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「5人をごぼう抜きしてトップに躍り出た」
「ごぼう抜き人事」
このように使う「ごぼう抜き」という言葉がありますね。
日常的によく見聞きすると思いますが、よく考えると「ごぼう抜き」とはどういう意味なのでしょうか。
由来や使い方を詳しく調べてみました。
今回は、「ごぼう抜き」の意味と由来は?何人くらい抜かしたら使うの?についてご説明いたします!
「ごぼう抜き」の意味
「ごぼう抜き」は、「棒状のものを力を入れて引き抜くこと」「多くの中から一つづつを勢いよく抜くこと。競争などで数人を一気に抜くこと」という意味です。
ごぼうのような棒状のものをズボッと一気に引き抜くことを「ごぼう抜き」と言うわけですが、日常で「棒状のものを引き抜く」という機会は少ないのではないでしょうか(笑)。
会話やテレビなどで使われる「ごぼう抜き」は、大勢の中から一人づつを引き抜いたり、競争で何人もを一気に追い抜いたりする方の意味であることが多いでしょう。
>>雪辱を晴らす?果たす?「雪辱」の意味や語源と正しい使い方!【類義語・対義語】
「ごぼう抜き」の由来
「ごぼう抜き」の由来は、やはりごぼうを抜くことです。
ごぼうは根菜ですので、土の中にありますよね。
それをズボッと引き抜く、「ごぼうを抜くように引き抜く」と言うことから、棒状のものを抜くことや、多くの中から一つづつを引き抜くことという意味になりました。
さて、マラソンやリレーでよく使われる「ごぼう抜き」は、数人を一気に追い抜くという意味ですが、この「ごぼう抜き」の語源にはふた通りあると言われています。
- ごぼうは真っ直ぐで抜きやすいので、一気にズボッと抜けるというところから
- ごぼうは抜きにくいが、それを一気に抜くところから
実際は、ごぼうは根がたくさん出ていてとても抜きにくい野菜です。
ですから、抜きにくいごぼうを一気に抜いたり、そういった大変なことをするという意味で「ごぼう抜き」という言葉ができたのです。
マラソンなどで「ごぼう抜き」という時に、「軽々と数人を抜き去る」というような意味で使うことは本来の意味とは違っています。
ですが、「数人の選手を一気に抜くという難しいことを実現する」という意味にも取れるため、誤用とは言えません。
今ではマラソンや駅伝の中継でもよく用いられている言葉ですよね。
何人くらい抜かしたら使うの?
この「ごぼう抜き」は、実際には何人抜かしたら使える言葉なのでしょうか。
一人だけ抜いても「ごぼう抜き」ではないですよね。
結論から言うと、何人で「ごぼう抜き」という決まりはありません。
勢いをつけて抜く、難しいものを抜く、ということで、一人抜くことは「ごぼう抜き」とは言わず、複数人抜くことを「ごぼう抜き」と言います。
辞書などで調べても、いずれも「数人」などとなっていることと思います。
「数人」は「2~3、5~6ぐらいの人数」といった解釈が一般的ですので、「ごぼう抜き」も普通は2人以上、2、3人~6人ぐらいを抜くイメージで捉えるとよいでしょう。
ただし、「ごぼう抜き」の用例に上限はありません。
例えば箱根駅伝の「ごぼう抜き」最高記録は20人抜きだそうです。
簡単にまとめると、「ごぼう抜き」は複数人を一気に抜き去ることという意味で、複数人であれば特に人数の決まりはないということですね。
>>「悲願」の意味と使い方!「悲願達成・悲願成就」とは?【例文】
「ごぼう抜き」の使い方
「ごぼう抜き」は多くの場合、次のような意味で使います。
- 多く(大勢)の中から一つ(一人)ずつを引き抜く
- 競争で他の選手たちを一気に追い抜く
「ごぼう抜きにする」「ごぼう抜きする」などの使い方が多いです。
マラソンなどの競争で何人もの選手を追い抜いた時や、先輩社員たちを追い抜いて出世した時などに使われることが多いです。
【例文】
- 座り込みをしていたデモ隊が警官隊にごぼう抜きにされた。
- 優秀な社員が次々にごぼう抜きされて人手不足だ。
- 彼は先輩社員をごぼう抜きして係長になった。
- 最下位から一気に五人をごぼう抜きしてトップにたった。
- 運動会のリレーで赤組のアンカーがごぼう抜きした。
「ごぼう抜き」の類義語
「ごぼう抜き」の類義語や言い換え表現には次のようなものがあります。
- 引き抜き(引っ張って抜き取ること。ほかに所属している人を自分の方に所属させること)
- ヘッドハンティング(ある企業の人材を他の企業が引き抜くこと)
- 群を抜く(他の多くの中で飛び抜けてすぐれている)
- 追い越す(先行するものに追いつき、それをこえて前に出ること)
- 追い抜く(先行するものに追いつき、さらにその先に出ること)
マラソンやリレーの「ごぼう抜き」であれば、「一気に追い抜く」などの言い換えができるでしょう。
まとめ
「ごぼう抜き」は、抜きにくいごぼうを抜くことから、人やものを一気に引き抜く意味になりました。
競争で何人もを一気に抜いていくことは、本来の意味とは違いますが、これも現代では一般的な使い方になっています。
マラソンや駅伝の中継、またビジネスシーンでも人事などに関してよく使われる言葉ですから、しっかり覚えておきましょう。
最後までお読みくださりありがとうございました!