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「油すまし」という妖怪をご存知ですか?
映画やアニメなどでもその姿を見ることが出来る「油すまし」という妖怪について今回はご紹介していきます。
油すましって何をする妖怪?その発祥の地や元ネタは?という基本的な事からご説明するので、これであなたも油すましマスターになれるかもしれません。
「油すまし」とはどんな妖怪?
「油すまし」とは全身に蓑をまとい、油瓶を持って通行人を驚かせる妖怪です。
「油ずまし」と濁った表現で呼ばれることもありますがその大半が「油すまし」という呼び名で呼ばれています。
人気妖怪アニメ「ゲゲゲの鬼太郎」や、大ヒット映画「妖怪大戦争」においても蓑をまとった姿で登場しています。
「油すまし」は何をするの?
峠を歩きながら「ここは昔油すましという妖怪が出たんだよ」と話をすると「今もいるぞー」とその姿を現し、話していた人を驚かせるんだとか。
驚かせたあとは呪ったり危害を加えたりするわけではないので、「びっくりする」という実害こそありますがさほど悪い妖怪といったわけではないのかもしれません。
「油すまし」発祥の地は?
油すましの発祥は熊本県の天草市であると言われています。
天草市に存在する峠道で、油すましが出る出ないの話をしていた老婆と孫の前にその姿を現したのが最初と言われています。
その逸話は昭和初期に郷土史家として活動していた浜田隆一さんの著書である「天草島民俗誌」の中にも書かれているんですよ。
「油すまし」の元ネタは?
油すましの元ネタとなるものは現在も判明していませんが、発祥の地となる天草地方では油を絞る事を「油をすめる」と表現していました。
天草地方ではサザンカの実から「かたし油」を作る産業が盛んだったこともあり、油を絞る職人さんがかつては神様として祀られていたが、信仰心の低下とともに妖怪化したものと考えられているんですよ。
「油すまし」のお墓がある?
熊本県天草市にはなんと「油すましの墓」と呼ばれている史跡も存在します。
その史跡には首のない石の座像が並んでおり、初めて訪れる人にも「あ、ここだな」とわかるようになっています。
この史跡が作られた時代背景もはっきりとはわかっていませんが最近出来たものではない事だけが判明しています。
妖怪にお墓があるなんて、とても風情がありますよね。
まとめ
どこかコミカルな姿が憎めない「油すまし」ですが、驚かせるだけで他には悪さをしないというのも、受け入れられているポイントなのではないでしょうか。
天草地方を訪れた際は妖怪好きなら一度は訪れてみたい「油すましの墓」に足を運んでみてはいかがでしょうか。