※当サイトではアフィリエイト広告を利用しています
「これでは相手の思う壺だ」
「まんまと思う壺にはまる」
このように使う「思う壺」という言葉があります。
日常的によく使われている言葉なので、文脈から大体の意味はわかると言う人が多いのではないでしょうか。
でも、よく考えると「思う壺」ってどんな壺なのでしょう。
語源が気になりますよね。
今回は、「思う壺」の意味や語源は?「ツボにはまる」と同じツボ? についてご説明いたします!
「思う壺」の意味
「思う壺」は「意図した状態。たくらんだとおり」という意味です。
「おもうつぼ」と読みます。
期待通り、思った通りになったな、という状態のことを言うわけです。
「思う壺にはまる」とか「思う壺だ」ということで、こうなればしめたものだと意図した通りになるということを表します。
「思う壺」の語源
「思う壺」は、博打の道具である壺に由来します。
壺といってもいわゆる陶器の壺ではなく、藤や竹で編んだ、博打でサイコロを入れて振る道具である「壺皿」のことです。
時代劇などでサイコロを壺皿に入れて「丁か半か」などとやっているのを見たことがあるかもしれませんね。
壺振り師も熟練した人になると、自分の思い通りの目を出せるそうなんです。
そこから、意図した通りになるということを「思う壺」というようになりました。
もちろん賭博のことに限らず広い意味で一般的に使う言葉になったのです。
「ツボにはまる」と同じツボ?
「思う壺」は博打の道具である壺に由来する言葉でしたね。
「壺」と言えば、「ツボにはまる」というのもよく使われる身近な言葉です。
この「壺」と「ツボ」は同じものなのでしょうか?
結論から言うと、
「ツボにはまる」のツボは博打の「壺」ではありません。
「思う壺にはまる」という場合は、「思う壺」にぴったり陥るということなので、博打の「壺」が由来ですが、「ツボにはまる」とだけいう場合は同じツボではないんですね。
「ツボにはまる」は「大事なポイントを押さえている」「見込んだ通りになる」と言う意味で使う言葉です。
大事なポイントということから、いくつか説があります。
- 鍼灸などで使う「体のツボ」という意味である
- 琵琶や三味線の演奏時に左手で押さえて音程をとるところである
などの説があります。
いずれにしても、博打の道具である壺とは語源が違っているんですね。
また、面白くて笑いが止まらなくなってしまうというような意味で俗語的に使う場合は「ツボにはまる」「ツボにハマる」、さらに略して「ツボる」など、カタカナ表記が一般的です。
他に似た言葉として「ドツボにはまる」というのがあります。
「ドツボにはまる」は「ひどい状態になること。最低の状態に陥ること」という意味です。
この「ドツボ」は「土壺」とも書き、「野壺」と言うこともありますが、いわゆる「肥溜め」のことです。
肥料用の糞尿を溜めるところということで、「ツボにはまる」や「思う壺」とは似ているけれど全然違いましたね。
「思う壺」の使い方
「思う壺」は、たくらんだ通りになるという意味で使います。
「思う壺だ」とか「思う壺にはまる」「思う壺になる」などの使い方をします。
【例文】
- 彼が騒ぎ立てれば相手の思う壺になってしまう。
- 私がここで泣いたらあいつらの思う壺だ。
- 犯人の思う壺にはまって我々は死亡推定時刻を見誤っていた。
- ポイント欲しさに必要以上に買い物をするなんて、企業の思う壺だ。
「思う壺」の類義語
「思う壺」の類義語には次のようなものがあります。
- 言いなり(相手の思った通りに行動させられること)
- 言われるがまま(相手の言う通りに従うこと)
- 思うまま(心に思う通りに)
- 意のまま(思う通り)
- 思い通り(思っていた通りになること)
- 我が意を得たり(自分の考えにぴったり合うこと)
「相手の思う壺になる」ということを言い換えるなら
- 手玉に取られる(思い通りに操られる)
- 掌で踊らされる(相手の思った通りに行動させられる)
- 翻弄される(思うままに弄ばれる)
- まんまとしてやられる(巧妙にうまくあやつられる)
まとめ
「思う壺」は、博打でサイコロを入れて振る道具に由来する言葉でしたね。
「思う壺にはまる」とは言うものの、いわゆる「ツボにはまる」「ツボる」などという「ツボ」とは違っていました。
おなじ「つぼ」でも語源から調べてみるといろいろな発見がありますね。
ぜひ参考になさってくださいね。
最後までお読みくださりありがとうございました!