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「煩雑」という言葉を使ったことがありますか?
ちょっと面倒そうな時に使うような言葉ですよね。
よく似た言葉に「繁雑」や「複雑」があります。
いずれも「雑」という字が含まれていて、見た目も意味も似ています。
なかなか違いがわかりにくいこの三つの言葉ですが、ビジネスの場面で使う時には、いらぬ誤解を招いたり印象を悪くしたりしてしまわないように、慎重に使い分けたいところです。
ぜひこの機会に「煩雑・繁雑・複雑」の違いを理解しておきましょう。
今回は、「煩雑・繁雑・複雑」の意味や違いと使い分け方!【対義語・例文つき】についてご説明いたします!
目次
「煩雑・繁雑・複雑」の意味や違いと使い分け方!
「煩雑」の意味と使い方
「煩雑」は「こみいっていてわずらわしいこと」という意味です。
「はんざつ」と読みまます。
「煩」は「わずらう」とも読みます。
「わずらう」「わずらわしい」などの意味がある漢字です。
「雑」は「雑食」「雑種」などの「雑」で、「色々混ざっている」という意味のある漢字です。
この二つからできている「煩雑」は、事柄が色々混じっていて煩わしい、込み入っていて面倒だと言う意味になります。
- 煩雑な
- 煩雑さ
- 煩雑だ
など、色々な形で使います。
【例文】
- 結婚して姓が変わると、免許証や銀行口座の名義変更に煩雑な事務手続きが必要だ。
- 入居のために不動産屋で煩雑な手続きをする。
- 会計システムの月末の締めの処理が煩雑で、残業が続いている。
「繁雑」の意味と使い方
「繁雑」は「物事が多くてごたごたすること」と言う意味です。
「はんざつ」と読みます。
「繁」には「むやみと多い」という意味があります。
ですので、「繁雑」はなすべき事柄が多く、ごたごたとしていることを表すわけです。
こちらも
- 繁雑な
- 繁雑さ
- 繁雑だ
など色々な形で使います。
【例文】
- 複数の商品管理システムが使われており、在庫の確認作業が繁雑である。
- 繁雑を極める仕事で毎日残業が続いている。
- 年度末にやらなければいけない事務作業が繁雑で慌ただしい。
「複雑」の意味と使い方
「複雑」は「物事の事情や関係が込み入っていること」と言う意味です。
「ふくざつ」と読みます。
「複雑」は「煩雑」「繁雑」よりもさらに頻繁に使う言葉ではないでしょうか。
いろいろなことに対して「複雑」は使います。
物事の要素が絡み合っていて、入り組んでいて簡単には理解したり説明したりできないような状態を表します。
- 複雑さ
- 複雑な
- 複雑性
- 複雑化
など、色々な使い方をしますよね。
【例文】
- 複雑な仕組みを解明する。
- 複雑な手続きを終えて晴れて土地の権利を取得できた。
- 複雑な仕事をできるだけシンプルにしようという意見があった。
「煩雑・繁雑・複雑」の違い
「煩雑・繁雑・複雑」はいずれも面倒臭そうな(笑)、ややこしそうなイメージは共通していますよね。
ですが、それぞれに意味の違いがあります。
まとめると
- 「煩雑」は「事柄が込み入っていて煩わしい」
- 「繁雑」は「なすべき事柄が多くてごたごたしている」
- 「複雑」は「物事の事情や関係が込み入っている」
という意味です。
まず、「煩雑」は「込み入っている」「煩わしい」という意味があります。
それに対して「繁雑」は「なすべきことが多い」という意味です。
「煩雑」は要するに「わずらわしい」「ややこしい」という意味合いですが、「繁雑」の方は、することが多いけれど、「煩わしい」という意味は特にありません。
そして、「複雑」は「込み入っている」という意味はありますが、「わずらわしい」という意味はありません。
「複雑」は単に込み入っている状態のことを表す言葉なので、煩わしいとか大変だと言う感情は特に含まれていないわけです。
「煩雑・繁雑・複雑」にはこのような違いがありますので、区別しておきましょう。
「煩雑・繁雑・複雑」の使い分け方
「煩雑・繁雑・複雑」の使い分け方を確認しておきましょう。
まず「複雑」は感情を含まないで「込み入っている」ということを表すだけの言葉なので、明らかに使い方が違います。
「面倒だ」とか「大変だ」という場合だけでなく、「事情が複雑だ」とか「複雑な感情だ」といったように、多方面で使うことができます。
「煩雑」と「繁雑」に関しては、「煩雑」は「込み入っている」で「繁雑」は「なすべきことが多い」こと、また「煩雑」には「煩わしい」という意味があるということを頭に置いて使い分けをします。
口頭では「煩雑」も「繁雑」もおなじ「はんざつ」ですから、あまり使い分けを考えたことがなかったという人も多そうですね。
ですが、やることが多くて「繁雑」な時に「煩雑ですね」とメールに書いたりすると、相手は「煩わしいと思っているんだな」と感じるかもしれませんよね。
実際の世の中では「煩雑」で、かつ「繁雑」だ!ということもあったりするとは思いますが(笑)、基本的な意味の違いを理解して使い分けるようにしましょう。
【例文】
- 外国人は日本のゴミの分別ルールの煩雑さに驚くそうだ。(ゴミの分別ルールが込み入っていて煩わしい)
- 申し込み書類の煩雑さに困惑する声が上がっている。(申し込み書類が込み入っていて煩わしい)
- 繁雑な仕事で毎日帰りが遅くなる。(なすべきことが多い仕事)
- 確定申告の事務作業が煩雑で本業に手が回らない。(なすべき事務作業が多い)
- 彼は複雑な表情で話を聞いていた。(色々な要素が混じり合った表情)
- 彼女は家庭の事情が複雑である。(込み入った事情)
「煩雑・繁雑・複雑」の対義語
「煩雑」「繁雑」の対義語は「簡易」「簡略」です。
- 「簡易」は「手順、手続きが簡単でたやすく行えること」
- 「簡略」は「手短で簡単なこと」
と言う意味です。
「複雑」の対義語は「簡単」「単純」です。
- 「簡単」は「込み入っていないこと」「手数がかからないこと」
- 「単純」は「他の要素が混じっていないこと」「構造、働きなどが込み入っていないこと」
と言う意味です。
まとめ
「煩雑・繁雑・複雑」の違いについてお分りいただけたでしょうか。
全部同じように思っていた人も多いと思いますが、「煩雑ですね」というのと「繁雑ですね」というのと、「複雑ですね」というのと、それぞれに意味やニュアンスの違いがあるわけです。
実際に仕事をしていると、「煩雑」で「繁雑」で「複雑」だ、というような状況もあるとは思いますが、できるだけその時の状況を正確に表す言葉を選んで使って行きたいものですね。
ぜひ参考になさってください。
最後までお読みくださりありがとうございました!