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俳句の「冬の季語」として使われている「冬の霧(冬霧)」という言葉について解説していきます。
冬の気候表現の1つですが、あまり聞いたことが無いという方も多いかと思います。
今回は「冬の霧(冬霧)」について意味や由来などの基本的な事から、いつの季語なのかなど様々な視点から解説していきます。
「冬の霧(冬霧)」を使った俳句もご紹介いたしますよ。
「冬の霧(冬霧)」の意味と読み方
「冬の霧(冬霧)」とは、とても寒い冬の早朝に立ち込める霧を指す言葉です。
読み方は「ふゆのきり」「ふゆぎり」です。
また視界を1キロ以上にわたって遮るものは「冬霧」と呼ばれ、1キロ未満の薄いものは「冬の靄(ふゆのもや)」と呼ばれます。
一般的に「霧」は秋に発生するものと考えられています。
極端に外気温が下がった冬の早朝、外気温よりも温度が高い川などの水辺において見ることが出来るのが「冬の霧」「冬霧」です。
「冬の霧(冬霧)」の由来
いつの時代に誰が使い始めたのかという事は残念ながら現在も判明しておりません。
ですが、いつの時代の人も季節の移り変わりや季節ならではの情景に対して高い表現力を持っている事が分かる言葉なのではないでしょうか。
「冬の霧(冬霧)」はいつの季語?
「冬の」「冬」という言葉が入っており、見た目からも冬の季語であるという事がわかりますね。
平安時代から「霧は秋に発生するもの」「霞は春に発生するもの」として知られており、一般的に「霧」は秋の季語とされていますが、「冬霧」「冬の霧」は冬ならではの季語として定着しています。
「冬の霧(冬霧)」の言い換え表現
「冬の霧(冬霧)」は外気温が低い川辺で見られるだけではなく、都市部でも多く発生することから
- 「都市霧」
と呼ばれる事もあります。
「冬の霧(冬霧)」を使った俳句
冬霧にうすく縫はれしわが身体
(ふゆぎりに うすくぬわれし わがからだ)
神田夏果
冬霧の伸びゆく先に沈む町
(ふゆぎりの のびゆくさきに しずむまち)
稲畑汀子
冬霧の風にかしぎしひとところ
(ふゆぎりの かぜにかしぎし ひとところ)
荒井和昭
まとめ
秋に起こる霧とはまた異なる雰囲気を持っているのがこの「冬霧」です。
言葉の発祥時期はわかっていませんが、日本古来から使われている呼び名も多く、いつの時代も自然現象に対して抱く気持ちが強く、また表現力が豊かであることがわかります。
どこか幻想的でミステリアスな印象も抱くことの出来る「冬霧」は、陰鬱となりがちな冬の情景の違う一面を見せてくれているのではないでしょうか。