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言葉の意味と使い方

「得てして」の意味や使い方と語源!「得てして妙」は誤用?|類義語・ 例文

「得てして」の意味や使い方と語源!「得てして妙」は誤用?|類義語・ 例文

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「得てして」はいろいろな場面で使われる言葉です。

ビジネスシーンでもよく用いられています。

少しかたい感じで、あまり普段の会話で使ったことがないという人もいるかもしれませんね。

「得てして」の意味や、正しい使い方をぜひマスターしておきましょう。

今回は、「得てして」の意味や使い方と語源!「得てして妙」は誤用?|類義語・例文についてご説明いたします!

「得てして」の意味

「得てして」は「ある事態になる傾向のあるさま」という意味です。

「えてして」と読みます。

「得(う)」は古語で、可能を表します。

それが転じた「得(え)」に助詞「て」を付けたものが「その傾向がある」という意味になり、さらに近世以降「して」が付けられて、「得てして」という言葉になりました。

「得てして」は、ある一定の方向になりがちな傾向を認めるということで、「ややもすると」「とかく」といった意味の言葉です。

>>「往々にして」とは?「往々」の意味と使い方!【例文つき】

「得てして」の使い方

「得てして」は、「とかくそのような傾向がある」という意味で使います。

物についても使えますが、人の性格や行動について使うことが多く

  • 「こういう人は、こういうことをする傾向がある」
  • 「こういうことをする人は、こういう傾向がある」

といった風に使うのが一般的です。

例えば、

  • 「せっかちな人」は「得てしてケアレスミスをしがちだ」
  • 「子供」は「得てしてじっとしているのを嫌がる」

という風に、「だいたいそうである」「こうであることが多い」ということを表して使います。

【例文】

  1. 寝不足の日は、得てして昼食後に眠気に襲われる。
  2. 趣味に没頭する人は、得てして恋人がいないものだ。
  3. 自信過剰な人は得てして失敗する。
  4. 熱血漢は得てして周りに煙たがられる。
  5. 仕事のできる人というのは、得てして時間管理が得意だ。
  6. おしゃれなデザインの家電は得てして性能が低い。

「得てして妙」は誤用?

得てして妙は誤用なのか

「得てして」は「ある事態になる傾向がある」という意味で使う言葉です。

あまり使ったことがないという人も、「得てして妙」なら聞いたことがあるというかもしれませんね。

ですが、この「得てして妙」は誤用であることが多いです。

というのも、「言い得て妙」と間違いやすいからなんです。

ただし、「得てして」は「ある事態になる傾向がある」という意味なので、「得てして妙」で「ややもすると妙である」という意味で使われている場合は意味が通じますので誤用とは言えません。

文脈を理解して、どういう意味で使われているのかを判断しましょう。

「言い得て妙」は「巧みな表現でうまく言い表している」という意味です。

「妙」は「巧みである」という意味で使われています。

同じ「得て」が入っていますので、「得てして」と混同しやすいのですが意味が違いますね。

ですから、「うまいこと言うものだ」という意味で「得てして妙だね」などと言っている場合は誤用です。

>>「言い得て妙」の意味や使い方と由来!目上の人には皮肉になるからNG?

  • 「得てして妙」は「ややもすると奇妙なことになる」という意味であれば妥当な表現
  • 「得てして妙」を「表現が巧みである」という意味で使うのは誤用(「言い得て妙」が正しい)

「往々にして」との違い

「得てして」に似ているのが「往々にして(おうおうにして)」です。

「往往にして」とも書きます。

「往々にして」は「ものごとがしばしばあるさま」という意味です。

どちらもそうなることが多いという意味なので、ほぼ同じ意味として使えます。

  • 「得てして」は「そうなる傾向がある」
  • 「往々にして」は「そうなることが頻繁にある」

ということで、「往々にして」の方が断定的な意味合いが強くなります。

>>「往々にして」とは?「往々」の意味と使い方!【例文つき】

「得てして」の類義語

「得てして」の類義語には次のようなものがあります。

  • 往々にして(ものごとがしばしばあるさま)
  • ややもすれば(とかくある状況になりやすいさま)
  • とかく(ある状態になりやすいさま。何はさておき)
  • しばしば(幾度も繰り返し。たびたび)
  • よく(しばしば。程度がはなはだしいさま)
  • まま(どうかすると。時として)

「得てして」の対義語

「得てして」の対義語には次のようなものがあります。

  • まれに(頻度がごく少ないさま)
  • たまに(物事がまれに起こるさま)
  • めったに~ない(頻度が非常にすくないさま)

まとめ

「得てして」は「とかくそのような傾向がある」という意味で使います。

「こういうことが多い」「こうなりがち」といった傾向を語る時に便利な言葉ですね。

「得てして妙」は、文脈により不適切な場合もあるので「言い得て妙」と混同しないように気をつけましょう。

「往々にして」と言い換えてもほぼ同じ意味になります。

ぜひ参考になさってくださいね。

最後までお読みくださりありがとうございました!

ABOUT ME
三角 彩子
大学卒業後、出版社にて秘書・経理補助などの職種を経験。 退職後は塾講師、高校国語(現代文、古文、漢文) の添削指導員などを経て、長女を出産後は在宅でライターをしています。 社会人経験や国語の知識を活かし、秘書検定やビジネスマナー、国語などに関するライティングを主に行なっています。
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