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言葉の意味と使い方

「上梓」の意味と使い方!「出版・発行・発刊・刊行」との違いは?使い分け方を解説

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「本を上梓した」

このように使われる「上梓」という言葉があります。

少し改まった印象の言葉で、あまり気軽な会話の中では使わないですよね。

ビジネスシーンや文章の中ではしばしば出てきますので、ぜひこの機会に覚えておきましょう。

また、よく似た意味の「出版・発行・発刊・刊行」との使い分け方も調べてみました。

今回は、「上梓」の意味と使い方!「出版・発行・発刊・刊行」との違いは?使い分け方を解説についてご説明いたします!

「上梓」の意味

「上梓」は「文字を版木に刻むこと」「書物を出版すること」という意味です。

「じょうし」と読みます。

「梓」は「あずさ」と読むことが多いですが、「し」という読み方を覚えておきましょう。

もともと、昔の中国で「梓」(キササゲ)の木を版木に用いていたことからできた言葉です。

普通、「上梓」というときは2番目の方の意味、「出版する」意味で使います。

「上梓」の使い方

「上梓」は「上梓する」などの形で、書物を出版するという意味で使います。

例文で確認しておきましょう。

【例文】

  1. 彼は毎年著作を上梓し続けている。
  2. この小説は10年前に書かれたものだが、上梓されたのはつい最近のことである。
  3. 写真集を上梓する。

「出版・発行・発刊・刊行」との違いは?

「上梓」は書物を出版するという意味でした。

では、似たような意味で使われる「出版・発行・発刊・刊行」との違いはどういった点にあるのでしょうか。

それぞれについて確認していきましょう。

「出版」との違い

まず「出版」は「印刷などの方法により、書籍・雑誌・ならびにそのデジタルデータなどを制作して販売や頒布をすること」という意味です。

もちろん「しゅっぱん」と読みます。

ずいぶん長ったらしい説明ですが、要は本や雑誌を印刷して広めること、という意味です。

最近は紙の本だけでなく電子書籍も多いため、このような定義になるわけですね。

電子書籍にも「上梓」を使います。

「上梓」も「出版」も、本などの冊子(またはそのデジタルデータ)を出すことを表しますので、新聞などは「上梓する」「出版する」とは言いません。

また、「出版」と言うよりも「上梓」と言った方が古めかしい言い方で、改まった印象になると言うこともあります。

ですが、「上梓」と「出版」はほぼ同じ意味であると考えてよいでしょう。

「発行」との違い

「発行」は「新聞、図書、雑誌などを印刷して世に出すこと」「紙幣、債権、証明書などを作って通用させること」という意味です。

「はっこう」と読みます。

「発行」は本に限らず色々なものについて使えるわけですね。

本屋さんにあるようなものだけでなく、切手やお札、定期券や証明書なども「発行」と言います。

「発刊」との違い

「発刊」は「図書を出版して世に出すこと」「定期刊行物を新たに出すこと」という意味です

「はっかん」と読みます。

これも本を出す、と言う意味でもありますが、特に新聞や雑誌といった定期刊行物について使う言葉なのです。

「創刊」とも言いますが、月刊誌や週刊誌のような定期的なものを出していくことを「発刊」と言います。

「刊行」との違い

「刊行」は「書籍などを印刷して出版すること」と言う意味です。

「かんこう」と読みます。

「出版」や「発行」とほぼ同じ意味で使われる言葉です。

文学全集や美術全集といったものにはよく「刊行」の方が使われます。

「出版」よりも堅いイメージの言葉です。

また、「逐次刊行物」という言葉もあり、継続して出版されるものというニュアンスで使われる言葉でもあります。

「上梓・出版・発行・発刊・刊行」の違い

「上梓・出版・発行・発刊・刊行」は、どれも「本などを出すこと」という意味では同じです。

ある意味では同じ、ある意味では違う……というように、はっきりと線引きができない差ではありますが、違いがわかりやすいようにまとめると次のようになります。

  • 上梓は「本などを出版すること」
  • 出版は「本などを印刷して広めること」
  • 発行は「本やお札、券などを印刷して広めること」
  • 発刊は「定期刊行物の新しい号を出すこと」
  • 刊行は「本などを印刷して広めること」

という違いがあるわけです。

さらに「上梓」「出版」「刊行」はほぼ同じなのですが、「出版」が一般的な言い方で、「上梓」は上品で改まった印象、「刊行」はお堅い印象で定期的なものによく使われる、というところでしょうか。

「上梓・出版・発行・発刊・刊行」の使い分け方

「上梓・出版・発行・発刊・刊行」の意味の違いはおわかりいただけたでしょうか。

例文で使い分けを確認しておきましょう。

【例文】

  1. 自叙伝を上梓する。
  2. 長編小説を上梓する。
  3. 自費出版で本を作った。
  4. 長編小説を出版する。
  5. 記念誌を発行する。
  6. 請求書を発行する。
  7. フリーペーパーを発刊する。
  8. 文芸誌を発刊する。
  9. 日本文学全集を刊行する。
  10. 政府刊行物。

「上梓」の類義語

「上梓」の、「出版・発行・発刊・刊行」以外の類義語には次のようなものがあります。

  • 発表
  • 公刊(社会に広めるために出版すること)
  • 上木(書物を出版すること)
  • 版行(書物などを印刷して発行すること)
  • リリース(新発売や一般公開すること)

「上梓」の対義語

「上梓」の対義語には次のようなものがあります。

  • 絶版(なんらかの事情でその本の以降の印刷、販売をやめること)

まとめ

「上梓・出版・発行・発刊・刊行」はとても似た言葉でしたね。

はっきりいって全部「出版」か「発行」ぐらいで済ませてしまっても問題はないかもしれません(笑)。

ですが、あえて「上梓」などの言葉を使うことができると、改まった場面でもよい印象を与えることができますよね。

ぜひこの機会に使ってみてくださいね。

最後までお読みくださりありがとうございました!

ABOUT ME
三角 彩子
大学卒業後、出版社にて秘書・経理補助などの職種を経験。 退職後は塾講師、高校国語(現代文、古文、漢文) の添削指導員などを経て、長女を出産後は在宅でライターをしています。 社会人経験や国語の知識を活かし、秘書検定やビジネスマナー、国語などに関するライティングを主に行なっています。
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