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「お手紙を書かせていただきました」
ビジネスシーンでも、手紙を書いた時によく使われる表現です。
一般的な言葉ですが、この「お手紙を書かせていただきました」は敬語として正しくないのではないかと迷ってしまう人も多いようです。
「○○させていただく」はよくないって聞いたけど?
自分が書くのに「お手紙」でいいの?
「差し上げました」にしたらOKなの?
など、考え出したらますます迷ってしまうポイントが多いですよね(笑)。
手紙を書く時に困らないよう、ぜひ確認しておきましょう。
今回は、「お手紙を書かせていただきました」は敬語としてOK?「差し上げました」は?についてご説明いたします!
目次
「書かせていただきました」は敬語としてOK?
「お手紙を書かせていただきました」
よく使われている表現ですが、そもそも「書かせていただきました」でいいのでしょうか?
結論から言うと、「書かせていただきました」は敬語として間違いではありません。
「書かせていただきました」「書かせていただく」は、謙譲表現です。
自分がすることを、相手の許可をもらって行う、そしてそのことに対して感謝や尊敬の気持ちがある。
このような時には「(さ)せていただく」を使うのが適切です。
ですから、相手の許可を得て手紙を書く時は「書かせていただきました」で問題ありません。
>>「したためる(認める)」の意味と使い方!敬語なの?ビジネスや目上の人に使える?
「(さ)せていただく」の使い方
「書かせていただきました」の使い方には注意が必要です。
「させていただく」は、適切な場合と適切でない場合があります。
と文化庁の「敬語の指針」にも書かれており、このア)、イ)の条件をどの程度満たすかによって「させていただく」が適切かあまり適切でないかが判断されます。
適切かどうかは文脈にもよるので、どこからがダメ!というはっきりした線引きはありません。
ですが、「書かせていただきました」と言いつつ勝手に送りつけて相手の不利益になるような場合は不適切と言ってよいでしょう。
「さ入れ言葉」は誤用
「書かせていただきました」は、適切な場面で使う分には正しい敬語です。
しかし、「書かさせていただきました」は間違いです。
未然形が「書か」など、母音が「あ」で終わる場合は「せていただく」をつけます。
「聞かせていただく」とか「歌わせていただく」などとなります。
それ以外の場合は「食べさせていただく」「失礼させていただく」などと「させていただく」をつけます。
なんでも「させていただきます」を付けると、「さ」が余計な「さ入れ言葉」になってしまいます。
非常によくある間違いなので、気をつけたいですね。
手紙に「お」はつける?
自分が書く手紙に「お」を付けることに違和感を覚える人も多いようです。
結論を言うと、「お手紙」は「お」をつけてOKです。
- お手紙をくださった
- お手紙を差し上げた
- お手紙の書き方の本
これらの使い方はいずれも正しいとされています。
相手からもらう手紙は、尊敬語として「お」をつけます。
自分が相手に書く手紙は、相手に差し上げる手紙ということで、向かう先を高める謙譲語(謙譲語Ⅰ)として「お」をつけます。
また、「お手紙の書き方」など単に丁寧にする美化語(「お米」や「お菓子」などと同じ)として「お」を付けることもあります。
目上の人に手紙を書く時は「お手紙」で大丈夫なのです。
「差し上げました」は目上の人にOK?
「差し上げました」とは
「お手紙を差し上げました」も目上の人に使う敬語として正しい使い方です。
「お手紙」が敬意の向かう先を立てる謙譲語であるように、「差し上げる」も物をあげる先の相手を立てる謙譲語です。
「先生にお手紙を差し上げました」などと、目上の人に対して手紙を書いたことを表すのに適した表現です。
「差し上げた次第です」は正しい日本語?
「お手紙を差し上げた次第です」というのもよく見聞きする言い回しです。
「差し上げた次第です」も、正しい使い方です。
「次第です」は事情や理由を説明する時に使う言葉です。
変更の連絡や、謝罪、近況報告といった場面で、物事の成り行きや事情、理由などを伝える時に「○○した次第です」のように使います。
「○○したわけです」とか「○◯なので◯○しました」というよりもより丁寧な表現ですので、ビジネスシーンやフォーマルな場でよく使われます。
手紙を書いた理由を説明して、「(このようなわけで)お手紙を差し上げた次第です」と使います。
まとめ
「お手紙を書かせていただきました」は「書かせていただく」という、相手の許可や理解を得て手紙を書く、そしてそのことに感謝の気持ちがあるという場合につかえる敬語表現です。
「お手紙を差し上げました」も謙譲語で、丁寧な表現ですので目上の人に使えます。
手紙を書いた理由を述べる時は「差し上げた次第です」なども使えます。
社会人になると、目上の人に手紙を書くという機会も増えますので、ぜひ覚えておいて使いこなしたい言葉ですね。
最後までお読みくださりありがとうございました!