言葉の意味と使い方

「したり顔」と「ドヤ顔」の違いは?意味と語源や言い換え表現【例文つき】

「したり顔」と「ドヤ顔」の違いは?意味と語源や言い換え表現【例文つき】

「したり顔で話す」

この「したり顔」という言葉から、どのような顔を思い浮かべますか?

会話や本の中にも出てくる表現ですが、言葉の意味を知らないと、どんな様子のことかイメージできませんよね。

「ドヤ顔」とよく似た言葉なのですが、この「したり顔」と「ドヤ顔」の違いや使い分けも知っておきたいところです。

今回は、「したり顔」と「ドヤ顔」の違いは?意味と語源や言い換え表現【例文つき】についてご説明いたします!

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「したり顔」とは

「したり顔」の意味

「したり顔」は「うまくやったという顔つき。得意そうなさま」という意味です。

「したりがお」と読みます。

得意そうな顔、自慢げな顔、という意味で、自分の思い通りになってうまくいったような時にする得意そうな顔つきのことを指します。

「したり顔」の語源

「したり」の語源は、「す(為)」という動詞です。

現代語でいう「する」(○○する、の「する」)のことで、この「す」の連用形に、完了の助動詞「たり」をつけたのが「したり」です。

つまり、「したり」は現代語に直すと「した」ということですね。

「うまくやり終えた」「成し遂げた」ということで、「したり」はうまくことが運んだ時に使う言葉となりました。

その「したり」に、「~という表情」という意味の「顔」をつけたのが「したり顔」です。

「したり顔」の使い方

「したり顔」は、得意げな顔のことですね。

使い方を例文で確認しておきましょう。

【例文】

  1. 彼女は自分の成功をしたり顔で話す。
  2. シュートを決め、彼はしたり顔でこちらを振り返った。
  3. 清少納言こそ、したり顔にいみじう侍りける人(『紫式部日記』より。「清少納言は得意顔でとても偉そうにしていた人だ、の意)

「したり」は、失敗したり驚いたりした時にも使います。

「うまくやった」ではなくて、「しまった」「やりそこねた」「失敗した」という意味で「これはしたり」などと言います。

古風な言い方なので若い人はあまり使いませんが、年配の方の会話や、映画や小説などでは出てくることがありますので覚えておきましょう。

「したり顔」の誤用には注意

「したり顔」は、物事が思い通りに行った時などの「得意そうな顔」という意味です。

ですが、「知ったかぶりの顔」「よく知っているような顔」という意味で使われることが多いです。

「したり顔」には「知った顔」という意味はありませんので、これは誤用です。

【誤用の例文】

  1. 彼は、本当はよく知らないくせにしたり顔でことわざの説明をしてくる。
  2. 彼女はしたり顔で間違った知識をひけらかしている。

「ドヤ顔」とは

「ドヤ顔」の意味

「ドヤ顔」は「自慢げな顔、得意顔」という意味です。

「どやがお」と読みます。

何かをした後、「今の、すごいだろう?」「格好いいだろう?」と誇って自慢するような顔つき、ということです。

「ドヤ顔」の語源

「ドヤ顔」の語源は、「どや」という顔、ということです。

「どや」とは、関西弁の「どうや?」のことで、これは「どうですか」「どうだ」という意味です。

単に「どうですか」と聞いているだけではなく、「どや」と言う言葉には、「凄いだろう」とか、「格好いいでしょう?」など自慢する意味が含まれています。

その「どや!」という表情ということで「ドヤ顔」という言葉ができました。

これは明石家さんまや松本人志といった、関西のお笑い芸人がテレビなどで使い始めたことから広がったと言われています。

正確に誰がいつ使いはじめたかはわかりませんが、2000年前後あたりから使われるようになってきて、2010年ごろにはテレビなどにより、一般人にも広がってきたようです。

2011年には流行語大賞のトップ10にも入っています。

「ドヤ顔」は日本語としてはまだ新しく、またテレビなどから広まった俗語です。

「ドヤ顔」の使い方

「ドヤ顔」は得意げな顔、自慢げな顔という意味で使います。

俗語ですので、ビジネスシーンや報道などの真面目なシーンではまず使いません。

【例文】

  1. 彼はドヤ顔でこちらを見た。
  2. 彼女はクイズに正解するたびいちいちドヤ顔する。
  3. うちの犬は芸をするたびにドヤ顔で見てくるので可愛い。

「したり顔」と「ドヤ顔」の違いは?

「したり顔」と「ドヤ顔」は、意味としては同じと言っていいでしょう。

どちらも「凄いでしょう?」と得意そうな表情をした時に使える言葉です。

ただし、

  • 「したり顔」は古風な言い方なので、若い人の会話にはあまり使われていない
  • 「ドヤ顔」は俗語なので、ビジネスシーンなどきちんとした言葉遣いをする場面には不適切
  • 「ドヤ顔」は、関西弁の「どや!」という語感からもかなり自慢をするニュアンスが強い
  • 「ドヤ顔」はお笑い芸人から広まったと言われており、滑稽なイメージがある

といった、イメージや使う場面の違いがあります。

場面に応じて使い分けをするとよいでしょう。

「したり顔」「ドヤ顔」の言い換え表現

「したり顔」「ドヤ顔」の言い換え表現には次のようなものがあります。

  • 得意顔(いかにも誇らしげな顔つき)
  • 得意げ(誇らしそうな感じ)
  • 得意満面(誇らしげな様子が顔全体に現れること)
  • 有頂天(得意の絶頂であること)
  • 意気揚々(得意げで威勢のいいさま)
  • 自信満々(自信に満ち溢れていること)
  • 顎を撫でる(得意げなようす)

まとめ

「したり顔」は「ドヤ顔」と同じく、得意げな顔つきを指す言葉でした。

何かを自慢するのは嫌味なこともありますが、「したり顔」そのものは特に悪い意味の言葉ではありません。

「ドヤ顔」ほどくだけた印象の言葉ではないので、ビジネスシーンでも何かの折に出てくることもあるかもしれません。

ぜひ理解しておいてくださいね。

最後までお読みくださりありがとうございました!

ABOUT ME
三角 彩子
大学卒業後、出版社にて秘書・経理補助などの職種を経験。 退職後は塾講師、高校国語(現代文、古文、漢文) の添削指導員などを経て、長女を出産後は在宅でライターをしています。 社会人経験や国語の知識を活かし、秘書検定やビジネスマナー、国語などに関するライティングを主に行なっています。