言葉の意味と使い方

「心象」と「印象」の意味と違い!「心象・印象・心証が悪い」は何が違うの?

「心象」と「印象」の意味と違い!「心象・印象・心証が悪い」は何が違うの?

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「心象」という言葉をご存知でしょうか。

「印象」と似ています。

どちらも実体がなく、心にあるものという点で共通していますので、違いがわかりにくいかもしれません。

「しんしょうがわるい」とか「いんしょうがわるい」といった言葉もよく耳にしますね。

「心象」と「印象」は異なった意味の言葉ですので、この機会に区別しておきましょう。

今回は、「心象」と「印象」の意味と違い!「心象・印象が悪い」は何が違うの?についてご説明いたします!

「心象」と「印象」の違い

「心象」と「印象」は、どちらも心の中に浮かぶ実体のないものという点が共通しています。

ですが、それぞれの意味は

  • 「心象」は「心の中に描き出される姿・形」
  • 「印象」は「あるものに対して抱く感情や感覚」

となります。

つまり、「心象」は心に浮かぶもので、姿や形といったイメージが浮かぶことを言います。

そして、「印象」は対象となるものや人から受ける感じのことを言います。

  • 「心象」必ずしも対象物があるとは限らない点、また姿や形を思い浮かべるという点がポイントです。
  • 「印象」対象物から受けるものである点、また感覚や感情といった形のない「感じ」を浮かべるという点がポイントです。

これが「心象」と「印象」の違いです。

それぞれの言葉について詳しく見ていきましょう。

「心象」の意味と使い方

「心象」は「心の中に描き出される姿・形」という意味です。

「しんしょう」と読みます。

いわゆるイメージ、現実ではなくて心の中に浮かぶ形や映像といったことです。

「心」はもちろん「こころ」、精神や感情といった心のことです。

「象」は「姿や形」という意味です。

「心象」は想像力の働きによって、心の中に描き出される姿や形、情景といったもののことを言います。

「心象風景(現実ではなく心の中に思い描く風景)」という言葉もよく用いられます。

【例文】

  1. これは画家の心象風景を表現した幻想的な作品だ。
  2. この小説は、作者がパリの街を心象的に描写している。
  3. 図工の授業で、色や形で心象を表すことに取り組んだ。

「印象」の意味と使い方

「印象」は「対象が人の心に与える直接的な感じ」という意味です。

「いんしょう」と読みます。

ある対象を、人が見たり聞いたりした時に、そこから感じたものや後で心に残ったもののことを言います。

「印」は「しるし」、「象」は「姿や形」という意味の漢字です。

「印象」は見たり聞いたりした時に受ける感じのことです。

自分で描き出すのではなく他から受けるものである点、また形あるものではなく感覚や感情などの形のないものである点が「心象」とは違っています。

「印象的(強い印象を与えるさま)」「第一印象(物事に接して最初に得た印象)」といった言葉もあります。

【例文】

  1. 人に良い印象を与えるにはどうすればよいか。
  2. この本を読んで印象に残った言葉を紹介します。
  3. 彼の第一印象はあまり良くなかったが、付き合ううちに好感を持つようになった。
  4. 彼女の長い髪がとても印象的だったので良く覚えている。
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「心証」との違いは?


「心象」と「印象」の違いはおわかりいただけてでしょうか。

他に混同されやすいのが「心証」です。

これも「しんしょう」ですね。

「心証」は「心に受ける印象。人から受ける感じ」という意味です。

「印象」と似ていますが、「心証」は人から受けるものであるという点が違っています。

他人の言動などから受ける「印象」のことを「心証」と言う、という使い分けになります。

また、法律用語として、「裁判官が訴訟上の要証事実に対して心の中に得た主観的な認識や確信」という意味もあります。

「心象・印象が悪い」は何が違うの?

心証が悪い、印象が悪い、心象が悪いの解説図

「心象」や「印象」は、「心象が悪い」「印象が悪い」といった言い回しで使われることがあります。

ですが、まず「心象が悪い」は誤用です。

これは「心証が悪い」、つまり「相手に対する印象が悪くなる」ということを間違えて「心象」と表していると考えられます。

同じように「心象を損ねる」とか「心象がよくない」などというのも誤用です。

「印象が悪い」は正しい表現で、「好ましくない印象」ということです。

見たり聞いたりした時にその対象から悪い印象を受けるようなさまということですね。

「心象」の類義語と対義語

「心象」の類義語と対義語には次のようなものがあります。

【類義語】

  1. 印象(見たり聞いたりした時に直接的に、深く心に感じとられたもの)
  2. イメージ(心に思い浮かべる像や情景)

【対義語】

  1. 現実(現に実際こうであるという状態・事実)
  2. 実態(実際の有様・状態)

「印象」の類義語と対義語

「印象」の類義語と対義語には次のようなものがあります。

【類義語】

  • 心証(心に受ける印象)
  • 所感(心に感じた事。感想)
  • インプレッション
  • 感銘(深く感動して忘れないこと)
  • 感想(ある物事に対して心に生じた、まとまりのある感じや考え)
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【対義語】

  • 表現(自分の感情や思想・意志などを形として残したり、態度や言語で示したりすること)
  • 具現(はっきりと具体的なかたちに現すこと)
  • 具象(物が実際にそなえている形)

まとめ

「心象」と「印象」は似ていますが、意味や使い方は違っていましたね。

心に浮かぶ姿や情景が「心象」、対象から受ける感じが「印象」という違いです。

「心証」も混同されやすいので、ぜひ合わせて覚えておいてくださいね。

最後までお読みくださりありがとうございました!

ABOUT ME
三角 彩子
大学卒業後、出版社にて秘書・経理補助などの職種を経験。 退職後は塾講師、高校国語(現代文、古文、漢文) の添削指導員などを経て、長女を出産後は在宅でライターをしています。 社会人経験や国語の知識を活かし、秘書検定やビジネスマナー、国語などに関するライティングを主に行なっています。
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