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「つつがなく」の意味と使い方!「滞りなく」との使い分けは?【例文】

「つつがなく」の意味と使い方!「滞りなく」との使い分けは?【例文】

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「つつがなくお過ごしください」「つつがなく終わることができました」

この「つつがなく」という言葉、たまに耳にしますよね。

若い人はあまり使わないかもしれませんが、年配の方やテレビのキャスターなどが使っているのを聞くことがあると思います。

なんとなく品のいい、教養のありそうな言い回しですよね。

ですが、この「つつがなく」、意味や使い方がわかりますか?

「滞りなく」というのと似ているような感じですが、違いがわかりますか?

自信を持って使えるよう、ぜひ確認しておきましょう。

今回は、「つつがなく」の意味と使い方!「滞りなく」との使い分けは?【例文】についてご説明いたします!

「つつがなく」の意味

「つつがなく」の意味を確認しましょう。

「つつがない」とは「病気、災難などがなく過ごす。無事である。問題がない」という意味です。

漢字では「恙無い」と書きます。

「つつがなく終える」という場合は「問題なく無事に終える」というような意味になるわけです。

「つつがなく」の語源

「つつがなく」の「恙(つつが)」はもともと「病気や災難」という意味の古語です。

源氏物語にも「わが身につつがある心地するも」(自分の身に病気がある気がするけれども)という記述があります。

病気や災難などの障害(=「恙」)がない状態、ということで、「つつがない」(つつがなく)という言葉になりました。

現代では病気や災難のことを「恙」とは言いませんが、「つつがない」の方は定着しているのです。

なお、「つつがなく」の「つつが」は「ツツガムシ」というダニの一種のことであるという説もあります。

ですが、「ツツガムシ」という虫が発見されたのは「つつがなし」(つつがなく)という言葉が使われるようになったのよりも後のことですので、この説は誤りであるとされています。

「つつがなく」の使い方

「つつがなく」は「病気や災難がなく無事に」という意味であることはお分りいただけたかと思います。

ですので、「つつがなく」の使い方としては、「病気にならなかった」「災難にあわなかった」というときに使うわけです。

つまり、何かのアクシデントが起こりうる状況であったが、何も起こらなかったので無事だったというときに使うということです。

例えば旅行であるとか、大掛かりなイベントであるとか、また日常生活や人生そのものも、常に何が起こるかわからないものです。

そのような状況で、何事もなく終わった、何事もなく過ごしている、というときに「つつがなく」が使われるわけです。

【例文】

  1. 長かった旅もつつがなく終わりを迎えようとしている。
  2. 初めてのビッグイベントでしたが、つつがなく終えることができてみなさんに感謝しています。
  3. このまま穏やかに年月が過ぎ、つつがない一生を過ごすことになるだろう。
  4. つつがなくお過ごしください。

「滞りなく」との使い分けは?

「つつがなく」と似た言葉に「滞りなく」があります。

「滞りなく」は「さしさわりなく、順調に」という意味です。

こちらも「問題なくスムーズに」という意味ですので、「つつがなく」と似たような場面で使われています。

「つつがなく」と「滞りなく」の違いを確認しておきましょう。

「つつがなく」は「アクシデントがあるかもしれない状況だったけれど何事もなく無事に」という意味です。

一方、「滞りなく」は「アクシデントがなく順調に」という意味です。

やっぱり似ているような気がしますね(笑)。

ですが、「つつがなく」の方が「なにが起きてもおかしくない状況で」という意味が含まれています。

【例文】

  1. 初めてのイベント開催だったが、つつがなく閉会することができた。(何か起きるかもしれない状況であったが、無事に終わった)
  2. 今回もイベントは滞りなく開催された。(何もおこらず順調に開催された)

ちなみに、結婚式やお葬式に関しては「滞りなく」を使うことが一般的です。

本来は、結婚式やお葬式はアクシデントやハプニングといったものが起こることなく、予定通りにうまくいくことが前提となっています。

ですから、結婚式やお葬式に関して「式はつつがなく進行しました」などというのは不適切であるとされていますので注意しましょう。

まとめ

「つつがなく」は無事であること、病気になったり災害にあったりしていないことを表す言葉でした。

使い方によって、相手の様子を気遣ったり、自分の息災を相手に知らせたりすることもできますね。

ビジネスシーンでも、日常生活でも色々と使える言葉です。

ぜひ参考になさってくださいね。

最後までお読みくださりありがとうございました!

ABOUT ME
三角 彩子
大学卒業後、出版社にて秘書・経理補助などの職種を経験。 退職後は塾講師、高校国語(現代文、古文、漢文) の添削指導員などを経て、長女を出産後は在宅でライターをしています。 社会人経験や国語の知識を活かし、秘書検定やビジネスマナー、国語などに関するライティングを主に行なっています。
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