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「年忘れ」という季語をご存じでしょうか。
様々な美しい表現が特徴的ですが今回はその中の1つ「年忘れ」について解説していきます。
「年忘れ」について基本的な意味や使い方。由来はもちろん、いつの季語なの?といった疑問にもお答えしていきます。
「年忘れ」を使った俳句もご紹介いたします。
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>>季語「年の暮れ」の意味と使い方とは?季節はいつ?俳句も紹介
「年忘れ」の意味と読み方
「年忘れ」とは、その1年の疲れや悩み、苦労などを労い忘れて次の1年へとスタートするために開く宴会の席を指す言葉です。
読み方は「としわすれ」です。
忘年会と言い換える事も出来ますね。
忘年会というと、1年の嫌な事を忘れる飲み会、というイメージが強いですが、その日まで大きな怪我や病気をせず働くことが出来た事に感謝し、祝うという意味もあるんですよ。
「年忘れ」の由来
「年忘れ」は元々、年齢などを気にしないお酒の席という意味の「歳忘れ」という意味だったと言われています。
鎌倉時代の貴族たちが「年忘」という連歌を詠む行事を行っており、この行事が現在の「年忘れ」つまり忘年会の元だとも考えられているんですよ。
この鎌倉時代の行事が江戸時代に入って庶民たちの間に伝わり、お酒を酌み交わしながら1年の憂さ晴らしをするという風習になったと考えられています。
「年忘れ」はいつの季語?
「年忘れ」は俳句を作るうえで「冬」の季語として使われています。
冬の中でも1年の終わりとなる「暮」を表現する際の季語なんですよ。
子季語には「忘年会」「別歳」「除夜の宴」などがあります。
「年忘れ」の使い方
「年忘れ」という言葉は俳句の季語としてはもちろん、ビジネス文書の挨拶文などでも使われる言葉です。
「年忘れ」という言葉を使う際は、相手がその文章を受け取る日を考えて送ることが大切です。
「年忘れ」の例文
- 「年忘れに一杯どうですか」
- 「年忘れの〇〇パーティーのお知らせ届きましたか?」
「年忘れ」を使った俳句
せつかれて年忘れする機嫌かな
(せつかれて としわすれする きげんかな)
松尾芭蕉
小僧等に法問させて年忘れ
(こぞうらに ほうもんさせて としわすれ)
与謝蕪村
どろどろに酔うてしまひぬ年忘
(どろどろに ようてしまいぬ としわすれ)
日野草城
にぎやかに河豚食うて年忘れけり
(にぎやかに ふぐくうてとし わすれけり)
森澄雄
まとめ
季語は俳句だだけではなく、手紙やビジネス文書などの時候の挨拶でも多く使われており数多く覚えて損はありません。
春夏秋冬、日本を美しく彩る四季ならではの情景を繊細かつとても美しく表現した言葉ばかりなので眺めているだけでもとても楽しいんですよ。
季語と実際の景色を見比べる、などという楽しみ方も面白いですね。
日本にしかない「季語」という言葉で季節の移り変わりをより詳しく感じてみてはいかがでしょうか。