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言葉の意味と使い方

「落成」と「施工」の意味と違いは?使い分けと語源を解説!

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「落成」という言葉があります。

新社屋ができた時などに「落成式」に招待されたり、「落成」のお祝いを送るなどというのもよくあることです。

また、「施工」という言葉もよく見聞きしませんか?

こちらもなにか建物を建てる時などに使うような言葉ですよね。

建設業や不動産業などであればおなじみの言葉でしょうが、普段あまり使ったことがないという人にとっては「落成」も「施工」もはっきりとした意味はピンとこないかもしれませんね。

ぜひ「落成」や「施工」の意味や違い、それぞれの使い方を知っておきましょう。

今回は、「落成」と「施工」の意味と違いは?使い分けと語源を解説!についてご説明いたします!

「落成」の意味

「落成」は「土木建築の工事が完了して建築物ができあがること」という意味です。

「らくせい」と読みます。

工事が完了して家や会社、お店の建物などができあがりますよね。

その建物ができた、ということを「落成」と言います。

よく建物ができた時に「落成式」を行いますが、これは施主(建築を依頼した側)が主賓や工事関係者などを招いて建物のお披露目をしたり感謝を述べたりする式のことです。

【例文】

  1. 新社屋の落成を祝う。
  2. 取引先の落成式に招かれた。
  3. 校舎が落成する。

「落成」の語源

さて、「落成」は工事が済んで建築物ができあがることを意味しています。

ですが、建物が建ったことを「落ちる」という字を使って表すなんてなんだか不思議な気がしませんか。

語源を知ると納得できると思いますので、確認しておきましょう。

「落成」の語源には諸説あり、多く言われているのが「こけら落とし」からきているというものです。

「こけら落とし」というのは新築の劇場で最初に催される公演のことです。

「こけら落とし公演」「こけら落としライブ」なんて言いますよね。

「こけら」は木材を削った木屑のことで、新築や改装の工事が終わった時に屋根などの木屑を払い落としたことから、劇場完成後の初めての興行を「こけら落とし」というようになりました。

この「こけら落とし」の「落」という字を使って「落成」という言葉ができたということです。

また、もう一つの説は、古代の中国で宮殿が建てられた時の儀式を「落」と言ったことから、建物の完成を指して「落成」という言葉ができたというものです。

「施工」の意味

さて、もう一つの「施工」についてみていきましょう。

「施工」は「工事を行うこと」という意味です。

読み方は「しこう」または「せこう」です。

どちらも辞書に載っている正しい読み方ですが、「せこう」と読まれることの方が多いようです。

「しこう」だと、「施行」や「思考」「志向」「嗜好」など同音異義語が多いからかもしれませんね。

「施工」は設計図に基づいて建築物などを作り上げることを表します。

【例文】

  1. 地下鉄工事を施工する。
  2. 大手不動産会社の施工不備が発覚し問題となっている。
  3. 提示された図面通りに施工する。

「落成」と「施工」の違い

さて、「落成」と「施工」の意味はおわかりいただけたでしょうか。

この二つの違いは、

  • 「落成」は「工事が完了して建築物ができあがること」
  • 「施工」は「工事を行うこと」

となります。

社屋を立てる場合であれば、その工事をすることを「施工」と言い、工事が完了して社屋が完成することを「落成」と言うわけです。

「落成」と「施工」の使い分け

「落成」と「施工」には意味の違いがありましたね。

例文で確認しておきましょう。

【例文】

  1. 落成祝いを包む。
  2. 施工図を元に現場で作業する。
  3. 落成式で、施工者として挨拶をすることになった。

ざっくりした説明をすると、たとえば「落成」は建物ができた!ということで、「施工」は建物を作る作業のことを言うわけです。

結構意味が違いますよね。

ですから、このように使うシーンも違ってくるわけです。

「落成」と「施工」の類義語

「落成」の類義語や言い換え表現には次のようなものがあります。

  • 竣工(しゅんこう。工事が完了して建造物ができあがること)
  • 完工(かんこう。工事が完了すること)
  • 工事が完了する

「施工」の類義語には決まったものはありませんが、言い換えるなら

  • 建築する
  • 工事を行う

などとなるでしょう。

「落成」と「施工」の対義語

「落成」の対義語には次のようなものがあります。

  • 着工(ちゃっこう。工事に取りかかること)
  • 起工(きこう。工事を始めること)

「施工」の対義語は特に決まっていません。

反対の意味を表すには「施工しない」「未施工」などとなるでしょう。

まとめ

「落成」と「施工」についてまとめてみました。

建設業はもちろんですが、他のどんな業種であっても使う機会のある言葉だと思います。

「落成」は工事が完了して建物ができるという意味ですから、「落成」という言葉を使えれば、いつ工事が完了したのかなどをスムーズに伝えることができますよね。

「施工」は工事を行うことを表しますから、こちらも様々なシーンで使う言葉でしょう。

ぜひそれぞれの意味を理解して使ってみてくださいね。

最後までお読みくださりありがとうございました!

ABOUT ME
三角 彩子
大学卒業後、出版社にて秘書・経理補助などの職種を経験。 退職後は塾講師、高校国語(現代文、古文、漢文) の添削指導員などを経て、長女を出産後は在宅でライターをしています。 社会人経験や国語の知識を活かし、秘書検定やビジネスマナー、国語などに関するライティングを主に行なっています。
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