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季語としても使われている「泡雪・沫雪」ですが、言葉自体の意味をご存じでしょうか。
今回は「泡雪・沫雪」について意味や読み方など基本的な事からしっかりとご説明していきます。
「泡雪・沫雪」はいつの季語なのかはもちろん、「泡雪・沫雪」を使った俳句もご紹介いたします。
「泡雪・沫雪」の意味と読み方
「泡雪・沫雪」とは、冬の終わり頃から春先にかけて見られる雪を指す言葉です。
どんどんと外気温が高くなっているため、降ってもすぐに溶けて消えてなくなってしまう雪を表現した繊細かつとても美しい言葉が「泡雪・沫雪」なんですよ。
読み方は「泡雪・沫雪」どちらも「あわゆき」と読みます。
淡雪と表現される事もありますが、淡雪にも「薄らつもってすぐに消えてしまう雪」と意味があり、泡のような雪という意味の「泡雪・沫雪」とはそのニュアンスが微妙に異なると考える人も多くいます。
「あわゆき」という1つの読み方になんと3つもの漢字が当てはめられている事からも、日本人の感受性の高さをうかがい知ることが出来ます。
「泡雪・沫雪」の特徴
空から降ってくる雪の大きさが比較的大きく、地面に落ちてもその路面や外気温の高さですぐに溶けて消えてしまうのが特徴です。
降り積もっても泡のようにすぐに消えてしまう事から「泡雪・沫雪」という呼び名がつけられたと考えられています。
「泡雪・沫雪」は春の訪れを告げてくれる雪でもあり、雪がこの状態になっているのを見る事で「冬の終わり」を実感する人も多いんですよ。
「泡雪・沫雪」はいつの季語？
「雪」という漢字が使われていますが、実は「泡雪・沫雪」は春の季語です。
春先に降る切なく儚い雪、という意味の言葉なので春を表現する季語として使われているんですね。
「泡雪・沫雪」を使った俳句
淡雪や丈の土ほる道のはた
（あわゆきや たけのつちほる みちのはた）
小林一茶
己が句の春淡雪や氷水
（おのがくの はるあわゆきや こおりみず）
尾崎迷堂
淡雪のうしろ明るき月夜かな
（あわゆきの うしろあかるき つきよかな）
正岡子規
まとめ
雪一つとっても数多くの呼び名があり、日本人の表現力の高さには驚かされます。
雪を泡に見立てる、どこかロマンティックな心情をも感じさせてくれる繊細で美しい、日本ならではの言葉の1つと言えるのではないでしょうか。
春を告げる雪として北国に住む人は待ち焦がれている雪でもあります。
厳しい寒さを乗り越え、外気温も少し緩んできたころに名残惜しむように降る雪が「泡雪・沫雪」と呼ばれているんですね。
