季語

「五月富士」の意味や読み方とは?いつの季語?俳句も紹介

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「五月富士」という季語をご存じでしょうか。

俳句や連歌を作るうえで欠かすことの出来ない季語。

様々な美しい表現が特徴的ですが今回はその中の1つ「五月富士」について解説していきます。

「五月富士」について基本的な意味はもちろん、いつの季語なの?といった疑問や「五月富士」を使った俳句もご紹介いたします。

「五月富士」の意味と読み方

「五月富士」とは、雪解けも終わりに近づいている初夏の富士山の姿を表現した言葉です。

読み方は「さつきふじ」です。

「五月」とついていますが、この「五月」は旧暦に基づいたものであり現在使われている新暦とは1か月ほどの差があります。

なので「5月に見える富士山」ではなく「初夏の富士山」なんですよ。

山の裾野は青々とした緑に包まれ、空はとても澄み切っている、そんな初夏ならではの気持ちよい風景の中に見える雄大な富士山を「五月富士」と言います。

かの有名な歌人、松尾芭蕉もその雄大な姿を俳句にしています。

「五月富士」はいつの季語?

「五月富士」は俳句を作る上で「仲夏」の季語として使われています。

仲夏とは夏の半ば頃を指す言葉であり、具体的には「芒種」と「夏至」の間の6月5日前後から7月6日前後となります。

「五月富士」と松尾芭蕉

松尾芭蕉が亡くなる前年に詠んだ、最晩年の句の1つが「目にかかる時やことさら五月富士」という句です。

松尾芭蕉が旅の中で最後に見た富士山が五月富士であったということを考えると、その姿もより雄大に見えてくるのではないでしょうか。

ちなみに、芭蕉がこの句を詠んだ日は雨模様だったとされており、雨の合間に見えた富士山なのか、芭蕉が「見ておきたかった」と望んだ風景なのか。

どちらが真実なのかは現在もなお謎のままとなっています。

「五月富士」を使った俳句

目にかかる時やことさら五月富士
(めにかかる ときやことさら さつきふじ)
松尾芭蕉

駈け下りし思ひに仰ぐ五月富士
(かけおりし おもいにあおぐ さつきふじ)
鷹羽狩行

友逝くに高々と浮く五月富士
(ともいくに たかだかとうく さつきふじ)
松崎鉄之介

まとめ

季語は俳句だだけではなく、手紙やビジネス文書などの時候の挨拶でも多く使われており数多く覚えて損はありません。

春夏秋冬、日本を美しく彩る四季ならではの情景を繊細かつとても美しく表現した言葉ばかりなので眺めているだけでもとても楽しいんですよ。

季語と実際の景色を見比べる、などという楽しみ方も面白いですね。

日本にしかない「季語」という言葉で季節の移り変わりをより詳しく感じてみてはいかがでしょうか。

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