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言葉の意味と使い方

「慇懃」の意味と使い方!「慇懃無礼」とは?【対義語・例文】

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「慇懃な挨拶をされる」「慇懃に頭を下げてお断りする」

この「慇懃」という言葉、ビジネスシーンでも見聞きしますし、小説などにも出てくることがあります。

あまり日常会話で使う言葉ではないと思いますが、どのような意味なのでしょうか。

また、「慇懃」といえば「慇懃無礼」という四字熟語で聞いたことがあるという人も多いかもしれません。

この「慇懃無礼」の意味も合わせて確認しておきましょう。

今回は、「慇懃」の意味と使い方!「慇懃無礼」とは?についてご説明いたします!

「慇懃」の意味

「慇懃」は「真心がこもっていて礼儀正しいこと」「非常に親しく交わること」という意味です。

最初の方の「礼儀正しい」という意味で使われることが多いです。

「いんぎん」と読みます。

ちょっと難しい漢字ですね。

「いんぎん」と読めても書けないという人も多いでしょう。

「慇」も「懃」も「慇懃」以外ではあまり見かけない字かもしれませんね。

「慇」は「丁寧」という意味がある漢字です。

「懃」も勤めるなどの意味もありますが、「丁寧」という意味もある漢字です。

どちらも「丁寧、ねんごろ」という意味の字であり、それを重ねた「慇懃」は文字通り「礼儀正しい、丁寧」という意味になるわけです。

「慇懃」の使い方

「慇懃」は非常に礼儀正しいさまを表します。

「慇懃だ」「慇懃な」「慇懃に」などの形で使われることが多いです。

礼儀正しくて丁寧であるという、いい意味を表す言葉です。

「慇懃」の例文

  1. 彼はその質問にも慇懃に答えた。
  2. 慇懃な挨拶。
  3. 慇懃な態度。
  4. 慇懃講

最後の「慇懃講」は「いんぎんこう」と読み、「参会者が礼儀正しさを崩さない集会」のことです。「無礼講」の反対ということになります。

「慇懃無礼」とは?

さて、「慇懃」の意味はお分りいただけたかと思いますが、「慇懃」は「慇懃無礼」という四字熟語の形で見聞きすることも多い言葉ですよね。

この「慇懃無礼」について見ていきましょう。

「慇懃無礼」は「言葉や態度が丁寧すぎてかえって無礼であるさま」を表します。

「慇懃」との意味の違いに気をつけてくださいね。

「慇懃」は「丁寧。礼儀正しい」といういい意味です。

「慇懃無礼」は「丁寧すぎてかえって無礼」という悪い意味です。

「慇懃」が「丁寧」という意味であり、そこに「無礼」が付いていますので、「慇懃→無礼」ですから、「慇懃すぎて無礼」「慇懃だけど本当は無礼」というような意味を表すわけです。

「慇懃無礼」は言葉や態度がやたらと丁寧すぎて、それがかえってバカにしているような失礼な態度になることです。

もしくは、表面上はあくまでも礼儀正しくしているけれど、心の中では相手を見下している、という意味もあります。

単に礼儀がなくて失礼なのではなくて、表面上は礼儀正しそうにしているのがさらに悪質な感じがします(笑)。

いずれにせよ、「慇懃な態度」をとられた場合はいいですが、「慇懃無礼な態度」をとられたら腹が立ちますね。

混同されることも多いので、「慇懃」と「慇懃無礼」の違いははっきりと理解しておきましょう。

「慇懃」の対義語

「慇懃」の対義語には次のようなものがあります。

  • 無礼(礼儀に外れること)
  • 失礼(礼儀を欠く振る舞いをすること)
  • 失敬(人に対する礼儀や敬意に欠けること)
  • 不躾(礼儀作法をわきまえていないこと)

「慇懃無礼」の「無礼」は「慇懃」とちょうど逆の意味になるわけです。

「慇懃」が礼儀正しいさまなので、礼儀を欠くさまを表す言葉たちです。

「慇懃」の類義語

「慇懃」の類義語には次のようなものがあります。

  • 礼儀正しい
  • 折り目正しい(礼儀正しいこと)
  • 懇ろ(心がこもって手厚いさま)
  • 丁寧(礼儀正しく心がこもっていること)
  • 丁重(心がこもっていて礼儀正しく手厚いこと)

「あのひとは慇懃ですね」と言うと「慇懃無礼」と勘違いして悪口を言っていると思われるかもしれませんよね(笑)。

相手や場面によっては「礼儀正しいですね」「丁寧ですね」などと言ったほうが通じやすいかもしれません。

まとめ

「慇懃」は真心がこもって礼儀正しい、いい意味の言葉でした。

「慇懃無礼」という四字熟語のほうが有名なので、悪い意味だと誤解していた人もいるかもしれませんね。

「慇懃」はビジネスシーンでも見聞きする機会のある言葉ですから、ぜひ正しい意味を理解しておきたいものですね。

ぜひ参考になさってください。

最後までお読みくださりありがとうございました!

ABOUT ME
三角 彩子
大学卒業後、出版社にて秘書・経理補助などの職種を経験。 退職後は塾講師、高校国語(現代文、古文、漢文) の添削指導員などを経て、長女を出産後は在宅でライターをしています。 社会人経験や国語の知識を活かし、秘書検定やビジネスマナー、国語などに関するライティングを主に行なっています。
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