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「茫洋」という言葉をご存知ですか?
知らない、聞いたことがあるけれど意味がわからないと言う人も多そうです。
将棋の藤井聡太七段が、以前AI将棋について語った時、「序中盤は人間からすると茫洋としてなかなか捉えづらいですけど~」と語ったことが話題になりました。
なかなか若い人で「茫洋として」という言い回しを使う機会はないかもしれませんね。
ぜひこの機会に、「茫洋」について詳しく知ってみませんか。
今回は、「茫洋」の意味と使い方!「茫洋たる○○」とは?【例文付き】についてご説明いたします!
「茫洋」の意味
「茫洋」は「広々として限りのないさま。広くて見当のつかないさま」という意味です。
「ぼうよう」と読みます。
「茫」は普段あまり使うことのない漢字かと思いますが、「広々している。果てしない」「ぼんやりとしている」という意味の漢字です。
「茫茫(ぼうぼう)」「茫漠(ぼうばく)」「茫然 (ぼうぜん)」「渺茫(びょうぼう)」などの熟語がありますが、いずれも「果てしなく広々としている」「ぼんやりしている」というような意味の言葉になります。
「洋」は太平洋や大西洋の「洋」としておなじみの漢字です。
こちらも「広い海」というだけでなく「限りなく大きくて広い」という意味があります。
「茫洋」の使い方
「茫洋」は広々しているさまや、ぼんやりとしてはっきりしないさまを指して使います。
海など、本当に広々しているものに対しても使いますし、人に対してや行為に対しても使います。
活用としては、「茫洋とした~」「茫洋たる~」という風に、副詞として「と」、連体詞として「たる」が付く形で使います。
例文で使い方を確認しておきましょう。
「茫洋」の例文
- 茫洋たる大海原。
- 草原の風景は茫洋としている。
- 茫洋とした表情を浮かべる。
- 茫洋としてつかみどころがない人物。
「茫洋たる○○」とは?
「茫洋」は「茫洋たる」という形で使うと述べました。
この「茫洋たる○○」、「たる」というのが文語的な感じがして、あまり日常会話で使ったことがない人も多いと思います。
確かに「たる」は口頭よりも文章的な表現で用いられる言葉ではあります。
ですが、例えば「学生たるもの勉学に励むべきである」「父親たるもの……」などという風に、たまに見聞きすることはありますよね。
「たる」は断定の助動詞「たり」の連体形ですので、「茫洋たる」ということは、「茫洋」であるところの、という意味になります。
単に文語的というだけでなく、普通に「茫洋とした○○」と言うよりも、「茫洋たる○○」とした方がその事柄を強調するようなニュアンスもあります。
「茫洋たる」の例文
- 茫洋たる大草原。
- 茫洋たる大海原。
- 茫洋たる荒野。
- 茫洋たる未来。
- 茫洋たる喪失感。
「茫洋」の類語
「茫洋」の類語には次のようなものがあります。
- 広大(こうだい)…広く大きいこと
- 広々(ひろびろ)…いかにも広く感じられるさま
- 無辺(むへん)…広々として果てしないこと
- 無限(むげん)…限りがないこと
- 広漠(こうばく)…広々としてはてしないさま
- 渺茫(びょうぼう)…広々としてはてしないさま
- 茫漠(ぼうばく)…とりとめがないほど広いさま。ぼんやりしてはっきりしないさま
- 漠々(ばくばく)…広々としてはてしないさま。ぼんやりとしているさま
- 茫茫(ぼうぼう)…広々としてはるかなさま。ぼんやりかすんではっきりしないさま
- 漠然(ばくぜん)…ぼんやりしてはっきりしないさま。広くはてしのないさま
- 茫然(ぼうぜん)…ぼんやりとしてとりとめのないさま
「茫」や「漠」を使った熟語が多くて混乱しそうですが、「広い」「ぼんやりしている」というような意味の言葉たちです。
まとめ
「茫洋」の意味はお分りいただけましたでしょうか。
藤井七段の「茫洋としてなかなか捉えづらいですけど~」というあのコメントは、平易な言葉で表すと、「ぼんやりとして~」などとなるでしょう。
ですが、「茫洋として~」という言葉を使うことで、そのことについてより深く考察しているようなニュアンスを出すことができていると思います。
日々話題になっているニュースなどからも、気になる言葉は意味や使い方をチェックして自分のボキャブラリーに取り入れていきたいものですね。
最後までお読みくださりありがとうございました!