言葉の意味と使い方

「晒す/曝す」(さらす)の意味と違いは?「恥をさらす」はどっち?【例文つき】

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最近ネットに人の個人情報や写真など、何かを「さらす」ことが問題になることが多いですよね。

迷惑行為を撮影してSNSにさらした、とか、子供同士のいじめで写真を撮られてネット掲示板にさらされた、とか色々とニュースになったりしています。

こういう時代なので、ちょっと怖いイメージのこの「さらす」という言葉ですが、他にも「野菜を水にさらす」とか、「危険にさらす」とか、色々な使い方がありますよね。

正確には「さらす」ってどういう意味なのでしょうか?

漢字では「晒す/曝す」という二種類の書き方があるのですが、使い分けはどうしたらよいのでしょうか。

ぜひ確認しておきましょう。

今回は、「晒す/曝す」(さらす)の意味と違いは?「恥をさらす」はどっち?【例文つき】についてご説明いたします!

「晒す/曝す」の意味

「晒す/曝す」には色々な意味があります。

  1. 日光、風に当てて干す。
  2. 風雨や日光のあたるままにしておく。
  3. 布などを水洗いしたり薬品を使ったりして白くする。漂白する。
  4. 野菜などのアクや臭みをとるために水に浸す。
  5. 広く人目に触れるようにする。
  6. 避けることができない難しい事態に身を置く。
  7. じっと見る。

意味がとても幅広いですよね。

「晒す/曝す」は「さらす」と読みます。

多くの国語辞典などでは、「さらす」は(晒す/曝す)として一つの項で説明されており、どちらの漢字を使っても同じ意味を表すとされているようです。

このように「晒す/曝す」には色々な意味があり、例えば「ふきんをさらす」といえば三番目の漂白する意味でしょう。

「たまねぎを水にさらす」といえば四番目の水につける意味ですね。

これらもよく使う「さらす」ではありますが、ビジネスシーンなどで一番使うのは5、6番目の意味ではないでしょうか。

「人目にさらす」とか「身をさらす」とか言いますよね。

また、辞書に載っている意味は上のようなものですが、現代ではSNSなどに個人情報などを公開することを「さらす」と言うことが多いです。

ネットにのせて人目にふれるようにするわけですから、確かに「さらす」です。

「ネットにさらす」という現代的な使い方もぜひ覚えておきたいところです。

「晒す/曝す」の違い

「さらす」には色々な意味がありましたね。

そして、「さらす」は「晒す/曝す」のふた通りの漢字があるわけです。

どういうときにどちらの字を使えばよいのか、迷ってしまいますよね。

この「晒す/曝す」には、特に使い分けの決まりはないので、どちらを使っても構いません。

単純にそれぞれの漢字の意味を調べてみましょう。

「晒」という漢字には、「日光に当たったままにする」という意味があります。

「日」に「西」なので、太陽が西から照りつけるということを意味するわけですね。

「曝」の方は、「日にさらしてかわかす」「隠さないですっかり見せる」などの意味があります。

「さらす」の他「バク」などとも読みます。

漢字の意味から言うと、「隠さないですっかり見せる」のが「曝」ですから、「人目にさらす」というときは「曝す」を使うのがよいということになります。

ですが、実際には人目に触れるようにするという意味でも「晒す」を使うことも多いです。

使い分けの決まりがあるわけではないので、辞書に載っているようにどちらを使っても構いません。

一応、一般的には、

  • 漂白する時や野菜のアクを抜く時は「晒す」
  • 人目に触れるようにする時や難しい事態に身を置くときは「曝す」

を使うことが多いとされています。

例文

  1. ごぼうをささがきにして水に晒す。
  2. 腹に晒しを巻く。
  3. この布は日に晒して色が褪せた。
  4. この彫刻は長い間雨曝しになっていた。
  5. これを持っているだけで身を危険に曝すことになる。
  6. こんなものを人目に曝すのははばかられる。
  7. 無断でSNSに顔写真を晒された。

「恥をさらす」は?

「さらす」はよく「恥をさらす」という形で使います。

「恥をさらす」は、「公衆の面前で恥をかく。自分の恥を周囲の人に知られる」という意味です。

この「さらす」は「晒す/曝す」のどちらなのでしょうか。

答えは、「晒す/曝す」にははっきりした使い分けの決まりがないわけですから、どちらで書いても構いません。

「人目に触れる」時には「曝す」の方を使うことが多いと言われていますので、「恥を曝す」の方が多く用いられているのではないでしょうか。

ですが、「恥を晒す」「恥を曝す」、どちらにしないといけないという決まりはありません。

また、どちらも常用漢字ではないので、こちらを使う方がわかりやすいということもないでしょう。

実際には「恥をさらす」とひらがなで書かれることも多いので、迷った時はひらがなで書くという手もありますね。

「晒す/曝す」の類義語

「晒す/曝す」の類義語には次のようなものがあります。

人目にふれるようにする意味で

  • 見せる
  • むき出す
  • 露呈する
  • 暴露する
  • 明るみに出す
  • 白日のもとにさらす
  • 公表する

などがあります。

もちろん他にも、

「白くする」意味であれば「漂白する」

「水につける」意味であれば「水にひたす」

「危険にさらす」であれば「危険な目にあわす」

など、その時の「晒す/曝す」の使い方に応じて言い換え方は色々あります。

まとめ

「晒す/曝す」は全然違う見た目の字なのに、同じように使うというのが不思議ですよね。

また、幅広い意味があって、「野菜を水に晒す」のと「ネットに個人情報を晒す」のが同じ「さらす」なのも面白いところです。

ネットの晒し行為は良くないですが、「晒す/曝す」自体は悪い言葉ではありません。

ぜひ意味や使い方を理解して、使ってくださいね。

最後までお読みくださりありがとうございました!

ABOUT ME
三角 彩子
大学卒業後、出版社にて秘書・経理補助などの職種を経験。 退職後は塾講師、高校国語(現代文、古文、漢文) の添削指導員などを経て、長女を出産後は在宅でライターをしています。 社会人経験や国語の知識を活かし、秘書検定やビジネスマナー、国語などに関するライティングを主に行なっています。
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