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最近ネットに人の個人情報や写真など、何かを「さらす」ことが問題になることが多いですよね。
迷惑行為を撮影してSNSにさらした、とか、子供同士のいじめで写真を撮られてネット掲示板にさらされた、とか色々とニュースになったりしています。
こういう時代なので、ちょっと怖いイメージのこの「さらす」という言葉ですが、他にも「野菜を水にさらす」とか、「危険にさらす」とか、色々な使い方がありますよね。
正確には「さらす」ってどういう意味なのでしょうか?
漢字では「晒す/曝す」という二種類の書き方があるのですが、使い分けはどうしたらよいのでしょうか。
ぜひ確認しておきましょう。
今回は、「晒す/曝す」(さらす)の意味と違いは?「恥をさらす」はどっち?【例文つき】についてご説明いたします!
「晒す/曝す」の意味
「晒す/曝す」には色々な意味があります。
- 日光、風に当てて干す。
- 風雨や日光のあたるままにしておく。
- 布などを水洗いしたり薬品を使ったりして白くする。漂白する。
- 野菜などのアクや臭みをとるために水に浸す。
- 広く人目に触れるようにする。
- 避けることができない難しい事態に身を置く。
- じっと見る。
意味がとても幅広いですよね。
「晒す/曝す」は「さらす」と読みます。
多くの国語辞典などでは、「さらす」は(晒す/曝す)として一つの項で説明されており、どちらの漢字を使っても同じ意味を表すとされているようです。
このように「晒す/曝す」には色々な意味があり、例えば「ふきんをさらす」といえば三番目の漂白する意味でしょう。
「たまねぎを水にさらす」といえば四番目の水につける意味ですね。
これらもよく使う「さらす」ではありますが、ビジネスシーンなどで一番使うのは5、6番目の意味ではないでしょうか。
「人目にさらす」とか「身をさらす」とか言いますよね。
また、辞書に載っている意味は上のようなものですが、現代ではSNSなどに個人情報などを公開することを「さらす」と言うことが多いです。
ネットにのせて人目にふれるようにするわけですから、確かに「さらす」です。
「ネットにさらす」という現代的な使い方もぜひ覚えておきたいところです。
「晒す/曝す」の違い
「さらす」には色々な意味がありましたね。
そして、「さらす」は「晒す/曝す」のふた通りの漢字があるわけです。
どういうときにどちらの字を使えばよいのか、迷ってしまいますよね。
この「晒す/曝す」には、特に使い分けの決まりはないので、どちらを使っても構いません。
単純にそれぞれの漢字の意味を調べてみましょう。
「晒」という漢字には、「日光に当たったままにする」という意味があります。
「日」に「西」なので、太陽が西から照りつけるということを意味するわけですね。
「曝」の方は、「日にさらしてかわかす」「隠さないですっかり見せる」などの意味があります。
「さらす」の他「バク」などとも読みます。
漢字の意味から言うと、「隠さないですっかり見せる」のが「曝」ですから、「人目にさらす」というときは「曝す」を使うのがよいということになります。
ですが、実際には人目に触れるようにするという意味でも「晒す」を使うことも多いです。
使い分けの決まりがあるわけではないので、辞書に載っているようにどちらを使っても構いません。
一応、一般的には、
- 漂白する時や野菜のアクを抜く時は「晒す」
- 人目に触れるようにする時や難しい事態に身を置くときは「曝す」
を使うことが多いとされています。
例文
- ごぼうをささがきにして水に晒す。
- 腹に晒しを巻く。
- この布は日に晒して色が褪せた。
- この彫刻は長い間雨曝しになっていた。
- これを持っているだけで身を危険に曝すことになる。
- こんなものを人目に曝すのははばかられる。
- 無断でSNSに顔写真を晒された。
「恥をさらす」は?
「さらす」はよく「恥をさらす」という形で使います。
「恥をさらす」は、「公衆の面前で恥をかく。自分の恥を周囲の人に知られる」という意味です。
この「さらす」は「晒す/曝す」のどちらなのでしょうか。
答えは、「晒す/曝す」にははっきりした使い分けの決まりがないわけですから、どちらで書いても構いません。
「人目に触れる」時には「曝す」の方を使うことが多いと言われていますので、「恥を曝す」の方が多く用いられているのではないでしょうか。
ですが、「恥を晒す」「恥を曝す」、どちらにしないといけないという決まりはありません。
また、どちらも常用漢字ではないので、こちらを使う方がわかりやすいということもないでしょう。
実際には「恥をさらす」とひらがなで書かれることも多いので、迷った時はひらがなで書くという手もありますね。
「晒す/曝す」の類義語
「晒す/曝す」の類義語には次のようなものがあります。
人目にふれるようにする意味で
- 見せる
- むき出す
- 露呈する
- 暴露する
- 明るみに出す
- 白日のもとにさらす
- 公表する
などがあります。
もちろん他にも、
「白くする」意味であれば「漂白する」
「水につける」意味であれば「水にひたす」
「危険にさらす」であれば「危険な目にあわす」
など、その時の「晒す/曝す」の使い方に応じて言い換え方は色々あります。
まとめ
「晒す/曝す」は全然違う見た目の字なのに、同じように使うというのが不思議ですよね。
また、幅広い意味があって、「野菜を水に晒す」のと「ネットに個人情報を晒す」のが同じ「さらす」なのも面白いところです。
ネットの晒し行為は良くないですが、「晒す/曝す」自体は悪い言葉ではありません。
ぜひ意味や使い方を理解して、使ってくださいね。
最後までお読みくださりありがとうございました!