言葉の意味と使い方

「釈然」の意味は?「釈然としない」「腑に落ちない」の違いは?【例文】

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「どうも釈然としないな」

こんな言い回しを聞いたことがありませんか?

どうもすっきり納得できないようなときに使う言葉ですよね。

小説や漫画のセリフにもよくありますし、仕事をしていてこの言葉に出会うこともあると思います。

この「釈然」とはなんなのでしょうか?

また、よく似た言葉の「腑に落ちない」との違いはあるのでしょうか。

今回は、「釈然」の意味は?「釈然としない」「腑に落ちない」の違いは?【例文】についてご説明いたします!

「釈然」の意味

「釈然」は「疑いや迷いがとけてすっきりするさま」と言う意味です。

「しゃくぜん」と読みます。

迷いや恨み、疑いといったモヤモヤとした感情がなくなり、安らかな喜びの気持ちになるような状態を表します。

お釈迦さまの「釈」という字が入っていて、なんとなく仏教的な言葉かな?と思ってしまいますが、特に仏教由来の言葉というわけではないようです。

「釈」は「釋」というのが元々の字体で、「文や語の意味を解き明かす」「事情を説明する」といった意味の漢字です。

「然」は状態を表す漢字です。

ですので、「釈」と「然」で「(疑いなどがとけて)すっきりした状態」という意味になるわけです。

「釈然」の使い方

「釈然」は「疑いや迷いがとけてすっきりするさま」です。

ですので、普通に考えると「謎が解けて釈然としました!」のような使い方ができそうですよね。

ですが、「釈然」はほぼ「釈然としない」という形で使われます。

「釈然」という言葉を使うときは、「釈然としない」というひとかたまりの言葉として覚えておいてもよいでしょう。

「疑いなどが晴れず、すっきりしないさま」という意味になります。

「釈然」の例文

  1. 説明を聞いたがまだ釈然としない。
  2. 釈然としないながらもその日は帰ることにした。
  3. 確かにその通りなんだろうと思う一方、どこか釈然としない。

「釈然としない」「腑に落ちない」の違い

さて、「釈然としない」と同じように使われる言い回しに「腑に落ちない」があります。

どちらも納得がいかずモヤモヤする感じの言葉です。

違いはあるのでしょうか。

「腑に落ちない」の意味

「腑に落ちない」は「納得できない、合点がいかない」という意味です。

読み方は「ふにおちない」ですね。

こちらも「腑に落ちる」と肯定形で使われるよりも「腑に落ちない」と否定形で使われることが多い言葉です。

二つの違いは?

  • 「釈然としない」は「話を聞いても納得できない」
  • 「腑に落ちる」は「わけを聞けば納得できそうだ」

簡単にまとめるとこういうことになります。

「腑に落ちる」は「納得する」「理解する」と言う意味です。

ですから、「腑に落ちない」ということは、モヤモヤとはしているけれど、理由や知らなかったことなどがわかればスッキリするということなのです。

それに対して「釈然」は「疑いや迷いがとけてすっきりすること」ですから、「釈然としない」はモヤモヤしていて、事情や話を聞いても納得できずスッキリしないということになります。

ほぼ同じ意味で用いられている言葉ではありますが、このような違いがあります。

全貌がわかってもなお納得できずモヤモヤするときは「釈然としない」

簡単な問題でわけがわかれば納得できそうな場合は「腑に落ちない」というような使い分けができるかと思います。

「釈然」「釈然としない」の類語

【「釈然」の類語】

  • 瞭然(はっきりしていて疑いないさま)
  • 判然(はっきりとしているさま)
  • 晴れ晴れしい(心に煩いなどがなく晴れやかなさま)
  • すっきり(わだかまりがなく気持ちのよいさま)
  • 清清(心にわだかまりがなくすがすがしいさま)

【「釈然としない」の類語】

  • 解せない(理解できない。納得できない)
  • 納得できない(心理的に従えない様子)
  • 心が晴れない(心にわだかまりがあってすっきりしないさま)
  • 合点がいかない(納得がいかない。承知することができない)
  • 訝しがる(物事が不明であることを怪しく思うさま)
  • 判然としない(はっきりと理解できない)

まとめ

「釈然としない」の使い方はお分りいただけたでしょうか。

「腑に落ちない」も、ほぼ同じ意味ではありますが微妙にニュアンスが違うんですね。

「釈然としない」「腑に落ちない」状態は気持ちが悪いですが、どうしてもこの言葉を使わざるを得ないような状況ってありますよね。

ぜひ意味や使い方を理解して使いこなしていきましょう。

最後までお読みくださりありがとうございました!

ABOUT ME
三角 彩子
大学卒業後、出版社にて秘書・経理補助などの職種を経験。 退職後は塾講師、高校国語(現代文、古文、漢文) の添削指導員などを経て、長女を出産後は在宅でライターをしています。 社会人経験や国語の知識を活かし、秘書検定やビジネスマナー、国語などに関するライティングを主に行なっています。
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