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「所在ない」という言葉があります。
「所在ないです」などと自分で声に出して使うことはあまりないかもしれませんが、小説の中の描写で「彼は所在なく……していた」などとよく目にしませんか?
「所在ない」という言葉、気軽な日常語ではないかもしれないですが、ビジネスシーンなどではしばしば用いられることがある言葉です。
なんとなく意味はわかるという人も、ぜひ正確な意味や使い方を理解しておきましょう。
今回は、「所在ない」の意味と使い方!語源は?【類語・例文】についてご説明いたします!
「所在ない」の意味
「所在ない」は「することがない、手持ちぶさただ」という意味です。
読み方は「しょざいない」です。
「所在」という字のイメージから、「(そこに)ない、いない」というような意味で捉えている人もいるようですが、「することがない」が正しい意味ですので覚えておきましょう。
「所在ない」の語源
「所在」は漢語では「物や人が存在する場所、存在すること。ありか」という意味です。
「所」は「場所、ところ」ですね。
「在」は「ある、いる」という意味の文字です。
「所在」は文字どおり「あるところ、いるところ」となります。
その「所在」が日本で発展し、新たに「すること。行為」「身分、地位」という意味が生まれました。
「所在ない」の場合はこの「すること、行為」という意味の「所在」が元となっています。
「所在」がないということで、すなわち「することがない、することがなくて退屈だ」などの意味を表すようになりました。
「所在ない」の使い方
「所在ない」はもちろんすることがなくて退屈な時や手持ちぶさたな時に使います。
形容詞ですので、「所在なく~する」「所在ない~」などの形で使います。
形容動詞として「所在なげ」、名詞として「所在なさ」などの使い方もあります。
「所在」という音読みの漢語を使っていますので、「することがなくて……」などと言うよりも堅めの印象になりますね。
ビジネスシーンでも使える表現ですから覚えておきましょう。
【例文】
- 所在なく新聞を眺める。
- 所在ないままに佇む。
- 彼は部屋の隅で所在なげにしていた。
- 私は所在なさを紛らわすためにあちこち歩き回った。
「所在なげ」か「所在なさげ」か?
「所在ない」から派生した用法で「所在なげ」があります。
「所在なげに~する」という風に使いますよね。
「することがなくて退屈なさま」という意味です。
この「所在なげ」ですが、よく「所在なさげ」とも言われます。
どちらが正しいのかはっきりしておきたいところです。
ですが、結論から言うと「どちらも正しい」のです。
「げ」という接尾語は形容詞の語幹について「~そうだ」「~らしい」という意味を表します。
ですからもともとは「所在な」に「げ」をつけて「所在なげ」とするのが正しいのですが、最近では「所在なさげ」と言われることが多く、辞書にも「所在なげ」に「所在なさげともいう」などと載っています。
おそらく「所在なげ」よりも「所在なさ」に「げ」をつけた「所在なさげ」の方が意味が取りやすいといった理由ではないかと思います。
言葉は時代とともに変化していくものですから、現在では「どちらも正しい」と言うことです。
「所在ない」の類語
「所在ない」に似た言葉には次のような物があります。
- 退屈(なにもすることがなく暇を持て余すこと、つまらない)
- つまらない(満足感がない、心が楽しくない)
- 手持ちぶさた(なにもすることがなくて間が持てないこと)
- 間が持てない(時間を持て余してどうしたらよいかわからない)
- 無聊(たいくつなこと、気が晴れないこと)
- 徒然(なにもすることがなくてたいくつなこと)
「退屈」「つまらない」あたりは日常会話でもよく使いますよね。
逆に「無聊(ぶりょう)」や「徒然(つれづれ、とぜん)」となると、難しすぎて相手の人に伝わらないかもしれません。
「手持ちぶさた」や「間が持てない」あたりが「所在ない」と使うシーンなども近いのではないかと思います。
「することがない」「退屈だ」ではちょっと軽すぎるかな……という場面では「所在ない」や「手持ちぶさた」などを使っていくと良いでしょう。
まとめ
「所在ない」は難しい印象の言葉かもしれませんが、意味としては「することがない」というよくある状況を表す言葉です。
同じ「することがない」でも「所在ない」と言うと印象が違って聞こえますよね。
同じ意味でも色々な言葉を知っていると、シーンに応じて使い分けることができますね。
ぜひ参考になさってくださいね。
最後までお読みくださりありがとうございました!