※当サイトではアフィリエイト広告を利用しています
「通り雨」という季語をご存じでしょうか。
様々な美しい表現が特徴的ですが今回はその中の1つ「通り雨」について解説していきます。
「通り雨」について基本的な意味はもちろん、いつの季語なの?時期はいつ?「にわか雨」との違いは?といった疑問にもお答えしていきます。
「通り雨」を使った俳句もご紹介いたします。
「通り雨」の意味と読み方
「通り雨」とは、一通り降った後すぐに止む雨を指す言葉です。
読み方は「とおりあめ」です。
文章や言葉として使われている「通り雨」ですが、実は気象庁で使われている用語の中に「通り雨」はありません。
降ってもすぐに上がる雨ではありますが、またすぐに降りだす可能性も高く「降ったり止んだりを繰り返す雨」を「通り雨」と呼んでいるんですね。
「通り雨」はいつの季語?時期はいつ?
実は「通り雨」という言葉が正確に季語であるかどうかはまだ決められていません。
一部の俳人達の間では季語として使われているようですが、俳句の世界においては季語とはなっていないとされています。
季語としては「夏」を表現する言葉として使われています。
通り雨がよく降る時期というのは決められておらず春から秋にかけて見られる天候状況となっています。
ですが季語としては夏に使われるものなので、夏の時期に降る雨を「通り雨」と表現しているのではないでしょうか。
「通り雨」と「にわか雨」の違い
「通り雨」と「にわか雨」、どちらもさっと降る雨という意味ですが、その降り方に違いがあります。
「通り雨」は降ったり止んだりを繰り返す「断続的」な雨模様なのに対し「にわか雨」は止んでしまえばもう降ることは無いと言われています。
また「通り雨」という言葉は気象用語ではありませんが「にわか雨」は気象用語として存在します。
「通り雨」を使った俳句
昼顔の花に乾くや通り雨
(ひるがおの はなにかわくや とおりあめ)
正岡子規
秋涼し耳塚原の通り雨
(あきすずし みみづかはらの とおりあめ)
飯田蛇笏
時雨とも通り雨とも言ひながら
(しぐれとも とおりあめとも いいながら)
稲畑汀子
若竹や日はまだ八つの通り雨
(わかたけや ひはまだやっつの とおりあめ)
几董
まとめ
季語は俳句だだけではなく、手紙やビジネス文書などの時候の挨拶でも多く使われており数多く覚えて損はありません。
春夏秋冬、日本を美しく彩る四季ならではの情景を繊細かつとても美しく表現した言葉ばかりなので眺めているだけでもとても楽しいんですよ。
季語と実際の景色を見比べる、などという楽しみ方も面白いですね。
日本にしかない「季語」という言葉で季節の移り変わりをより詳しく感じてみてはいかがでしょうか。