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日本は屈指の雪国と言われていますが、寒さを表現する言葉の1つに「余寒」というものがあります。
あまり聞きなじみがない言葉なので聞いたことが無いという人も多いのではないでしょうか。
今回は改めて「余寒」について基本的な意味や読み方はもちろん、いつの季語なの?といった疑問にもお答えしていきます。
「余寒」を使った俳句もご紹介いたします。
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「余寒」の意味と読み方
「余寒」とは、暦の上で立春を過ぎ、春となっているにも関わらず外気温が上がらず残っている寒さを指す言葉です。
読み方は「よかん」です。
立春を迎えたとはいえ、節分前までは気温の変動が激しく、春の陽気のような日があったかと思えば寒さが戻ってくることも多いですよね。
そんな時に使うのがこの「余寒」という言葉なんですよ。
暦の上で秋となる立秋を過ぎても残る暑さを「残暑」と言いますが、「余寒」はこの「残暑」と対になる言葉として知られています。
「余寒」という言葉が確認されている最古の文章は1645年に書かれた「毛吹草」という書物です。
今から350年以上も前にはもう既に使われている言葉なんですね。
「余寒」は何月頃の季語?
「余寒」は春の初め頃、「初春」の季語として使われています。
初春の中でも2月4日前後の立春を過ぎてから使える季語なので、2月初旬の季語と言えますね。
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「余寒」の類語
春になってもなお残る寒さを表現した「余寒」という言葉には様々な類語が存在します。
春に残る寒さという意味の「春寒」や、桜の花が開花する時期の寒さという意味の「花冷え」など繊細かつ美しい表現の言葉が多いんですよ。
春の芽吹きに伴う幻想的なイメージが寒さと組み合わされることで、美麗な表現になっているのではないでしょうか。
「余寒」を使った俳句
余寒なほ樹液に汚す指の先
(よかんなお じゅえきによごす ゆびのさき)
前田陶代子
駐車場までの三百歩の余寒
(ちゅうしゃじょう までのさんびゃっぽの よかん)
稲畑汀子
起きぬけの余寒のボタンかけ違ふ
(おきぬけの よかんのぼたん かけちがう)
芝尚子
まとめ
美しい表現方法が多い「寒さ」ですが、豪雪地帯が多い日本ならではの言葉も数多く残っています。
厳しい冬を乗り越えて春となった喜びと、未だ冬のように残る寒さに対する気持ちが混ざりどこか複雑にも見える美しい表現になっているのではないでしょうか。
俳句の季語としても使われており、古くから愛されている言葉で冬と春がせめぎあうこの瞬間しか感じることの出来ない寒さを楽しむのも一つの楽しみ方ですね。