※当サイトではアフィリエイト広告を利用しています
ちょっぴり難しい漢字が使われている「皐月」。
「皐月」は何月か、読み方や意味、由来、異名があることはご存知ですか?
今回も日本の文化の一つ「和風月名」「皐月」とは何月か?意味や由来と読み方や別の異名を勉強していきましょう。
目次
皐月は何月?
皐月は「さつき」と読み、5月のことを指す和風月名です。
和風月名とは、旧暦で使われていた月の呼び方です。
今の月は数字で呼ばれていますが、昔は日本らしい和風な名前でそれぞれの月は名付けられていました。
和風月名は、季節の移り変わりの様、農耕行事、習慣などが由来となっていることが多いことが特徴です。
新暦となった現代では使う機会は減りましたが、現代でも和風月名はそのままの旧暦の時の月に当てはめられて使われています。
現代でも皐月=5月と皆様に認知はされているのですが、旧暦の5月を実際の今の季節に当てはめると、6月上旬〜7月上旬頃のことを指しています。
これは、旧暦と新暦では暦自体が違っているためです。
今と昔では1〜2ヶ月のずれがあるのですね。
なので、皐月の由来などを勉強していると、現代ではちょっと違和感を感じるところもあるかもしれません。
ちなみに、現代生活においては、この旧暦とのずれは気にしないでおけばOKです。
もし日常生活で「皐月」という言葉が出てきても、皐月=今の5月と覚えておいたら問題はありませんのでそのまま使いましょう。
競馬「皐月賞」とは?由来は?
「皐月賞」とは、現代の4月に開催される日本競馬の五大クラシックレースの一つです。
競馬ファンの中では、皐月賞は「最も速い馬が勝つ」と言われており、見応えのあるレースなので人気がありますね。
でも、どうして皐月=5月なのに4月開催なのでしょうか。
実はこの皐月賞とは、元々は「横浜農林省賞典四歳呼馬(よこはまのうりんしょうしょうてんよんさいよびうま)」というレースが1939年に創設されたものが、名前がどんどん変化して「皐月賞」に変わっただけなのです。
「皐月賞」は1949年、第一回開催レースが5月であったことが由来で名付けられています。
そして1952年にダービーや梅雨の兼ね合いを理由に、開催を4月に繰り上げられたのですが、名前はそそまま「皐月賞」として残っている訳です。
競馬のレースでは、他にも「桜花賞」や「菊花賞」など、美しい和の季節感ある名前がついたものがあるので、調べてみると面白いかもしれませんね。
旧暦と新暦の違いは?新暦になった理由は?
現代で使われている新暦は、「太陽暦」である「グレゴリオ暦」です。
そして旧暦とは、「太陽太陰暦」のことを指します。
新暦と旧暦の違いは、何を基準に暦が作られているかという点で違います。
新暦のグレゴリオ暦は太陽暦ですから、太陽の動きを基準として作られています。
一方、旧暦は太陽太陰暦と言い、太陽の動きと月の動きの双方を考えて作られた暦です。
旧暦は、月が地球の周りを一周する期間である約29.5日を一ヶ月としています。
そうすると、一年が
29.5日×12ヶ月=354日
となり、365日が1年となる太陽に合わせた暦と比べると、少し季節にズレが出てきてしまいます。
なので太陽太陰暦である旧暦はその差を解消するために、「うるう月」を19年に7回ほどの割合で入れるようにしていました。
つまり、旧暦では年によっては13ヶ月ある年があったのですね。
しかし、日本は1873年(明治6年)から太陽太陰暦である旧暦を廃止し、新暦を使うようになりました。
その理由は、明治維新後に世界各国との交流が盛んになったからだと言われています。
当時の世界では新暦であるグレゴリオ暦が多くの国で使われていましたから、世界に合わす必要性が出てきたのです。
鎖国時代だった江戸時代が終わって、文明開花が始まり、やがて暦も見直すことにしたのですね。
その結果、太陽太陰暦である旧暦が終わり、現代のグレゴリオ暦である新暦が日本で始まったのです。
皐月の意味と由来は?
皐月の由来は、諸説あります。
由来1、「田植えの由来から」
5月は、田植えをする月と言われており「早苗月(さなえづき)」と呼ばれていたそうです。
その「早苗月(さなえづき)」が略化され、「皐月(さつき)」となったと言われています。
由来2、「神に捧げる稲という古語から」
古来「皐」という字には「神に捧げる稲」という意味があったそうです。
お米を筆頭に作物を大切にする日本では、収穫を祈って神に色々なものを捧げる風習がありますね。
この「皐」という字がその風習をそのまま反映し、5月は「皐月」となったと言われています。
由来3、「当て字で皐月となったから」
日本書紀では、「五月」と書いて「さつき」と読ませていたという記録があります。
ですからこの難しい方の漢字が使われた「皐月」という字があてられたのは、奈良時代に日本書紀が出た後のことだとも言われています。
一説には「皐」という字には「水田」という意味もあるらしく、まとめてみるとどの由来にも「稲」や「田植え」といった農業が関係していると言えますね。
皐月の異名は?
皐月にも、他の和風月名と同様にいくつかの異名があります。
ここに有名なものをご紹介いたします。
異名1、「稲苗月(いななえづき)」
皐月は稲を植える時期ということで、そのままそれが異名となりました。
豊作を祈りながら、田に苗を植えていたそうです。
異名2、「田草月(たぐさづき)」
田草とは、田に生える稲以外の雑草のことです。
稲の成長を邪魔しないように、田草はまめに抜かなければなりません。
皐月は田草がどんどん生えてくる時期でもありますので、このような異名がついたと言われています。
異名3、「仲夏(ちゅうか)」
旧暦において夏は4月〜6月です。
5月である皐月は、夏の真ん中ということでこのようにも呼ばれていたと言われています。
異名4、「雨月(うげつ)」
旧暦の皐月は6月頃ですから、ちょうど梅雨の時期です。
そのことがそのまま「雨月(うげつ)」という異名になったと言われています。
異名5、「月不見月(つきみずづき)」
皐月の頃は梅雨であり、いつも厚い雲が空を覆っています。
そのため、夜は月が見えずに暗い夜が続きます。
このことから、このような異名がついたと言われています。
ちなみにこのような皐月の暗い夜の闇を「五月闇(さつきやみ)」と言います。
五月闇は俳句などで使われる季語でもあります。
まとめ
「皐月(さつき)」は5月の和風月名です。
皐月の由来、そして異名においても、どれも田植えが関係するものが多くありました。
このことから、昔の人々がどれだけお米を大切にしていたのか分かりますね。
ちなみに二十四節気では、皐月の頃はちょうど「芒種(ぼうしゅ)」という季節となります。
「芒種(ぼうしゅ)」の由来も、お米の稲などにある「芒(のぎ)」という棘状の部分がある植物の種を蒔くことが由来となっています。
こちらも良ければぜひご覧くださいね。
→二十四節気「芒種」