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「及ばずながら全力を尽くします」
このように使う「及ばずながら」という言葉があります。
ビジネスシーンや、ニュースなどでこのようなコメントを聞くこともあります。
「及ばずながら」とはどういう意味か、どのような場面で使うのがよいのかなど、ぜひ確認しておきましょう。
今回は、「及ばずながら」の意味やビジネスでの使い方(協力・尽力・応援)|例文についてご説明いたします!
目次
「及ばずながら」の意味
「及ばずながら」は、「力は決して十分ではないが」と謙遜する意味の言葉です。
「およばずながら」と読みます。
「及ばず」というのは、「力が及ばない」、すなわち「能力などが不足している」ということを表します。
「ながら」は、ここでは「にもかかわらず」「ではあるが」という意味で使われています。
内容の矛盾する二つの事柄を繋ぐ言葉で、例えば「わかっていながら答えない」とか「狭いながらも楽しい我が家」などの「ながら」と同じです。
「及ばずながら」は、「力は不足しているけれども」という意味になりますね。
単に「力が不足しています」というのではなくて、「力は不足しているけれど、それでもできるだけお助けします」「不十分かもしれませんが、精一杯がんばります」というような謙遜の気持ちを表します。
「及ばずながらは、手助けなどをするときに、「力は十分ではありませんが……」と謙遜して言う丁寧な言葉ということです。
>>「微力ながらお力添え・お手伝い・尽力・お役に・頑張ります」など使い方と例文!
「及ばずながら」のビジネスでの使い方
「及ばずながら」はビジネスシーンでもよく使われている言葉です。
人を手助けするときなどに、「自分の力は十分ではありませんが……」とへりくだって申し出る意の言葉です。
ですので、ビジネスシーンでも先輩や上司、社外の人など敬語を使うべき相手に対して礼儀正しく申し出をすることができます。
「及ばずながらお手伝いさせてください」などと言うことで、相手への敬意や好意、自分の誠意を表せますね。
- 及ばずながら○○させていただきます
- 及ばずながら○○させてください
といったビジネスシーンでの「及ばずながら」の使い方をご紹介します。
及ばずながら協力
「及ばずながら」は協力を申し出るときに使えます。
協力しますよということをへりくだって表せます。
「及ばずながら」は、次のような協力を表す言葉と組み合わせて使うことができます。
- 及ばずながら、ご協力いたします。
- 及ばずながら、お力添えいたします。
- 及ばずながら、お手伝いさせてください。
及ばずながら尽力
「及ばずながら」は力を尽くす、努力するという時にも使えます。
自分の力は大したことはないかもしれませんが、それでも精一杯頑張りますという、やる気を見せながらも謙虚な表現になります。
これもビジネスシーンにおいてよく用いられる言葉です。
- 及ばずながら、尽力いたします。
- 及ばずながら、全力を尽くします。
- 及ばずながら頑張ります。
及ばずながら応援
「及ばずながら」は、応援するという時にも使えます。
「及ばずながら」などと言うことで、自分がする応援について、その強さなどを謙遜して控えめに表すということです。
- 及ばずながら、応援しています。
- 及ばずながら、応援させていただきます。
- 及ばずながら応援をいたします。
「及ばずながら」を使うときの注意点
さて、「及ばずながら」は、自分の力を謙遜する意味がありますよね。
それだけに、次のような点に注意して使いましょう。
自分の能力をアピールすべきときは使わない
「及ばずながら」は謙遜する言葉なので、謙遜すべきでない時には使わないようにしましょう。
例えばプロとして依頼を受けて何かを行う時、「及ばずながら頑張ります」などと言うと、相手は「あまりうまくないのかな」「この人に依頼して大丈夫かな」と不安になってしまいますよね。
また、何かのテストや面接などで、自分の能力をアピールすべき時にも「及ばずながら」を使うと自信なさげに見えてしまいます。
自分の実力を相手にきちんと認めてもらいたいという場面では使わない方がよいでしょう。
自分が明らかに優れているときは使わない
「及ばずながら」は、場合によっては嫌味に聞こえてしまうこともあります。
自分が、誰から見ても明らかに能力が高い場合、「及ばずながらお手伝いします」などと言うと、へりくだりすぎて嫌味に思われるかもしれません。
明らかに相手より自分の能力が上だとわかる場合には使わない方がよいでしょう。
他人については使わない
「及ばずながら」は自分の力の不十分さを表す言葉です。
謙遜の言葉なので、他人に対しては使わないようにしましょう。
「○○さんは及ばずながら頑張っていますね」などというのは失礼になります。
「及ばずながら」の言い換え表現
「及ばずながら」の言い換え表現には次のようなものがあります。
- 微力ながら(自分の力量はほんのわずかですが)
- 僭越ながら(自分の身分をわきまえずに出すぎたことをしますが)
- 憚りながら(遠慮すべきことかもしれないが)
いずれも、自分が何か申し出るときや何かする時に使う、謙遜の表現です。
「僭越ながら」はスピーチの時によく用いられます。
まとめ
「及ばずながら」は「力は決して十分ではないが」と謙遜する意味の言葉です。
自分をへりくだって相手への敬意を表しつつ、「協力します」とか「頑張ります」という前向きな気持ちを表すことができます。
ビジネスシーンでとても使いやすい言葉なので、ぜひ覚えておいてくださいね。
最後までお読みくださりありがとうございました!