言葉の意味と使い方

「粛々と」と「淡々と」の意味や使い方と違い!【類語・対義語】

「粛々と」と「淡々と」の意味や使い方と違い!【類語・対義語】

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「粛々と行われました」などという言い回しがあります。

ニュースやアナウンスなどではしばしば耳にしますが、あまり普段の会話では使わないという人も多いのではないでしょうか。

なんとなく静かそうなイメージがある言葉ですよね。

「淡々と」という言葉もあります。

こちらは比較的日常でも使う言葉かもしれません。

こちらも静かそうなイメージですし、同じ字を二回繰り返しているので雰囲気が似ていますよね。

似てはいますが、この二つは違う意味の言葉なんです。

適切に使えるように、きちんと確認しておきましょう。

今回は、「粛々と」と「淡々と」の意味や使い方と違い!【類義語・対義語】についてご説明いたします!

「粛々と」の意味と使い方

「粛々」とは「ひっそりと静かなさま」「おごそかなさま」という意味です。

「しゅくしゅく」と読みます。

「粛」という漢字は「つつしむ」「身が引き締まるほど厳しい」「物音を立てない」という意味があり、「自粛」「厳粛」「静粛」などの熟語があります。

「粛々」はその「粛」を二回繰り返して強調する形になっています。

「粛々と」は「ひっそりと静かに」「おごそかに」という意味になります。

慌てず騒がず、身を引き締める気持ちで、真剣に厳しい姿勢で取り組む。

そんな時に「粛々と」を使います。

政治家の発言などでもよく聞かれる表現ですね。

【例文】

  1. 儀式は粛々と進行した。
  2. 今回の事案については粛々と進めさせていただきます。
  3. 各部隊は粛々と船に乗り込んだ。

「淡々と」の意味と使い方

「淡々」には「色、味、漢字などがあっさりと淡白なさま」「態度や行動があっさりしてこだわりが無いさま」「水が静かにたゆたうさま」という意味があります。

読み方は「たんたん」です。

「淡い」という字を二つ重ねた言葉です。

今回ご説明する「淡々と」は、人の態度や行動について「あっさりした様子で」という意味です。

あまり感情の起伏がなくいつも冷静である。

話し方が平坦だったり、動作があっさりしてこだわりが無い感じである。

そんな様子を表す言葉です。

【例文】

  1. 彼は事件の一部始終を淡々と話した。
  2. 淡々と生きてきた。
  3. 淡々とした口調の人物。

「粛々と」と「淡々と」の違い

「粛々と」と「淡々と」は、どちらも静かなイメージの言葉ですが、意味の違いがあります。

「粛々と」には「静かに」というだけでなく、「おごそかに」という意味がありますよね。

真面目に、身を引き締めて物事にあたるという意味が強い言葉です。

先ほども申しましたように、「粛々と」は政治家の答弁などでよく用いられる言葉です。

「粛々と」ということで、「重要なことなので真剣な気持ちで取り組み、やりとげます」という意味あいを表すことができるのです。

それに対して、「淡々と」は「こだわりなく、あっさりと」というニュアンスの言葉です。

ですから、例えば政治家がある事案について「粛々と進めさせていただきます」ということはあっても「淡々と進めさせていただきます」ということはないでしょう。

また、「淡々と」は「いつも冷静で落ち着いている」というような良い意味でも使えますが、「感情の起伏がなく冷たい感じ」というような悪い意味でも使えます。

「あなたは淡々としていますね」などと言われた場合は、後者かもしれませんので気をつけましょう。

【例文】

  1. 葬儀は粛々と進んだ。(おごそかに、静かに進んだ)
  2. 作業は淡々と進んだ。(特に変わったこともなくあっさりと静かに進んだ)

「粛々と」の類語と対義語

「粛々と」の類語には次のようなものがあります。

  • 静粛に
  • しめやかに
  • おごそかに
  • 密やかに

「粛々と」も、多用しすぎるとかえって軽薄に思われてしまいがちですから、こうした他の表現も使い分けると良いでしょう。

また、対義語には次のようなものがあります。

  • 賑やかに
  • 騒々しく
  • 軽々しく

「静かでおごそか」と逆の意味の言葉ですね。

「淡々と」の類義語と対義語

「淡々と」の類義語には次のようなものがあります。

  • あっさりと
  • さらりと
  • 平然として
  • 落ち着いて
  • 冷静に
  • 抑揚なく
  • 無愛想に
  • 冷たく

あまり感情の起伏がなくクールな感じという意味の言葉ですね。

「無愛想」などというと悪い意味になりますので、使うときは気をつけましょう。

対義語には次のようなものがあります。

  • 情熱的に
  • 興奮して
  • 切々と

いずれも感情を込めて、熱い気持ちで行うというような意味の言葉です。

他にも類義語や対義語にあたる言葉はいろいろありますので、ぜひ考えてみてくださいね。

まとめ

「粛々と」「淡々と」という二つの言葉について考えてみました。

耳にしたことはあっても、改めて意味を考えることがない言葉ではないでしょうか。

この機会に意味や使い方を理解して、会話や文章の中に取り入れてみたいものですね。

最後までお読みくださりありがとうございました!

ABOUT ME
三角 彩子
大学卒業後、出版社にて秘書・経理補助などの職種を経験。 退職後は塾講師、高校国語(現代文、古文、漢文) の添削指導員などを経て、長女を出産後は在宅でライターをしています。 社会人経験や国語の知識を活かし、秘書検定やビジネスマナー、国語などに関するライティングを主に行なっています。
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