言葉の意味と使い方

「退社」と「退職」の違いは?履歴書に書く時や電話対応はどっちを使う?

「退社」と「退職」の違いは?履歴書に書く時や電話対応はどっちを使う?

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「退社」と「退職」はどちらも仕事を辞めるときによく使われる言葉ですよね。

履歴書に職歴を書くときに、どちらを使ったらいいのかと迷ったことのある人も多いかもしれません。

また、電話対応でどちらを使ったらよいのかも、よく迷うところではないでしょうか。

今回は、「退社」と「退職」の違いは?履歴書に書く時や電話対応はどっちを使う?についてご説明いたします!

「退社」の意味と使い方

「退社」は「勤務している会社を辞めること」「その日の勤めを終えて会社から退出すること」という意味です。

「たいしゃ」と読みます。

ふた通りの意味があって、「会社を辞める」のか「会社から出る」のかというのはかなり意味が違います。

ですから、例えば「○○は退社しました」と言われた時は、会社を辞めたということなのか、それとも今日はもう帰ったということなのか、どちらの意味なのか判断しましょう。

使う時は、相手が迷ってしまわないように「三月末で退社しました」とか「本日は退社いたしました」など、言葉を補うとわかりやすいですね。

【例文】

  1. 長年勤めた会社を、今年の3月に退社した。
  2. 彼は入社したばかりの会社をすぐに退社してしまった。
  3. 今日は用事があるので定時退社する。
  4. ○○さんは5時半に退社した。
「お休みを頂いております」はOK?休みを伝える時の言い方は?よその会社に電話をした時などに、「⚪︎⚪︎はお休みを頂いております」と言われることはありませんか? 頻...

「退職」の意味と使い方

「退職」は「勤めていた職場をやめること」という意味です。

「たいしょく」と読みます。

こちらはシンプルに、勤めをやめるという意味です。

「退職する」「退職届」「退職願」などの使い方がありますよね。

【例文】

  1. 今年の春に退職し、今はのんびり暮らしている。
  2. 彼女は結婚退職するかどうか迷っている。
  3. 彼は退職届けを出して部屋を出て行った。
  4. 父は長年中学校の教師をしていたが、昨年退職した。

「退社」と「退職」の違い

「退社」と「退職」は似ていますので、どちらがどういう意味だったかと混同してしまう人もいるかもしれませんね。

「退社」と「退職」の違いは

  • 「退社」は「会社を辞める」か「その日の仕事を終えて会社を出る」
  • 「退職」は「仕事を辞める」

となります。

「退社」には、その日の仕事を終えて会社を出るという意味がある点が大きく違いますね。

「今日は早めに退社しました」などという場合は仕事を辞めたわけではなくて、会社を早めに退出したということです。

また、「退社」「退職」ともに、「仕事を辞める」という共通した意味はありますが、「退社」の方には「社」という字が入っていますので、会社を辞める時に使います。

「退職」は会社に限らず、公務員や教師、医師、団体勤務など、会社員でない場合にも使えます。

意味の混同を避けるため、また会社員でなくても広く使える言葉であるため、

「仕事を辞める」場合は一般的に「退職」のほうが使われることが多いです。

履歴書に書く時はどっちを使う?

履歴書には自分の職歴を書きます。

この時、前職のことを書くときなどは「退社」ではなく「退職」を使うのが一般的です。

どちらを使用しても間違いではありませんが、やはり「退職」の方が「仕事を辞める」という意味が間違いなく伝わりやすいためです。

先に述べた通り、「退社」と書くと「仕事を終えて会社を出る」という意味もありますし、会社ではないところに勤めている場合もあるためですね。

もう一度まとめると、履歴書に書く場合は、「退社」「退職」どちらを使用しても問題ありませんが、意味の混同などを避けるためにも「退職」を使うのが一般的であるということです。

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電話対応の時はどっちを使う?

電話で、「○○さんは退社しました」とか「○○は退職しました」という場合がよくあると思いますが、これも使い分けに注意が必要です。

「○○は今日は帰りました」と言いたいときは、もちろん「退社」を使います。

ですが、「退社いたしました」と言っても、○○さんは会社を辞めたのかな?と勘違いされる可能性もありますね。

誤解を招かないよう、「本日は退社いたしました」など、「今日はもう帰った」という意味が伝わるように言葉を補うとよいでしょう。

また、「○○は会社を辞めました」と言いたいときは、やはり「退職」を使った方がはっきり「辞めた」という意味が伝わりやすいです。

「退社」を使う場合は、「先月末で退社いたしました」など、「すでに辞めている」と言うことがわかりやすいように状況に応じて言葉を補いましょう。

【「帰宅した」と伝える場合の例文】

  1. ○○は、本日は退社いたしました。
  2. ○○は、本日は定時で退社いたしました。

【「退職した」と伝える場合の例文】

  1. ○○は、先月末で退職いたしました。
  2. ○○は、○月○日付で退社いたしました。

「退社」と「退職」の類義語

「退社」と「退職」の類義語には次のようなものがあります。

  • 辞職(勤めている職を自分からやめること)
  • 離職(職務から離れること。仕事をやめること)
  • 引退(役職や地位から身を退くこと)
  • リタイヤ(引退すること。 退職すること)

なお、「勤めを終えて会社から出る」意味の「退社」の類義語は

  • 退勤(勤務時間が終わって、勤め先を出ること)
  • 退出(今までいた場所からしりぞいて出ること)
  • 帰宅(自分の家に帰ること)

などとなります。

「退社」と「退職」の対義語

「退社」と「退職」の対義語には次のようなものがあります。

【「退社」の対義語】

  • 入社(会社にはいり、その社員となること)
  • 出社(会社に勤めに出ること)

【「退職」の対義語】

  • 就職(職を得て勤めること)
  • 復職(一度やめたもとの職にもどること)
  • 在職(その職についていること)

まとめ

「退社」と「退職」は似ているので混同しがちな言葉ですが、意味の違いがありましたね。

「会社を辞める」意味ではどちらも使えるので、特に「退社」を使う際は辞めたのか帰ったのかがはっきりわかるように使うようにしましょう。

最後までお読みくださりありがとうございました!

ABOUT ME
三角 彩子
大学卒業後、出版社にて秘書・経理補助などの職種を経験。 退職後は塾講師、高校国語(現代文、古文、漢文) の添削指導員などを経て、長女を出産後は在宅でライターをしています。 社会人経験や国語の知識を活かし、秘書検定やビジネスマナー、国語などに関するライティングを主に行なっています。
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