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「長閑」という季語をご存じでしょうか。
様々な美しい表現が特徴的ですが今回はその中の1つ「長閑」について解説していきます。
言葉によっては耳なじみがあるものや、中には全く聞いたことが無いものもあるのではないでしょうか。
今回は改めて「長閑」について基本的な意味や読み方はもちろん、漢字の由来やいつの季語なの?といった疑問にもお答えしていきます。
「長閑」を使った俳句もご紹介いたします。
「長閑」の意味と読み方
「長閑」とは、暖かな春の日差しの中で過ごすゆったりとした様子を指す言葉です。
なかなか見たことの無い漢字ですが「のどか」と読みます。
冬に比べて昼間の時間も長くなり、心地よい春風を感じながらゆるやかに流れる時間を楽しむ、どこか贅沢にも思えるひと時の事を「長閑」と表現しているんですね。
「長閑」の漢字の由来
「閑」という漢字は「ヒマ」と読むこともでき、意味としても「静かである様」「暇である様」というものです。
その「暇で静かな状態」が「長く」続くという意味で「長閑」という漢字になったと考えられています。
「長閑」はいつの季語?
「長閑」は俳句を作るうえで「春」の季語として使われています。
初春などの限定的なものではなく「春」という季節を通して使うことの出来る「三春」の季語なんですよ。
子季語には「のどけし」「のんどり」「のどやか」などがあります。
「秋麗」との違い
「長閑」と「秋麗」、どちらも「のどか」という意味を持つ季語ですが、はっきりと季節の違いがあります。
「長閑」が春ののんびりとした日差しと風の中で過ごすゆったりとした時間を指すのに対し、「秋麗」は澄み渡るほどの秋晴れの中で過ごすゆったりとした時間を指しています。
春と秋、のどかに過ごす時間と情景という意味は同じですが表現方法が全く異なる点に日本人の表現力の高さを垣間見る事が出来ますね。
「長閑」を使った俳句
長閑さや障子の穴に海見えて
(のどかさや しょうじのあなに うみみえて)
正岡子規
長閑さや風がねじ巻く花時計
(のどかさや かぜがねじまく はなどけい)
望月和子
猫丸く犬長々と寝て長閑
(ねこまるく いぬながながと ねてのどか)
黒川南無観
まとめ
季語は俳句だだけではなく、手紙やビジネス文書などの時候の挨拶でも多く使われており数多く覚えて損はありません。
春夏秋冬、日本を美しく彩る四季ならではの情景を繊細かつとても美しく表現した言葉ばかりなので眺めているだけでもとても楽しいんですよ。
季語と実際の景色を見比べる、などという楽しみ方も面白いですね。
日本にしかない「季語」という言葉で季節の移り変わりをより詳しく感じてみてはいかがでしょうか。