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「心ばかり」は何か贈り物などをする時に使う言葉です。
「心ばかりの品ですが……」などと言って贈り物を渡しますよね。
「こころばかり」とプリントした封筒などもよく売っているのを見かけませんか?
この「心ばかり」、なんとなく知っていても正しい意味や使い方を改めて考えてみたことはないのではないでしょうか。
口頭だけでなくのし袋などに書く機会もある言葉です。
マナーとして、正しい使い方を知っておきましょう。
今回は、「心ばかり」の意味と使い方!封筒やポチ袋・のしの書き方やマナーは?についてご説明いたします!
「心ばかり」の意味
「心ばかり」は「ほんの気持ちを示すだけのしるし」のことです。
贈り物などを差し出す時に使う表現で、相手に対してへりくだっていう語です。
「たいしたものではありませんが……」
「ほんの気持ちだけですが……」という感じですね。
「心ばかり」は「心許り」と書きます。
「許り」は「~だけ」「~のみ」という意味の助詞です。
ですので「心許り」は「心だけ」=「心がこもっているだけのもの」ということになります。
品物は高価なものや貴重なものではなくて、ただ私の感謝の気持ちを込めただけのものですよ、と自分の差し出すものをへりくだって表現する言葉です。
>>「つまらないものですが」は失礼?言い換え表現と返事の仕方について
「心ばかり」の使い方
「心ばかり」はその意味の通り、贈り物などを差し出す時にへりくだって言う丁寧な表現です。
「心ばかりの品ですが……」「心ばかりでございますが……」など、「心ばかり」であることを断り、「ご笑納ください」などと「受け取ってください」という意味の表現で締めるのが一般的な使い方です。
あくまでも自分がへりくだっていう言葉ですので、自分が相手にものを贈る時に使います。
相手がものをくれた時に「心ばかりのものをいただきありがとうございます」などと言うのはとても失礼にあたりますので気をつけましょう。
「心ばかり」の例文
- 心ばかりの品ですが、どうぞお召し上がりください。
- 心ばかりの品で恐縮ですが、どうかご笑納くださいませ。
- 心ばかりで申し訳ございませんが、お納め下さい。
心ばかりの類語
「心ばかり」に似た表現をいくつか挙げてみましょう。
- 気持ちばかり
- 形ばかり
- ささやか
- つまらないもの
いずれも「〜ですが……」という形で、自分のあげるものを「ほんの気持ちだけのものです」とへりくだっていう言葉です。
どれも同じような意味で、同じように使える言葉です。
ただし、「つまらないものですが」は、「つまらない」というかなりネガティブな印象の言葉が含まれているため、よくない印象を受ける人も多いようです。
本来は謙譲の表現なのですが、「つまらないものをわざわざくれるなんて、失礼だ」という誤解を生むこともありますので気をつけましょう。
【例文】
- 気持ちばかりの品ですが、ご笑納ください。
- ささやかではございますが、プレゼントをご用意いたしました。どうぞお受け取りください。
- つまらないものですが、どうぞお納め下さい。
封筒やポチ袋・のしの書き方やマナーは?
「心ばかり」は表書きにも使える言葉です。
お礼の品やお金を渡す時に、封筒やポチ袋、のしなどに書きます。
自分がへりくだって言う言葉ですので、目上の人への贈り物の時にも使えます。
同じ「ちょっとした気持ち」という意味の言葉に「寸志(すんし)」があります。
ですが、「寸志」は目上から目下の人に対してのちょっとした気持ち、という意味になりますので目上の人には使いません。
目上の人には「寸志」より「心ばかり」のほうがよいと覚えておきましょう。
また、「心ばかり」は「ちょっとした気持ち」「ほんの気持ちだけ」という意味なので、
とても高価なものや高額の祝い金などに「心ばかり」を使うことはマナーとして不適切です。
明確に「心ばかり」の金額に決まりがあるわけではありませんが、あくまでも挨拶やちょっとしたお礼ということが伝わる程度のものに対して使うようにしましょう。
【まとめ】
- 「心ばかり」は表書きにも使える。
- 「寸志」は目上から目下に使う言葉なので、目上の人には使わない。
- 「心ばかり」は「ちょっとした気持ち」という意味なので、高価なものや高額な祝い金には使わない。
まとめ
「心ばかり」は感謝などの気持ちを表す表現でした。
「ほんの気持ちだけのものですよ」とへりくだっていうところが奥ゆかしく、美しい日本語であると思います。
正しく使い方を理解して、ぜひ使い続けていきたい言葉ですね。
最後までお読みくださりありがとうございました!