冷めやらぬ」の類義語、言い換え表現には次のようなものがあります。
- 余韻に浸る
- 余韻が残る
- 熱に浮かされた
- なかなか落ち着かない
- 完全に冷めていない
「冷めやらぬ」の対義語
「冷めやらぬ」の対義語には次のようなものがあります。
- 冷める
- 落ち着く
- 静まる
- 興奮が落ち着く
まとめ
「冷めやらぬ」は「心の昂りなどが、まだすっかり冷めてはいない様子」を表す言葉です。
多くは「興奮冷めやらぬ」という形で使い、興奮がまだ落ち着いていない、興奮状態がまだ続いているということを表して使います。
文語的な言葉ですが、会話やテレビなどでもよく使われていますのでぜひ正しく覚えておきましょう。
最後までお読みくださりありがとうございました!