「多摩川格差」の意味とは？川を挟んで生まれる違いを解説

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最近よく聞かれる「多摩川格差」という言葉をご存知でしょうか。

子育て世帯ではこの「多摩川格差」から引っ越しを考える夫婦もいます。

今回は「多摩川格差」の意味とは？川を挟んで生まれる違いを解説いたします！

「多摩川格差」とは？

「多摩川格差」とは、東京都と神奈川県を隔てる多摩川を境にして、東京都と神奈川や隣接県の間に生じている、様々な格差を指す言葉です。

同じ川沿いに暮らし、似たような生活圏であるにもかかわらず、川を一本渡るだけで行政サービスや不動産価値、さらには教育環境まで異なってくる。

東京都は子育てや教育支援が全国トップクラスの充実ぶりであり、神奈川だけでなく、千葉県や埼玉県からも全国一律にして欲しいという声があがっています。

そしてこの「見えない境界線」が、住民の生活や意識にまで影響を及ぼし問題となっています。

何が違う？多摩川格差の具体的な問題点

では、具体的にどのような格差が存在するのでしょうか。主な問題点を3つのポイントに分けて見ていきましょう。

1. 行政サービスの格差（子育て・福祉）

最も生活に直結するのが、行政サービスの差です。特に子育て支援や医療費助成の分野で格差が顕著です。

保育料無償化

2025年（令和7年）9月1日年齢や所得にかかわらず、都内在住の0歳から2歳の子どもの第1子の保育料が無償化されています。

国の制度である3歳から5歳も引き続き無償です。

子どもの医療費助成

東京都では高校生まで（所得制限なし）医療費が助成されます。

神奈川県では所得制限があったり、対象年齢が狭かったりする場合があります。

私立高校授業料の実質無償化

2024年度から私立高校の授業料を実質無償化しています。（所得制限なし）

国の就学支援金と東京都の「私立高等学校等授業料軽減助成金」を合わせることで、都内の私立高校の平均授業料（年間48万4,000円）まで助成されます。 

018サポート

東京都が都内在住の0歳から18歳までの子どもたちに、一人あたり月額5,000円（年額最大6万円）を支給する子育て支援事業です。

子育て応援事業

国の妊婦のための支援給付とは別で、

１，育児パッケージ

区市町村において、保健師等の専門職による面接を受けた妊婦に対して、１万円分の育児パッケージ（子育て用品等）を提供

２，妊婦のための支援給付

・妊婦給付認定後：５万円
・妊娠しているこどもの人数の届出後：妊娠しているこどもの人数×５万円

３，赤ちゃんファーストギフト（出産後）

10万円相当の育児用品や子育て支援サービス等を選べるギフトカード

４，バースデーサポート(アンケートや面談を実施した1歳、2歳前後の子育て家庭）

家事・育児パッケージ：第１子６万円分、第２子７万円分、第３子以降８万円分

※区市町村によって支援条件や支援金額は異なります

2. 不動産価値の格差

多摩川を挟んで、不動産価格にも明確な差が存在します。

一般的に、ブランドイメージの高い世田谷区や大田区など東京都側の物件は、神奈川や隣接県に比べて高値で取引される傾向にあります。

「川崎側は価格が手頃で住みやすい」というメリットがある一方で、長期的に見れば資産価値の差が拡大していくことを意味します。

この経済的な格差が、富裕層は東京側、中間層は神奈川側といった住み分けを加速させ、格差の固定化につながる可能性も指摘されています。

ただし、物件価格の高騰で東京都で家を買うことが難しくなっている点は問題です。

3. 教育・文化的な格差

行政サービスの違いは、子どもの教育機会にも影響を及ぼします。

授業料支援などの違いから、都内の高校へ進学させたいと考える家庭が、川崎市から都内へ転出するケースも見られます。

また、「川を渡れば東京」「おしゃれな街は東京側」といったイメージが定着することで、心理的な分断も生まれています。

まとめ

「多摩川格差」は、単なる地理的な境界線から生じる問題ではありません。

特に行政サービスにおいては財源豊富な東京都の支援が充実し、他県との差ができやすい状態です。

東京都が率先して手厚くして全国に広めていくという考え方もありますが、現在子育てをしている世帯からすると保育料だけで何万円と差がでてしまうので、なかなか納得できるものではないでしょう。

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