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「雪起し」という季語をご存じでしょうか。
様々な美しい表現が特徴的ですが今回はその中の1つ「雪起し」について解説していきます。
「雪起し」について基本的な意味や読み方はもちろん、いつの季語なの?方言なの?といった疑問にもお答えしていきます。
「雪起し」を使った俳句もご紹介いたします。
「雪起し」の意味と読み方
「雪起し」とは、冬の初め頃になる「雷」を指す言葉です。
主に日本の北側の地方で見られる現象であり、空の高い場所に寒気が入り込む季節に鳴り響く雷鳴を意味しているのが「雪起こし」という言葉なんですね。
この「雪起こし」をきっかけとして初雪が降るという地域も多くあり、豪雪地帯として知られる北海道の道北地方でよく見られています。
読み方は「ゆきおこし」です。
江戸時代に書かれた詩歌の中に既に北国で見られる雪起こしの記述があり、事象自体は北国のものとして認識されています。
「雪起し」は方言?
「雪起こし」という言葉自体は特段どこの方言でもありませんが、「雪起こし」の別名である「鰤起こし」「ハタハタ起こし」は地方の特色が強い方言として知られています。
富山湾においては、この冬の初め頃になる雷が鰤を誘い出してくれる事によりその後の漁が大漁となる事から「鰤を起こす雷」という意味で「鰤起こし」と呼ばれているんですよ。
「雪起し」はいつの季語?
「雪起し」は俳句を作るうえで「冬」の季語となっています。
冬という季節全般においてその情景を表現することが出来る「三冬」の季語です。
子季語には「雪の雷」「雪雷」があります。
「雪起し」を使った俳句
われの中われを覚ましめ雪起し
(われのなか われをさましめ ゆきおこし)
森澄雄
唯一つ大きく鳴りぬ雪起し
(ただひとつ おおきくなりぬ ゆきおこし)
高浜虚子
法要の箸とる僧や雪起し
(ほうようの はしとるそうや ゆきおこし)
飯田蛇笏
老夫婦しづかにあれば雪起し
(ろうふうふ しずかにあれば ゆきおこし)
山口青邨
まとめ
季語は俳句だだけではなく、手紙やビジネス文書などの時候の挨拶でも多く使われており数多く覚えて損はありません。
春夏秋冬、日本を美しく彩る四季ならではの情景を繊細かつとても美しく表現した言葉ばかりなので眺めているだけでもとても楽しいんですよ。
季語と実際の景色を見比べる、などという楽しみ方も面白いですね。
日本にしかない「季語」という言葉で季節の移り変わりをより詳しく感じてみてはいかがでしょうか。